行きつけのダイビングショップで、小さめのダンボールからゴソゴソと取り出されて、「やばいですけど良かったらどうぞ」ってすすめられたのがスイスのリンツ&シュプルングリー社の99%のビターなチョコレート。なにがヤバイって、夏を越したから少々ブルーミングを起こしていて、表面に白くカカオバターが浮き出しているとのことだった。
このファットブルームはチョコレートにふくまれるココアバターの結晶が浮いたものだが、よくスキーとかでポケットから取り出したチョコレートなどではよく見かける現象だ。
ココアバターは28度ほどで解け始め、さらに温度が高くなると分離してチョコレートの表面に浮き出してくる。これが冷えて固まることにより白く粉をふいたようなブルームとなる。このヤバイ99%カカオのチョコレートなら、ブルーミングはココアバターだけだが、砂糖の入ったチョコレートではシュガーブルームと呼ばれる砂糖の結晶が浮くこともある。チョコレートの表面についた水滴が砂糖を溶かし、その後水分が蒸発して、砂糖が表面に再結晶として残ってしまったものだ。スキー場でもらうバレンタインチョコレートではよく起こるかもしれない。tetujinはそんなあまいチョコをもらった事がないから実際に見たわけではないのだが。こうしたブルーミングはチョコレートに急激な温度変化によって起こる。しかし、ブルーミングが起こってもそのチョコを食べて害はない。
そのダイビングショップに何枚も大量にあった99%のビターチョコレート。顧客のだれかがヨーロッパへ遊びに行った時のお土産かなんかだろうか。チョコレートの魅力は、なんといってもあの特有の風味にある。口に含んだときの舌触り、口の中でとろける時に鼻腔に放たれる香り。気品のある苦みと香りをより一層深く味わうため、エスプレッソを飲みながら一緒に食べるのが古くからのマイブームだ。
ということで、コーヒーを入れてもらいながら、みんなでその99%を食す。
「何 こ れ。 ん ? ! (^◇^;)」
居合わせたみんなが一口食べただけでそれ以上食べるのをやめる中、ぼくは平気でボリボリ食べていた。別に味覚が麻痺しているわけではなく、甘いものを除けば以前より苦さやからさに耐性ができて来たということだ。
カカオ(Theobroma cacao)は、中央アメリカから南アメリカの熱帯地域を原産とするアオギリ科の常緑樹。カカオを栽培食物としたのはマヤ文明だ。日本は100%カカオを輸入しており、そのうち76%はガーナから輸入している。ガーナでチョコレートは高級品で土地の人はほとんどは食べられない。ガーナからスイスを経てはるばる日本へやってきたのだ。
チョコレートに含まれるカカオ・ポリフェノールの抗酸化作用には、動脈硬化、心筋梗塞、胃潰瘍、老化を防ぐ効果があるらしい。アレルギーや虫歯を防ぎ、便秘や冷え性が改善されることも認められているという。抗うつ作用もあり、疲れた時や気分が落ち込んでいる時にチョコレートを食べると、気分が落ち着いたり良くなったりする。さらに欠かせないビタミンやミネラルも豊富に含んでいる。こうした効能を享受するためにも、カロリーを押さえるためにも、カカオの含まれるパーセントが高いハイカカオのチョコレートがヨーロッパで好まれ、そして日本へ輸入されるようになってきた。この99%カカオのチョコレート。くせになってしまいそうだ。
Rita Coolidge - We're All Alone
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