tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

街角にはクリスマスツリー

2007-11-21 18:44:34 | bad news

あわてんぼうのサンタクロースがもう街にやってきたのだろうか。
街角には気の早いクリスマスツリー、金色のきらめき。

♪恋人がサンタクロース~♪
この曲が街に流れた頃、僕は独身で仕事に忙殺されてた。クリスマス・イブだろうと関係なかった。アークヒルズの前で、サンタの衣装を着たケーキ屋の女の子たちの前を、目を合わせないように急いで通り過ぎたのを覚えてる。当時の僕には、まるで無関係なよその世界の事だった。

ユーミンのこの歌はエポックメイキングだった。不特定多数に愛を運ぶはずのサンタクロースは、恵まれていないと思い込んでいる個人のものとなった。この歌を悪く言うつもりはない。むしろ、スキーに行く時はいつも車の中で聞いていた曲だ。だが、ユーミンは"恋人がサンタクロース"と今でもそう思ってるだろうか?
彼女の歌と時を同じくして、自己中心主義が蔓延した。自分の好みや都合を基準に、社会をどう楽しむかというのが若者達の考え方を支配した。商業主義もその後押しをした。

本当は、クリスマスはもっと豊かな愛で満ち溢れているはず。街角のサンタは恵まれない人々のために奔走してる。絵本だけのお話ではない。外国での話だ。
今の日本では格差が広がり、ネットカフェ生活者など定住の場所を持たない若者が増えている。
『日雇い派遣』という名の日々雇用と手配師に身を任せる若者たち。『高度成長期』と呼ばれた時代の三谷や西成が頭をよぎる。「貧困の連鎖」はますます加速している。労働市場にまかせておいたら、賃金は1円でも安い方がいいに決まっている。最低賃金に対する政府が介入が今こそ必要な時だ。

幸せな人だけがクリスマスを祝うのは哀しい。僕らにできる小さな行動のことをずっと考えている。
絵本だけのお話にしないためにも。


松田聖子 - 恋人がサンタクロース