tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

ジャック・T・モイヤーが愛した三宅島(1)

2007-11-12 20:03:05 | プチ放浪 海沿い編

なぜ三宅島を今回のダイビングポイントに選んだかというと、Broach (plala)にある三宅島のイルカの調教師の方のブログ(http://pub.ne.jp/sugger/)に影響されたところが大きい。彼女は三宅島で人と自然との共生を実践していて、島の生活の様子やきれいな三宅島の写真をアップしてくれている。その島での生活ぶりはまさにスローライフを地でいくもので、島の暮らしに淡い憧れを感じてしまう。早く言えば、彼女が毎日見ている三宅島の景色をどうしても見てみたかったのだ。それに、うまくいけばイルカとともに泳ぐことができるかもしれない。こんな風に見知らぬ土地の印象は、口コミやインターネットなどで仕入れた情報から創られていくものなのだろう。
11月9日、 船はこの日の夜の10時30分に竹芝桟橋を出航した。今回のフェリーは東海汽船の「サルビア丸」で、つい2ヶ月前の八丈島ダイビングの時に利用したカメリア丸の姉妹船だ。秋も深まったというのに相変わらず桟橋は、大きなクーラーボックスに釣竿をぶら下げた男たち、そしてダイビングのキャリーバッグを抱えたダイバー達でごった返していて、いかにも「島へ行く」という感じだ。南の島への出港前のこの雰囲気がたまらない。

「さるびあ丸」は約5000トン、定員数816名(運航区域によって変わる)、お尻が丸くてとってもキュートな船だ。フェリーではなく貨客船のため車は積めないので、『LIMIT OF LOVE 海猿』で起こったような爆発事故は起こりそうもない。もちろん、ぼくには会いに来てくれる女性もいないが。船室は2等は絨毯敷きの座敷と椅子席。座敷は一番深いところにあり、枕が置いてあり、100円で貸し毛布が借りられる。また、2等椅子席はリクライニングシートで、飛行機のエコノミークラス(普通席)よりは幅が広く、足元が広い。ビジネスクラス並み、後ろの人をあまり気にせずに椅子を倒すことができる。ぼくらは船酔いが心配なので完全に横になれる座敷の方を選択する。
乗船してしばらく経つと、すぐに出港し、船内に「星を求めて」という曲が流れる。これがいかにも「島へ向かう」という気分を盛り上げてくれる。

八丈島付近に停滞している前線に向かって北東の風が吹き荒れ、浦賀水道付近(東京湾の入り口)ではすでに荒れていた。前線は北上しており、船は前線にさらに向かうことになる。東京~大島、利島、新島、式根島、神津島の船は条件付きの出港という状況だったので、沖へ行くほど、北東からの波が高くなってくる。一晩中、船はローリングしていた。
三宅島に到着前に「ピピピピピ・・・」と鳥の鳴き声がスピーカーから流れてくる。この鳴き声は、もうすぐ三宅島に着くという合図だ。三宅島の到着は朝かなり早いので、快適な目覚めをさせるように船内放送で流してくれるのだ。
まだ外は暗くてもうちょっと寝たいところだが、船内には明りがともされる。外は夜の闇をさいて小雨が降りしきっている。桟橋に近づくと、ようやく錆ヶ浜港の様子が見えてくる。錆ヶ浜港は島の南西に位置し、北東の波にあまり影響を受けずに接岸が可能のようだ。だが、島の東に位置する三池港はきっと波が高くすごいことになっているのだろう。難なく接岸し、釣り客など大きな荷物を持った人たちが次々を下船する。暗いうちの上陸なので、三宅島についた感激があまりわかないままにダイビングサービスの車に乗って、民宿へ。1時間ほど仮眠を取った後に朝食。海況を見た上で、ダイビングのボートがでることになった。

aiko - ひこうき曇 Hikouki Gumo (Live) / with Yuming