tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

春一番

2007-02-17 20:22:23 | old good things

♪春一番が掃除したてのサッシの窓に ほこりの渦を躍らせてます♪


春一番が吹く頃と引越しの季節は一致しない。・・・阿木耀子が作詞したカップルの別れのこの歌。キャンディーズが初のチャート1位を獲得したラストソングだ。キャンディーズのそれまでのヒット曲のタイトル「春一番」「わな」「ハートのエースが出てこない」「年下の男の子」「やさしい悪魔」「アン・ドゥ・トロワ」が苦心の末に歌詞に織り込まれている。

しかし、内容を考えると無理に言葉を押し込んだためにやや破綻しているところがあっておかしい。「わなにかかったウサギ」なんて言葉は、実際にそれを見たことのある人は歌詞には使わないだろう・・・実際、それって悲惨なんすよ・・・


最近、引越し会社のCMでこの曲が使われている。
引越し作業をしている女性が、ふと手を休めてちょっと寂しそうに口ずさむ。
「お引越しの~お祝い返しは微笑みにして~♪…」
軽やかなメロディーなのに、どこか切なく、何となくホロリとなってしまう。

歌詞の内容は、一緒に住んでいた年下の男の子と別れの日の想いを女性側からつづったものだ。ふたりでいっしょに住んだ部屋を片づけて、それぞれが別の道を歩き出す。ふたりの恋愛はそれぞれにプラスになるようなものだったのだろう。

この曲が流行った頃の僕は、成人式を迎えつつ自分の生き方がなかなか見つからずに苦しんでいた。大学に通いながらも、スキーに夢中になっていて、社会に出たら自分の何をどう活かせばいいのか、ビジョンも自信もなかった。

その上、恋愛ではふられっぱなしだった。女性にふられた回数は自慢できるほど・・・星の数を超えるほどあった。だから、「♪イヤだわあなたすすだらけ・・・イヤだわシャツで顔ふいて・・・それでは鍵がサカサマよ♪」とキャンディーズが歌うこの曲に、いつかこんな恋愛をしてみたいと限りなく憧れに近いものを覚えていた。

春一番って言葉は、今は気象用語になっているが、もともとは漁師さん達の間から生まれた単語なのだそうだ。
安政6年、西暦で言えば1859年、旧暦2月13日。今の長崎県は壱岐の郷の浦の53人もの漁師さん達が船を何隻も仕立てて五島沖に漁に出て、運の悪い事に春の突風に遭ってが遭難したらしい。それ以来、郷の浦の漁村では春の最初の強風の事を『春一』とか『春一番』と呼ぶようになったのそうだ。
こうして『春一番』って言葉は海の悲劇から広まったのだが、突風ばかりでは無く、暴風雨に変身したり、竜巻まがいになったりもするらしい。

もうすぐ春です

毎年、春一番が吹き出すとともに目がたまらなくかゆくなって、花粉症の季節がはじまります。電車に乗ると、マスクをつけた人がこの頃からだんだん多くなって花粉が飛んでいることを実感します。頭がぼーっとする季節ですが、お互い、健康に気をつけましょう。