山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

奥穂高岳・前穂高岳(2-2)

2009-09-11 | 北アルプス
吊り尾根

正面のギザギザした山が前穂高岳です。
奥穂高岳は画面の右端にあります。
この間を吊り尾根と呼んでいます。
ここから見てもきれいなカーブを描いています。


ヨツバシオガマ

シオガマの仲間もたくさんあります。
これは葉っぱが4枚輪生しているので、すぐにわかります。
クチバシが長いのをクチバシシオガマといって区別する場合が
あるそうですが、5mmと9mmの差だそうです。
歩きながらではそこまでわかりません。
すべて4枚ならヨツバシオガマでよいと思います。

常念と蝶

登りながら何度も振り返りました。
涸沢ヒュッテがあんなに小さくなっています。
高くそびえていた屏風岩も低くなって常念と蝶の稜線が
よく見えるようになりました。

ザイテングラートの取り付き

いよいよザイテングラートに入ります。
近くでみると大きな岩の塊です。
ここからは油断できません。
気持ちを引き締めて登りましょう。
今回は12名という大パーティです。
先頭を行くリーダーが振り返って全員を確認していました。


前穂の北尾根

一番右が前穂高岳です。
その左が2峰、次が3峰、4峰・・・と続きます。
いわゆる北尾根と呼ばれている岩稜帯です。
岩登りの技術がないと歩けないところです。
滑落事故が多いところで、ザイルとヘルメットは必携です。
この日の前日も滑落事故があったようです。
画面の左下の雪渓から登るルートがわずかに確認できました。

ミヤマキンポウゲ

岩の陰に黄色い花が咲いていました。
ミヤマキンポウゲです。
太陽に反射して花びらが白く見えるのは花に含まれている
でんぷん質のためだそうです。
花が終わるとコンペイトウのような種ができます。

ザイテン

大きな岩に「ザイテン」と書いてありました。
ここから急な登りが始まります。
落ち着いて登れば問題ないと思います。


クロトウヒレン

クロトウヒレンが咲いていました。
アザミに似ていますが、葉っぱにトゲがありません。
蕾の時には真っ黒な塊です。
花びらの先端がカールしていておもしろいですね。
一度みたら忘れられない花です。

岩 場

岩場ではストックは邪魔になります。
常に両手を開けておくと楽です。
基本的には3点確保が重要です。
これから厳しい登りになります。

イワギキョウ

岩の間から顔を出していました。
ガクが大きく反り返っているのが特徴です。
よく似た花にチシマギキョウがあります。
こちらは花びらに細かいヒゲがたくさんあるのと
ガクが反り返っていないことで見分けられます。
ここではほとんどがイワギキョウでした。


岩 場

この先にハシゴかクサリがあるようです。
ハシゴやクサリは少し間をおかないと危険です。
夏の最盛期には渋滞が起きる場所です。
慌てると事故の元になります。
遠くの涸沢槍がきれいです。
空の雲はすっかり秋を感じさせていました。