山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

北穂高岳(その5)

2008-09-15 | 北アルプス

涸沢ヒュッテの入口です。
最後の石段を登ってくると、ここに出ます。
入口を入って一番奥に受付があります。
かわいい元気な女の子が応対してくれます。
1泊2食付きで¥9000です。
明日のコースを説明したら、「あのコースに行く人は朝早く出なければ
ならないので、朝食は弁当にしたら如何ですか?」と聞かれました。
朝は暖かいものを食べて出発したいと思い、弁当は断りました。
2泊分前払いでした。



テラス

ここがテラスの1部です。
午後3時過ぎになったら、急に雨が降り出しました。
テラスにいた人も慌てて小屋の中に駆け込みました。
これ以降に登ってきた人はびしょ濡れになっていました。
夏山はできるだけ早く小屋に入るのが鉄則です。
午後2時過ぎには雷雨があるのも珍しくありません。



売店

売店は外のテラスの横にあります。
雨はすぐに止みました。
濡れて登ってきた人が雨具を着たままオデンを食べています。
体が冷えたのでしょう。
左奥に洗面所があります。
ここは水が豊富でそのまま飲むことができます。
小屋によっては1リットル¥100で販売しているところもあります。
南アルプスの小屋には水を汲みに行くのに往復1時間かかるところも
ありました。
山では飲み水は貴重です。

食堂

山では大体4時起床です。
朝食は5時からです。
食堂は宿泊している部屋と続いています。
夕べはかなり雨が降り、明け方まで続きました。
食堂を覗くと朝食の準備中です。
この反対側にも同じくらいと奥にも部屋があります。
一度に80人くらい食事ができるようです。
ご飯と味噌汁はおかわり自由でした。




雨が小振りになったので外に出てみました。
正面の山と雲が赤く染まっていました。
正面が東大天井岳、その左が大天井(おてんしょう)岳です。
一番右に横通岳がみえます。
その右に常念岳がありますが、ここからは手前の山に隠れてみえません。




北穂高岳の上空には相変わらず雲がかかっています。
この日はどうもスッキリ晴れないようです。
小屋にテレビがあり、天気予報を流していました。
曇り時々雨との予報でした。
ここから奥穂高岳に行く人がほとんどです。
「どうしょうか?」と少し迷ったのですが、決めるのは自分だけです。
ザックから傘や着替えなどを出して部屋に置き、雨具と水、食料だけにして
行くことにしました。




ルートはテント場を抜け、涸沢山荘の横を通って登って行きます。
最初からかなりの急登です。
テント場と涸沢ヒュッテが見る間に小さくなりました。
雨は相当激しくテントの人もたいへんだったようです。



エゾシオガマ

登山道の脇にたくさん咲いていました。
薬師岳の縦走でもたくさん会った花です。
ここのほうが色白でした。
夕べの雨に打たれてきれいになったのでしょうか?


オオヒョウタンボク

前日ご紹介したオオヒョウタンボクの花です。
茎が葉っぱの葉脈に沿って伸び、先端に2つの花を咲かせている
ようすがよくわかります。
こちらも雨に濡れてしっとりしていました。




タカネヨモギ

葉っぱがギザギザで花が下を向いています。
高いところで咲くヨモギの仲間です。
黄色い花をたくさんつけますが、これはまだ蕾が
多くありました。




かなり登ってから振り返ってみました。
泊まっていた小屋が小さく見えます。
雲がどんどん湧いてきています。
とりあえず北穂高岳まで登ってその先は考えることに
しました。

夕べはきれいな月がみえました。
夜中は突然の土砂降りでした。
一雨毎に秋がきているようです。












北穂高岳(その4)

2008-09-14 | 北アルプス
オデンと生ビール

12時30分に涸沢ヒュッテに到着しました。
上高地を出発してから6時間20分でした。
小屋の受付で2泊の予約をし、早速名物のオデンと生ビールで
昼食です。(セットで¥1400、生ビールだけなら¥800)
ここは標高2300m、上高地が大体1500mくらいですから
標高差800m登ってきたことになります。
外のテラスでゆっくり景色を眺めながら飲みました。



上空で突然ヘリコプターの音がしました。
前穂から少し下った稜線のあたりです。
もしかしたら事故があったのかもしれません。
上空はガスっていました。



涸沢カールの展望です。
正面のとがった山が涸沢槍、その左に真っ直ぐ下がった尾根がみえますが、
これがザイテングラート、その左の鞍部に穂高岳山荘があります。
この日はご覧のような天気でした。



こちらは北穂高岳の方向です。
見えている小屋は涸沢小屋です。
アイスクリームが美味しいそうです。
残念ながらまだこの小屋には泊まったことがありません。
アットホームな小屋だと聞いています。
北穂高岳はやはり雲の中でした。



轟音と共に先ほどのヘリがこちらに向かってきました。
小屋の後ろにヘリポートがあります。
飲みかけのビールをそのままにして裏に回ってみました。



救難ヘリ

エンジンを止めないまま着陸しました。
長野県警の救難ヘリです。
ここで1人救助隊を乗せていました。
やはり事故があったようです。
再び同じ場所に飛び立って行きました。
ガスが濃いので果たして見つかったでしょうか。



イワツメクサ

岩場にひっそりと咲いていました。
風に揺れて落ち着いていません。
花びらは5枚ですが、大きく切れ込んでいるので10枚に見えます。
岩場の厳しい条件の中で懸命に咲いています。
声をかけたくなる花です。




再びテラスに戻って北穂のほうを眺めました。
少し手前に引くとテント場がみえます。
この時期は小屋よりもテントの中のほうが快適のようです。
食事も自分で好きな物が作って食べられます。
但し、荷物が重くなるのでそれなりの体力が必要です。

ミソガワソウ

食後少し小屋の周りを散策しました。
紫色の花が咲いていました。
ミソガワソウです。
木曽川の支流に味噌川というのがあるそうですが、そこに
たくさん咲いていたのでこの名前がついたそうです。
シソ科の植物です。


ハンゴンソウ

葉っぱが大きく切れ込んでいます。
反魂草と書いてこの葉っぱの姿が死者の霊を招いているように
みえるそうです。
似た花にハンカイソウというのがありますが、葉っぱが違います。
こちらは西日本に多く、ハンゴンソウは本州中部以北から北海道に
分布しているそうです。


オオヒョウタンボク(実)

オオヒョウタンボクの実がありました。
スイカズラに似た花が咲きます。
花は葉っぱの真ん中から出ているように見えますが、実際は
葉の葉脈にそって真ん中あたりまできてから持ち上がっています。
この実の姿からオオヒョウタンボクという名前になりました。
花にも出会ったので後でご紹介します。



小屋の内部

この小屋には幾つかの建物があります。
2年前に来た時には別館に通されました。
今回は新館です。
受付や食堂と繋がっています。
部屋は1階と2階があり、1階の左奥を割り当てられました。
男性ばかり6人で、布団1枚のスペースがあります。
混んでいる時はたぶん倍の人数が入ることでしょう。
早く着いたので壁側を確保しました。
ここは5人以下なら予約はいらないようですが、一応事前に
予約しておきました。それがマナーだと思っています。



北穂高岳(その3)

2008-09-13 | 北アルプス
サワギク

横尾大橋を渡ってしばらく行くと、黄色い花がでてきました。
サワギクです。
葉っぱがギザギザしているのが特長です。
背丈もかなり大きくなるものもありますが、これは小さいほうでした。
花が終わると綿毛が出てきます。
そのようすから、ボロギクとも呼ばれるようです。



ニワトコ

ニワトコの赤い実がありました。
春先に白い小さな花をたくさん咲かせます。
「接骨木」と書き、枝を黒く焼いて骨折や打撲のシップ薬として
用いたそうです。




しばらくはこのような樹林帯が続きます。
登山道に入ると誰もいなくなりました。
やはり槍に行くほうが人気があるようです。
それぞれも目的が違いますから、気にしません。
反って静かな歩きができます。



上高地で有名な屏風岩です。
この岩を巻いて登山道があります。
どっしりとした大きな岩でした。
天気はまずまずのようです。



ツバメオモト(実)

登山道の脇から黒い実が風にゆれていました。
ツバメオモトの実です。
春先に白い花を咲かせます。
葉っぱが万年青(オモト)に似ています。
この実の姿がツバメの頭の色に似ているので
ツバメオモトという名前になりました。
朝露がまだ残っていたようです。



シロバナクモマ二ガナ

里に咲く二ガナの高山種です。
普通ニガナは黄色い花ですが、これはシロです。
クモマとは高い山という意味です。
小さな花ですが、結構目立ちました。



クガイソウ

葉っぱが輪生しています。
花は下から咲きますが、一番上まで咲いているのに出会ったのは
初めてでした。
下が花で上に蕾が残っている姿が多いです。
似た花にヤマルリソウというのがありますが、こちらは葉っぱが
対生しています。
2本のオシベが元気に飛び出しています。



本谷橋まできました。
横尾から50分かかりました。
きれいな水が流れていました。
ここで小休止して顔を洗いました。
水が冷たくて気持ちよかったです。
小屋まであと2時間くらいでしょう。
ここからかなりの急登になります。


ハクサンフウロ

ハクサンフウロがでてきました。
これからたくさん出会える花です。
この仲間にもたくさんあります。
カムチャッカで出会ったチシマフウロはグンナイフウロに
そっくりでした。
夏山を代表する花の一つです。



ウラジロナナカマド

一般にナナカマドと呼んでいますが、このあたりの
ナナカマドは葉っぱの裏が白いのでウラジロナナカマドと
呼んでいます。
小さい花の集合体ですが、よくみると一つ一つに個性があります。
秋になると真っ赤な実をつけ、葉っぱも赤くなってきれいです。
紅葉は10月末頃でしょうね。



だいぶ登ると登山道の脇に雪渓が出てきました。
奥のカールが涸沢カールです。
小屋はその右のほうにあります。
残り1時間くらいでしょうか。
ゆっくり登りました。



北穂高岳(その2)

2008-09-12 | 北アルプス
カニコウモリ

山野に行けばどこでも見られます。
葉っぱがカニの甲羅に似ていて2枚対になっているのでコウモリです。
茎の先端に筒状の白い花をつけます。
道路の右側にたくさんありました。


ヨブスマソウ

花はカニコウモリに似ていますが葉っぱが違います。
きれいな三角形をしています。
かなり背丈が大きくなります。
風に揺れてなかなか撮らせてくれませんでした。




メタカラコウに白いガが止まっていました。
後で調べたらシャクガの仲間で「シロツバメエダシャク」とありました。
黒い筋が印象的でした。
チョウと違ってガはなかなか動きません。
「ガ」が強いようです。


クサボタン

ほぼ徳沢園に近いあたりにたくさん咲いていました。
葉っぱがボタンの葉っぱに似ています。
花は先端がクルリと反り返っておもしろい形です。
一度見ると忘れられない花です。



ソバナ

時々山側から茎を伸ばして咲いています。
この姿の花もたくさんありますが、花柱は花冠から外に飛び出さないのが
特長です。
「岨菜」と書き「岨(ソバ)」とは山の切り立った崖のことだそうです。
そんな場所に咲く花なのでこの名がついたようです。



メタカラコウ

メタカラコウが群生していました。
これに似たオタカラコウというのもあります。
メタカラコウは舌状花が1~3枚、オタカラコウは5~9枚です。
葉っぱもメタカラコウのほうが小型で先端がとがっています。
夏山でお花畑を飾る花の一つです。


センジュガンピ

ナデシコ科の植物です。
花びらの先端が細かく縮れています。
センジュとは日光の中禅寺湖西岸の千手ヶ原のことでここで最初に
発見されたそうです。
上高地に来る度に会っていますが、清楚で好きな花の一つです。
本州中部以北から北海道にかけて分布しているようです。



ミヤマモジズリ

道路脇に1輪だけ咲いていました。
ランの仲間です。
ネジバナのことを別名:モジズリといいますが、それの山地型
のようです。
花もネジバナより大きく捩れていませんでした。
歩きながらでも小さな花が目に飛び込んできます。

ヨツバヒヨドリ

下のほうの葉っぱが4枚輪生しています。
まだまだ蕾が多いようでした。
似た花にヒヨドリバナがありますが、これは葉っぱが輪生せず
茎も下から幾つかに分岐します。
どちらもアサギマダラが好きな花です。



コキンレイカ

岩の間から顔を出していました。
花がオミナエシによく似ています。
別名:ハクサンオミナエシといいます。
ここでは黄色い花がよく目立ちました。


横尾山荘

花を見ながら歩いていたら徳沢園を通り過ぎて横尾まできて
しまいました。
上高地を出発して2時間50分でした。
地図上のコースタイムだと休憩なしで3時間10分です。
のんびり歩いた積りでも一人だと早いようです。

この小屋は現在改装中で60人しか泊れません。
奥の建物が新しく建てられたようで内部は2段ベッドの
個室を多く造るようです。
いつもここは通り過ぎるのでまだ泊ったことがありません。
上高地に午後着けばここに泊るのも良いかも知れません。


横尾大橋

横尾山荘の前で道が二つに分かれます。
真っ直ぐ行けば槍ヶ岳に行けます。
この橋を渡って沢沿いに歩けば涸沢(からさわ)です。
山荘の前にいた人はほとんどが槍に向かっていました。

私はこの橋を渡って涸沢に向かいました。
約3時間くらいの歩きになります。
時間は9時過ぎでした。昼過ぎには小屋に着くでしょう。

北穂高岳(その1)

2008-09-11 | 北アルプス
釜トンネル

会のプランとして募集しましたが、申込者はゼロでした。
止む無く1人で行くことにしました。
薬師から帰って1週間後、お盆過ぎの頃です。
新宿から夜行バスで上高地に入ります。
バスは途中の沢渡(さわんど)で低公害車に乗り換えます。
マイカーもここまでしか入れません。

釜トンネルの出口です。
今年2月に冬の上高地をスノーシューで歩きました。
その時はこのトンネルを歩いて通りました。
約20分かかりましたが、バスだとあっという間でした。


上高地バスターミナル

新宿を夜の11時に出発して、上高地に翌朝6時に着きました。
バスターミナルの横に登山基地があります。
ここで登山届を提出し、身支度を整えます。
この建物の2階は食堂になっています。
降りてくるとここで食事をします。
手前に水場があり、自由に汲むことができます。
美味しい水でした。


キバナノヤマオダマキ

20分ほどしてから出発しました。
ここから横尾まではほぼ平坦な道です。
登山道の脇に黄色い花が風にゆれていました。
キバナノヤマオダマキです。
オダマキは園芸種としてもたくさんの種類があります。
山に自生している花は清楚な感じがします。



キツリフネ

こちらはキツリフネです。
里山でもよく見かけます。
吊り下げられた舟の形をしています。
赤い花のツリフネソウはまだありませんでした。

かっぱ橋

バスターミナルから10分ほどで「かっぱ橋」に到着します。
もう少しすれば観光客で賑わうところです。
1997年5月に5代目として架け替えられたそうですから、
もう10年経っています。
上高地のシンボルになっているようです。


穂高連峰

かっぱ橋の中ほどから穂高連峰を眺めました。
正面の沢が岳沢です。
その奥に奥穂高岳、右手に前穂高岳が見えるハズですが、
生憎と雲の中でした。
右の大きな山は六百山です。


焼岳

今度は反対の下流側を眺めてみました。
正面に焼岳がみえますが、やはり頂上には雲があります。
2月のスノーシューではここまできました。
その時には真っ白に雪を抱いた焼岳が姿をみせてくれました。
少し機嫌が悪いようです。
梓川に入っている人がいますが、水が冷たくて数分も入って
いられません。
夏でも手が切れるくらい冷たい水です。



キオン

また黄色い花が出てきました。
キオンです。
花びらが5枚で花は茎の上部に多数咲きます。
葉っぱの先は鋭くとがっています。
ハンゴンソウに似ていますが、葉っぱが違います。


明神岳

梓川の右側を歩いています。
対岸に明神岳(2931m)が見えてきました。
この奥に前穂高岳があります。
川の中に生えている木はケショウヤナギです。
上高地の固有種になっています。


明神館

やがて明神館につきました。
地図ではバスターミナルから1時間と書いてありますが、
約40分で着きました。
1人だと早いようです。
ここで小休止して次に向かいます。
観光客もかっぱ橋からここまではくるようです。
反対側は遊歩道になっていますから、歩きやすいのでしょう。
次は徳沢園です。

北ア・薬師岳(最終回)

2008-09-10 | 北アルプス

無事に一夜が明けました。(笑)
素晴らしい天気です。
折立から富山行きのバスが8時と9時の2本あります。
8時のバスに乗るには朝食を抜いて出発しなければなりません。
途中に「亀谷温泉」があります。
温泉に入ってきれいな体?で都会に帰るのがマナーです。
小屋から連絡して貰って「ジャンボタクシー」を予約しました。
これなら温泉に入っている間待っていて貰えます。

ポールの左奥に黒部五郎岳が朝日に輝いています。
その左に三俣蓮華と続きます。
宿泊者のほとんどがこちらを目指していました。



朝食は1班が5:00、2班が5:30です。
時間があったので小屋の周りを散策しました。
きれいな青空が広がっています。
雲はもうすっかり秋を告げていました。




この小屋の収容人数は150名。
昨夜は220名の宿泊者があったそうです。
2段ベッド(通称、カイコ棚)も一杯でした。
この日は土曜日でした。
もっと泊るのではないかとオーナーは頭を抱えていました。

しばらくは木道が続きます。
折立まで約3時間もあれば降りられます。
新鮮な朝の空気を胸一杯吸って出発しました。



だいぶ歩いてから振り返ってみました。
もう小屋は見えません。
平らになっているあたりが太郎兵衛平といわれている場所です。
降りてしまうのが勿体無いような天気でした。


イワショウブ

早速花が挨拶してくれました。
イワショウブです。
葉っぱがショウブの葉に似ています。
小さな5弁花でオシベが目立っています。
亜高山帯の湿地によく咲いています。



キンコウカ

こちらはキンコウカです。
漢字では「金黄花」とか「金光花」とか書きます。
花びらの先端が細くとがり、朝日を浴びて光を放っているようでした。
まさにその名の通りの姿でした。
登山道の両側にたくさん咲いていました。
尾瀬でも見たことがありますが、もっと早い時期でした。


ツルアリドウシ

かなり降りてきたところに咲いていました。
アリドウシには鋭いトゲがありますが、これにはありません。
長さが1cmくらいの小さな花で、2個が下のほうで合着しています。
先端は4つに別れています。
赤い実が1個なるので、これを1両と呼んでいます。
カラタチバナを10両、ヤブコウジを100両、千両、万両は
お正月の花飾りとして使われます。


アカモノ(実)

更に下るとアカモノの実がたくさんありました。
この実がモモに似ているのでアカモモとなり、それが転じて
アカモノとなったそうです。
熟すと食べられるそうですが、このヒゲをみると食欲が湧きません。
シラタマノキをこれに対抗してシロモノと呼ぶことがあります。
これは潰すとサロメチールの香りがします。
ここでは見かけませんでした。



ツルリンドウ

登山道の脇から突然姿を出しています。
あまり目立たない花です。
花が終わると赤く細長い実をつけます。
普通は何かに巻きついているのですが、ここでは地面を這って
いました。

予定通り、3時間で折立に下りるとジャンボタクシーが待っていました。
途中の亀谷温泉で3日間の汗を流し、着替えをして都会人に変身しました。
富山駅前で寿司屋に入り、美味しいお寿司と生ビールで乾杯しました。
電車で帰る5名と駅で別れ、15:30発の高速バスで東京に帰りました。
天候に恵まれ、80種類以上の花にも会えた素晴らしい山行でした。

次回から北穂高シリーズに入ります。


北ア・薬師岳(その15)

2008-09-09 | 北アルプス
ケルン

薬師岳小屋を過ぎてしばらく歩くと少し平らなところに出ました。
薬師平と呼ばれているところのようです。
ここに大きなケルンがありました。
愛知大学の遭難者を慰霊するもののようです。
線香があったので改めて火をつけ、冥福を祈りました。



ホソバノキソチドリ

ケルンの裏手にポツンと1輪だけありました。
キソチドリは側花片が上を向いて「バンザイ」をしていますが、
これは背ガク片と重なり合っています。
長い距が前方に湾曲しているのも特長です。
野生のランの仲間で、なかなか会うことができません。
バックにみえるのはイワイチョウの葉っぱです。
目立たない花なので、見過ごす人が多いようです。


シロバナタテヤマリンドウ

タテヤマリンドウはブルーの花で室堂から浄土山周辺で
たくさん見ました。
白い花があるとは聞いていたのですが、ここで初めて会いました。
最初は別の花かと思いましたが、花びらの中の斑点がタテヤマリンドウの
特長を現しています。
結構たくさん咲いていました。





少しガレた沢沿いを下ります。
雪渓がおもしろい姿で残っていました。
側を通るとヒンヤリします。
この雪は消えないでまた新しい雪を迎えることでしょう。




石でゴロゴロした道がだいぶ長く続きました。
ここを降りたところにテント場があります。
このような岩場は雨が降ると嫌ですね。
大雨だと急に水が流れてくることもあります。
要注意です。




クロクモソウ

岩場の隙間から顔を出して咲いていました。
花が紫褐色をしているので目立ちません。
花の直径は5mmくらいで花びらは5枚、長さは3mmくらいです。
葉っぱが丸くて周辺がふぞろいにギザギザしています。
花が黒っぽく、葉っぱが雲に似ているので、クロクモソウという
名前がつきました。



オヤマリンドウ

8月末から9月にかけて咲く花です。
花は茎の頂上に集まり、天気がよくても半開きくらいで平開しません。
蕾のまま終る花もあります。
湿地帯に群生している場合もあります。


太郎平小屋

テント場を過ぎて少し登り返すと小屋が見えてきました。
太郎平小屋に到着です。
スゴ乗越小屋をでてから9時間10分かかりました。

ここを起点に薬師岳を往復することも出来ます。
約6時間くらいです。
またここから黒部五郎岳から三俣蓮華岳、雲ノ平から高天原に
行くこともできます。

小屋は予約してあったのですが、6名で3畳の個室でした。
とりあえず、生ビールです。



水晶岳

到着したのが午後2時50分、夕食まで時間があったので
外のベンチで過ごしました。
外もたくさんの人で賑わっていました。
着いた時はガスっていたのですが、しばらくすると晴れてきました。
奥に水晶岳が姿を現しました。
昔、裏銀座を歩き、烏帽子小屋から次は水晶小屋に泊る予定でした。
小さい小屋で「食事は出せない」といわれました。
仕方なく三俣山荘まで歩きました。
11時間以上かかったと思います。
この山を見るたびに当時を思い出します。



東のほうに入道雲が夕陽を浴びて輝いています。
明日はここから折立に下りるだけです。
この時期としては珍しく雷雨にも会いませんでした。
入道雲をみるとあっという間に雨が降る場合があります。




こちらは西の空です。
夕陽が雲の中に消えています。
空の雲が少しずつ色を変えます。
高いところの雲は秋の雲です。

だいぶ気温が低くなってきたので、小屋の中に入りました。
混んでいたので食事は3班に分けられました。
さあ、3畳で6名、どうやって寝ましょうか?









北ア・薬師岳(その14)

2008-09-08 | 北アルプス
ウサギギク

岩場の隙間からポツンと顔を出していました。
かわいい「ウサギちゃん」です。
葉っぱがウサギの耳に似ているので、この名があります。
花は5cmくらいと小さく草地に群生していることが多いです。
1輪だけでしたが、可憐な姿でした。




薬師岳の頂上が迫ってきました。
最後の登りです。
もうすぐだと思うと足も軽くなります。
右奥に薬師から先の稜線もよく見えました。




頂上直下です。
大きな祠がみえます。
今回の目的の山がこのピークでした。
あと一息です。




これが祠です。
厳しい風雪に耐えて建っています。
先に到着した人が鐘を鳴らします。
無事に到着したという合図です。
スゴ乗越小屋を出てから、丁度5時間でした。
ここでたっぷり時間をとって昼食にしました。
紅茶を飲みたかったのですが、お湯がありません。
すぐ近くにいた女性がコンロを出して沸かしてくれました。
彼女はテントで歩いているようでした。
山では見知らぬ人でもみな親切です。
何か共通のものがあるようです。



祠の中を覗いてみました。
金色の薬師如来がありました。
その周りにもいろんな姿の仏様がいます。
薬師如来は病気を治す仏様といわれています。
ここは日本でも一番高いところに鎮座する薬師様のようです。
下界で起きるさまざまな「病気」をしっかり治して欲しいものです。




頂上には立派な標識が建っていました。
標高2926mです。
今回歩いたコースでは一番高い山でした。
ここまでくる尾根も素晴らしかったですが、晴天が何よりの
ご馳走でした。




30分くらい休憩してから出発しました。
ここから一気にくだりです。
ザラザラした登山道は滑りやすいので慎重に降りました。
頂上があっという間に小さくなりました。




途中に避難小屋のようなものがありましたが、屋根がありません。
ここで冬の時期、尾根を間違えて遭難したそうです。
昭和38年、愛知大学の山岳部の学生でした。
多分吹雪で見通しも利かなかったのでしょう。
下の折立にも大きな供養塔が建っています。




この尾根が迷い込んだ尾根のようです。
雪があったのでどんどん進んだのだと思います。
雪山は夏と違って急に荒れることがあります。
気温も大きく変化します。
地図にも「この尾根には絶対に入らないこと」と書いてあります。
2650m附近で遭難したようです。




更にザレた道を下ります。
ここは細かい砂のようで足がかりが悪いところでした。
走り出したら止まりません。
膝でリズムを取って歩くと楽に下れます。
上から一人降りてきていますが、豆粒のようでした。


薬師岳山荘

薬師岳山荘につきました。
頂上から40分でした。
頂上が2926m、ここが2700mですから、標高差226mを
一気に降りてきました。
ここで小休止です。
今晩泊る太郎平小屋はまだ先です。



再び歩き出しました。
歩いてきた方向を振り向いてみるとガスがかかっています。
先ほどまできれいに見えていたのですが、もう見えなくなりました。
山の天気は変わりやすいです。
雨にはならないようですが、先を急ぎました。


北ア・薬師岳(その13)

2008-09-07 | 北アルプス
津軽三霊峰に登り、無事帰ってきました
素晴らしい晴天に恵まれました。
薬師岳シリーズ続けます。


キバナシャクナゲ

北薬師岳に登る途中に一つのピークがあります。
その下の沢筋に黄色い花が咲いていました。
キバナシャクナゲです。
もっとも高いところで咲くシャクナゲといわれています。
背丈は10~20cmくらいで、それ以上高くなれません。
高山帯の砂礫などに生えています。



左手奥の遠望です。
白く雪が残っている平らなところが「雲の平」と呼ばれているところです。
その左奥が高天原(たかまがはら)あたりです。
自然のままの露天風呂があります。
昔、高天原小屋にザックをおいて露天風呂に入りに行きました。
当時は囲いも何もありませんでしたが、最近は男女別の囲いができたようです。
小屋から往復1時間かかりました。
奥にとがっているのが槍ヶ岳、その右が穂高連峰です。



北薬師岳のピークがだんだんと近くなりました。
左に大きなカールがみえます。
もうすぐ最初のピークに着くようです。




歩いてきたルートを振り返ってみました。
かなり切り立った岩場です。
岩場には「浮石」(乗るとグラグラする石)があります。
浮石があると先頭から大きな声がかかります。
足元を注意しながら慎重に歩きました。
遠くに立山と剱岳がよく見えました。




最初のピークへの登りです。
このあたりは気持ちよく歩けました。
空の雲がすっかり秋の雲になっています。
北アルプスは春、夏、秋が同時に楽しめる山です。




再び、後方の景色です。
大きな雪渓の上に切り立った稜線が続いています。
この稜線の上を歩いてきました。
天気がよいとかなり遠くの山々まで見えます。
素晴らしい景観でした。



北薬師岳

しばらく小さなアップダウンを繰り返して、北薬師岳の頂上に
つきました。
スゴ乗越小屋を出てから4時間でした。
古いポールが建っているだけです。
ここから薬師岳までは約1時間の行程です。
しばらく休んでから再び歩き出しました。



北薬師岳を少し過ぎたあたりから薬師岳のピークが見え出しました。
この大きなカールは「金作谷カール」と呼ばれています。
きれいなカールですね。
これから歩くルートもよく見えました。




ここも尾根の稜線に沿って歩きます。
遠くに数名歩いている姿が見えます。
ここの稜線歩きが今回のハイライトでした。
やはり山は晴天に限ります。






歩いている登山道はこんな感じのところです。
大小の石がゴロゴロしています。
このような道を歩く時はバランス感覚を必要とします。
薬師岳まではこのようなアップダウンがかなりありました。






何度も歩いてきたルートを振り返ってみました。
歩いている時にはあまり感じませんが、こうやって振り返ってみると
「すごいところを歩いてきたものだ」と人間の足の凄さに感心します。
もうすぐ薬師岳の頂上です。









北ア・薬師岳(その12)

2008-09-03 | 北アルプス
ニッコウキスゲ

ニッコウキスゲが咲いていました。
尾瀬あたりでは7月中旬から下旬にかけて咲きます。
たくさん咲いていると黄色い絨毯を敷き詰めたようになります。
車山高原あたりでは鹿に食べられて少なくなったそうです。
ここでも少なかったです。



タカネヨモギ

高山に咲く花です。
葉っぱが細かく裂けています。
花は筒状花が集まってできていますが、あまり開きません。
地味な花ですが、それなりに存在感がありました。



ヤマブキショウマ

葉っぱの先端が鋭くとがっているのが特長です。
似た花にチダケサシというのがありますが、こちらは
葉っぱの先がとがっていません。
葉っぱの姿がヤマブキに似ているのでこの名がつきました。
花は小さい花の集合体です。


ミヤマウツボグサ

ウツボグサは低い山でも見られますが、これはその高山型です。
花の色も濃くきれいな色をしています。
足元に咲いていると自然に足が止まります。
見てあげたら喜んでいました。




歩いている右手に裏銀座がシルエットになって浮かんでいます。
右から烏帽子岳、南沢岳、不動岳と続き、一番左の高い山が針ノ木岳です。
五色ヶ原では目の前に大きくそびえていた針ノ木岳もあんなに小さく
なりました。
雄大な景色です。



後ろを振り返ってみました。
歩いてきた山がみえます。
正面の一番奥が立山の雄山です。
左に剱岳がそびえています。
たまには歩いてきた山をみるのもよいものです。


イワオトギリ

オトギリソウの仲間です。
葉っぱの先端がとがっています。
シナノオトギリによく似ていますが、葉っぱの姿が違います。
葉っぱにある黒点でも見分けられるようですが、歩いていると
そんな時間がありません。
全体の雰囲気で見分けています。
オシベが元気に飛び出していました。



正面に丸い山がみえました。
間山(まやま)という山です。
標高2585mです。
登山道は雪渓の左側に続いています。
正面奥のピークが北薬師岳、一番左のピークが薬師岳です。
まだまだ先は長いです。


トウヤクリンドウ

トウヤクリンドウがでてきました。
なかなか開いている姿が見えませんが、これは少し開いていました。
太陽があたると開くようです。
秋に登ると開かないでそのまま枯れている姿をみることが
あります。
開かないで終るなんてかわいそうですね。


ハクサンイチゲ

何度見てもきれいな花です。
すっかり夏山の主役になりました。
やはり晴れていると花が輝いてみえます。
かなり長い間咲いているようでした。



折角なので低い位置で撮ってあげました。
20cmくらいの背丈なので寝そべって撮りました。。
幾らかノッポに見えるでしょうか?



すぐ近くにチングルマの穂がありました。
こちらはもっと低い花です。
このようにすると小さい花も大きく見えます。
好きなアングルの一つです。
休憩時間だったので、時間はたっぷりありました。




間山を過ぎてもう一つのピークを目指します。
このような尾根を歩くのは気持ちよいものです。
この風景があるから山歩きが止められません。
北アルプスには独特の魅力があるようです。
関西の人にも人気があるようでした。




左奥に槍ヶ岳が姿を見せてくれました。
どこから見ても存在感がある山です。
その右に穂高連峰がみえます。
日本を代表する岩山です。
北薬師岳まであと1時間くらいのようです。
雄大な景色を楽しみながら歩きました。


明日から津軽の三霊峰に行くので、しばらく休みます。
今晩の夜行バスで青森まで入ります。7日に帰る予定です。
天気はよくないようですが、楽しんできます。







北ア・薬師岳(その11)

2008-09-02 | 北アルプス
モミジカラマツ

花がカラマツのようで葉っぱがモミジの葉に似ています。
それでモミジカラマツといいます。
花には花弁がなく花糸(オシベの柄)だけでできています。
亜高山帯から高山の草地に咲いています。
きれいな姿でした。



チングルマとアオノツガザクラ

ここでは二つ並んで咲いていました。
普段は別々に群生しますが、余程ここが住みやすかったのでしょう。
ここは少し湿原のようになっている場所でした。
アオノツガザクラは大きなマットを作る場合があります。
背丈は小さいですが、どちらも立派な木です。




イワイチョウ

葉っぱがイチョウの葉に似ています。
以前にもご紹介したと思いますが、きれいな姿だったので
再度登場していただきました。
やはり湿原を好む花です。
葉っぱは黄色く紅葉します。
湿原が黄色い絨毯を敷いたようになります。


タカネサギソウ

登山道の脇に小さな花が咲いていました。
ランの仲間です。
タカネサギソウは黄緑色の花なのであまり目立ちません。
一番下の葉っぱが特に大きいのが特長です。
亜高山帯から高山帯の湿った草地に生えるそうです。



オオバミゾホオズキ

茎の先に筒状の花を1個だけつけます。
下唇の中の褐色をした斑点がよく目立ちます。
本州の中部以北から北海道にかけての日本海側に
咲くそうです。
2年前に登った上高地から西穂山荘までの間にたくさん群生して
いました。
ここではこれだけでした。




歩いている左側の奥に裏銀座の尾根がよくみえました。
正面のラクダのコブのようなの山の左が烏帽子岳です。
その左は南沢岳のようです。
裏銀座には高瀬ダムから登りますが、この尾根はブナ立尾根と呼ばれ、
北アルプスの3大急登の1つに数えられています。
尾根に登るまで6時間かかります。
登ってしまえばあとはルンルン気分で歩ける尾根です。
歩いてからもう15年くらい経ってしまいました。



スゴ乗越小屋に午後2時につきました。
五色ヶ原山荘をでてから丁度8時間の歩きでした。
宿泊手続きを済ませ、早速ビールで乾杯です。
夕食は午後5時からです。
それまで表で景色を楽しみました。

小屋の夕食です。
最近、小屋の食事もよくなっています。
ご飯と味噌汁はおかわり自由です。
この小屋は1泊2食付きで¥8400でした。
五色は¥9000でした。



翌日も素晴らしい天気でした。
山の上から太陽が顔をだしてくれました。
いよいよ薬師岳に登る日です。
しっかり朝食を済ませ、5時40分にスタートしました。



少し歩いたところで振り返ってみました。
昨日歩いた山がシルエットを描いています。
手前の大きな山は越中沢岳でしょうか。
その左が立山の方向です。
今日も長い行程になります。




何となく絵になる場所がありました。
空の雲が秋を感じさせます。
肌に当る風がヒンヤリして気持ちよかったです。
山に来ないとこんな風景はみることができません。




ここにもモミジカラマツがありました。
朝露に濡れています。
しっとりした花もいいものです。
風呂上りの少女のようでした。


チングルマの穂

先頭のほうから「チングルマがきれいよ!」と叫んでいる
声が聞こえました。
行ってみるとチングルマの穂に水滴が付いていました。
朝日があたって宝石のように輝いていました。
自然がつくる芸術品です。
気温があがると消えてしまいます。
こんな姿を見るのも山歩きの楽しみです。

北ア・薬師岳(その10)

2008-09-01 | 北アルプス
ミヤマホツツジ

またミヤマホツツジが出てきました。
葉っぱは確かにツツジに似ています。
花びらが3枚反り返り、花柱が大きく内側に曲がっています。
低山に咲くホツツジは花柱が曲がりません。
小さな花です。


チングルマの花

きれいなチングルマの花がありました。
アップで撮ってみました。
咲き始めは花びらの根元が緑色をしています。
オシベも短いですが、時間と共に大きく伸びてきます。
最後は花びらが散ってオシベだけが残り、これが更に伸びて
穂になります。




アカモノ

アカモノといいますが、葉っぱがハゼの葉に似ているのでイワハゼとも
呼ばれています。
花は釣鐘状で下を向いていますが、穂になるとまっすぐ上を向きます。
そのあと、真っ赤な実がなります。
桃に似ているので「アカモモ」それが転化して「アカモノ」に
なりました。
シラタマノキというのもありますが、これは白い実なので「シロモノ」と
呼ばれています。


ライチョウ

途中で休憩していたら、ライチョウが砂遊びをしていました。
あまり大きくなかったので子供かも知れません。
夏は黒っぽい色ですが、冬になると真っ白になります。
少し白い羽根がでていました。

しばらく遊んでからすぐにいなくなりました。
ライチョウに出会うと、天気が崩れるといわれています。
雨の前に餌を食べるために登山道まで出てくるようです。
この日の天気は大丈夫でした。




ライチョウに会ったところからは急な下りになりました。
大きな岩場です。
これは降りてきてから振り返ってみたところです。
しばらく続きました。





ガスがでてきました。
急に雲の中に入ったようです。
岩場では足元の岩をしっかり見て歩くことが大切です。
うっかり浮石に乗るとバランスを崩してしまいます。
前を行く仲間は快調に歩いているようでした。





岩場はかな長く続きました。
花崗岩は雨に濡れると滑りやすいですが、濡れていなければ
グリップが利きます。
大きな岩があり、両手で乗越える場所もありました。
ハイマツが群生しています。
ライチョウはハイマツの下に巣を作るそうです。
先ほどのライチョウの家もこの近くにあるのかも知れません。


ネバリノギラン

登山道の脇に一段と大きく茎を伸ばした花がありました。
ネバリノギランです。
普通、こんなに茎を伸ばしません。
いつも蕾の状態をみているのですが、時間が経つとこのように
大きく茎を伸ばして花を咲かせるようです。
珍しい姿でした。



コメツツジ

コメツツジが出てきました
釣鐘状の花ですが、先端が4~5裂しています。
オシベが元気よく飛び出しています。
日本のツツジ類では一番小さな花だそうです。
高山の岩場が好きなようでした。




アカモノの実です。
場所によっては花が終わり、実になっていました。
この姿がモモに似ているそうです。
食べられるそうですが、もう少し熟れてこないと
ダメでしょうね。



カニコウモリ

亜高山帯の林床に群生している花です。
葉っぱがカニの甲羅に似ていて2枚向かい合っているので
コウモリです。
花は小さい筒状花で先端が反り返っています。



ツマトリソウ

平地でもたくさん見られます。
春先から咲いている花です。
咲き始めは花びらの周囲がピンク色をしています。
小さい花ですが、出会うと嬉しくなる花です。
だいぶ降りてきました。
このあたりはスゴ乗越と呼ばれるところです。
小屋まではあと1時間くらいのようです。
ここから急な登りが続きました。