山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

北ア・薬師岳(最終回)

2008-09-10 | 北アルプス

無事に一夜が明けました。(笑)
素晴らしい天気です。
折立から富山行きのバスが8時と9時の2本あります。
8時のバスに乗るには朝食を抜いて出発しなければなりません。
途中に「亀谷温泉」があります。
温泉に入ってきれいな体?で都会に帰るのがマナーです。
小屋から連絡して貰って「ジャンボタクシー」を予約しました。
これなら温泉に入っている間待っていて貰えます。

ポールの左奥に黒部五郎岳が朝日に輝いています。
その左に三俣蓮華と続きます。
宿泊者のほとんどがこちらを目指していました。



朝食は1班が5:00、2班が5:30です。
時間があったので小屋の周りを散策しました。
きれいな青空が広がっています。
雲はもうすっかり秋を告げていました。




この小屋の収容人数は150名。
昨夜は220名の宿泊者があったそうです。
2段ベッド(通称、カイコ棚)も一杯でした。
この日は土曜日でした。
もっと泊るのではないかとオーナーは頭を抱えていました。

しばらくは木道が続きます。
折立まで約3時間もあれば降りられます。
新鮮な朝の空気を胸一杯吸って出発しました。



だいぶ歩いてから振り返ってみました。
もう小屋は見えません。
平らになっているあたりが太郎兵衛平といわれている場所です。
降りてしまうのが勿体無いような天気でした。


イワショウブ

早速花が挨拶してくれました。
イワショウブです。
葉っぱがショウブの葉に似ています。
小さな5弁花でオシベが目立っています。
亜高山帯の湿地によく咲いています。



キンコウカ

こちらはキンコウカです。
漢字では「金黄花」とか「金光花」とか書きます。
花びらの先端が細くとがり、朝日を浴びて光を放っているようでした。
まさにその名の通りの姿でした。
登山道の両側にたくさん咲いていました。
尾瀬でも見たことがありますが、もっと早い時期でした。


ツルアリドウシ

かなり降りてきたところに咲いていました。
アリドウシには鋭いトゲがありますが、これにはありません。
長さが1cmくらいの小さな花で、2個が下のほうで合着しています。
先端は4つに別れています。
赤い実が1個なるので、これを1両と呼んでいます。
カラタチバナを10両、ヤブコウジを100両、千両、万両は
お正月の花飾りとして使われます。


アカモノ(実)

更に下るとアカモノの実がたくさんありました。
この実がモモに似ているのでアカモモとなり、それが転じて
アカモノとなったそうです。
熟すと食べられるそうですが、このヒゲをみると食欲が湧きません。
シラタマノキをこれに対抗してシロモノと呼ぶことがあります。
これは潰すとサロメチールの香りがします。
ここでは見かけませんでした。



ツルリンドウ

登山道の脇から突然姿を出しています。
あまり目立たない花です。
花が終わると赤く細長い実をつけます。
普通は何かに巻きついているのですが、ここでは地面を這って
いました。

予定通り、3時間で折立に下りるとジャンボタクシーが待っていました。
途中の亀谷温泉で3日間の汗を流し、着替えをして都会人に変身しました。
富山駅前で寿司屋に入り、美味しいお寿司と生ビールで乾杯しました。
電車で帰る5名と駅で別れ、15:30発の高速バスで東京に帰りました。
天候に恵まれ、80種類以上の花にも会えた素晴らしい山行でした。

次回から北穂高シリーズに入ります。