山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

北ア・薬師岳(その11)

2008-09-02 | 北アルプス
モミジカラマツ

花がカラマツのようで葉っぱがモミジの葉に似ています。
それでモミジカラマツといいます。
花には花弁がなく花糸(オシベの柄)だけでできています。
亜高山帯から高山の草地に咲いています。
きれいな姿でした。



チングルマとアオノツガザクラ

ここでは二つ並んで咲いていました。
普段は別々に群生しますが、余程ここが住みやすかったのでしょう。
ここは少し湿原のようになっている場所でした。
アオノツガザクラは大きなマットを作る場合があります。
背丈は小さいですが、どちらも立派な木です。




イワイチョウ

葉っぱがイチョウの葉に似ています。
以前にもご紹介したと思いますが、きれいな姿だったので
再度登場していただきました。
やはり湿原を好む花です。
葉っぱは黄色く紅葉します。
湿原が黄色い絨毯を敷いたようになります。


タカネサギソウ

登山道の脇に小さな花が咲いていました。
ランの仲間です。
タカネサギソウは黄緑色の花なのであまり目立ちません。
一番下の葉っぱが特に大きいのが特長です。
亜高山帯から高山帯の湿った草地に生えるそうです。



オオバミゾホオズキ

茎の先に筒状の花を1個だけつけます。
下唇の中の褐色をした斑点がよく目立ちます。
本州の中部以北から北海道にかけての日本海側に
咲くそうです。
2年前に登った上高地から西穂山荘までの間にたくさん群生して
いました。
ここではこれだけでした。




歩いている左側の奥に裏銀座の尾根がよくみえました。
正面のラクダのコブのようなの山の左が烏帽子岳です。
その左は南沢岳のようです。
裏銀座には高瀬ダムから登りますが、この尾根はブナ立尾根と呼ばれ、
北アルプスの3大急登の1つに数えられています。
尾根に登るまで6時間かかります。
登ってしまえばあとはルンルン気分で歩ける尾根です。
歩いてからもう15年くらい経ってしまいました。



スゴ乗越小屋に午後2時につきました。
五色ヶ原山荘をでてから丁度8時間の歩きでした。
宿泊手続きを済ませ、早速ビールで乾杯です。
夕食は午後5時からです。
それまで表で景色を楽しみました。

小屋の夕食です。
最近、小屋の食事もよくなっています。
ご飯と味噌汁はおかわり自由です。
この小屋は1泊2食付きで¥8400でした。
五色は¥9000でした。



翌日も素晴らしい天気でした。
山の上から太陽が顔をだしてくれました。
いよいよ薬師岳に登る日です。
しっかり朝食を済ませ、5時40分にスタートしました。



少し歩いたところで振り返ってみました。
昨日歩いた山がシルエットを描いています。
手前の大きな山は越中沢岳でしょうか。
その左が立山の方向です。
今日も長い行程になります。




何となく絵になる場所がありました。
空の雲が秋を感じさせます。
肌に当る風がヒンヤリして気持ちよかったです。
山に来ないとこんな風景はみることができません。




ここにもモミジカラマツがありました。
朝露に濡れています。
しっとりした花もいいものです。
風呂上りの少女のようでした。


チングルマの穂

先頭のほうから「チングルマがきれいよ!」と叫んでいる
声が聞こえました。
行ってみるとチングルマの穂に水滴が付いていました。
朝日があたって宝石のように輝いていました。
自然がつくる芸術品です。
気温があがると消えてしまいます。
こんな姿を見るのも山歩きの楽しみです。