山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
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北ア・薬師岳(その14)

2008-09-08 | 北アルプス
ウサギギク

岩場の隙間からポツンと顔を出していました。
かわいい「ウサギちゃん」です。
葉っぱがウサギの耳に似ているので、この名があります。
花は5cmくらいと小さく草地に群生していることが多いです。
1輪だけでしたが、可憐な姿でした。




薬師岳の頂上が迫ってきました。
最後の登りです。
もうすぐだと思うと足も軽くなります。
右奥に薬師から先の稜線もよく見えました。




頂上直下です。
大きな祠がみえます。
今回の目的の山がこのピークでした。
あと一息です。




これが祠です。
厳しい風雪に耐えて建っています。
先に到着した人が鐘を鳴らします。
無事に到着したという合図です。
スゴ乗越小屋を出てから、丁度5時間でした。
ここでたっぷり時間をとって昼食にしました。
紅茶を飲みたかったのですが、お湯がありません。
すぐ近くにいた女性がコンロを出して沸かしてくれました。
彼女はテントで歩いているようでした。
山では見知らぬ人でもみな親切です。
何か共通のものがあるようです。



祠の中を覗いてみました。
金色の薬師如来がありました。
その周りにもいろんな姿の仏様がいます。
薬師如来は病気を治す仏様といわれています。
ここは日本でも一番高いところに鎮座する薬師様のようです。
下界で起きるさまざまな「病気」をしっかり治して欲しいものです。




頂上には立派な標識が建っていました。
標高2926mです。
今回歩いたコースでは一番高い山でした。
ここまでくる尾根も素晴らしかったですが、晴天が何よりの
ご馳走でした。




30分くらい休憩してから出発しました。
ここから一気にくだりです。
ザラザラした登山道は滑りやすいので慎重に降りました。
頂上があっという間に小さくなりました。




途中に避難小屋のようなものがありましたが、屋根がありません。
ここで冬の時期、尾根を間違えて遭難したそうです。
昭和38年、愛知大学の山岳部の学生でした。
多分吹雪で見通しも利かなかったのでしょう。
下の折立にも大きな供養塔が建っています。




この尾根が迷い込んだ尾根のようです。
雪があったのでどんどん進んだのだと思います。
雪山は夏と違って急に荒れることがあります。
気温も大きく変化します。
地図にも「この尾根には絶対に入らないこと」と書いてあります。
2650m附近で遭難したようです。




更にザレた道を下ります。
ここは細かい砂のようで足がかりが悪いところでした。
走り出したら止まりません。
膝でリズムを取って歩くと楽に下れます。
上から一人降りてきていますが、豆粒のようでした。


薬師岳山荘

薬師岳山荘につきました。
頂上から40分でした。
頂上が2926m、ここが2700mですから、標高差226mを
一気に降りてきました。
ここで小休止です。
今晩泊る太郎平小屋はまだ先です。



再び歩き出しました。
歩いてきた方向を振り向いてみるとガスがかかっています。
先ほどまできれいに見えていたのですが、もう見えなくなりました。
山の天気は変わりやすいです。
雨にはならないようですが、先を急ぎました。