沢に沿ってひたすら登ります。
左が登山道ですが、かなり荒れていました。
浮石もかなりありました。
上空には相変わらず雲がかかっています。
二つの太陽
後ろで呼ぶ声が聞こえたような気がしました。
近くには人はいません。
大天井岳の上空をみると太陽が2つみえました。
冬に「幻日現象」といって太陽が2つにみえる現象があるそうです。
これがそれにあたるかどうか知りません。
左が本当の太陽で、右はニセ者です。
大きな目で睨まれているようでした。
しばらくすると雲が切れてニセの太陽は消えてしまいました。
流れる雲に隠れて太陽が白くみえます。
山の一部分に光がスポットのように差し込んできれいでした。
自然は偉大な光の芸術家です。
アカバナシモツケソウ
岩陰にひっそりと咲いていました。
シモツケソウはもともと赤いのですが、高山に咲いていて
特に色が濃い物を「アカバナシモツケソウ」と呼ぶようです。
確かに低山に咲いている物とは違う感じでした。
1本だけあると特に目立ちました。
登山道が岩稜帯になりました。
ルートはこの上から左に入ります。
上を1人歩いています。夕べ隣に寝ていた人です。
「北穂高岳から槍に抜ける」といっていました。
20分ほど先に小屋を出て行ったので、追い付けると思いました。
ところが、この人は途中で右に行きました。
右は東稜といってザイルが必要で、1人では登れないと聞いています。
ずっと気になりましたが、最後までこの人には会えませんでした。
途中で引き返したのかも知れません。
大きな梯子がでてきました。
小屋をでてから丁度1時間30分でした。
この手前に少し長いクサリがあります。
ここで降りてくる数名のパーティに会いました。
上の様子を聞いたら「朝は槍などが良く見えたがすぐにみえなくなった」
といっていました。
北穂高山荘に泊まって槍に行く予定だったようですが、「天気が悪く
大キレットが危険なので止めたが良い」と小屋で忠告され、諦めて降りる
ところでした。
10人くらいで半分は女性がいましたから、無理は禁物です。
梯子を登り切ったところにも男性2名、女性2名のパーティが弁当を
食べていました。
小屋で反対側の部屋にいた人達でかなりの年配者でした。
朝食を弁当にして貰って4時頃でてきたそうです。
ここまで来たが天気がよくないので引き返すようでした。
疲れて上に登る気力もなさそうでした。
ここから先はずっとこのような登りが続きました。
チシマギキョウ
足元にチシマギキョウが咲いていました。
晴れていても横や下を向いて咲く花です。
花弁に細かいヒゲがあるのですが、雨ででしっとり濡れていてよく
見えません。
イワギキョウと違ってガクが反り返らないのも特長です。
クロトウヒレン
この花も蕾の姿を見ることが多くなかなか咲いている
姿に会えません。
アザミに似ていますが、葉っぱにトゲがありません。
トウヒレンとは元々アザミのことをいうそうです。
雨でも咲いていて歓迎してくれたようです。
ヒメウメバチソウ
こんな高いところでウメバチソウに出会うとは思いませんでした。
ウメバチソウやコウメバチソウは里山でもよく出会います。
花も小さいようでした。
帰ってきてから図鑑で調べました。
「ヒメウメバチソウ」とでていました。
花びらと花びらの間からガクが見えるのが特長だそうです。
「コ」より小さいので「ヒメ」がついたようです。
コメススキ
コメススキに水滴が付いていてきれいでした。
少し登山道から離れていましたが、近づいてみました。
それぞれの水滴に景色が倒立して映っています。
こんな姿に出会うのも珍しいです。
晴れていたら絶対見ることができません。
コメススキも普段は風に揺れてジッとしていませんが、
これだけの水滴で動けなかったようです。
ヨツバシオガマ
更に登ると今度はヨツバシオガマがでてきました。
葉っぱが4枚輪生しています。
この花にはカムチャッカでもたくさんありました。
花のクチバシがもっと短かったです。
クチバシが7mmくらいならヨツバシオガマ、9mmなら
クチバシシオガマと呼ぶそうです。
計っている時間がありませんので、ここではすべてヨツバシオガマ
としました。
岩場で時々群生していました。
ガスの中をまだまだ登ります。