山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
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北穂高岳(その9)

2008-09-19 | 北アルプス
切り立った岩場が続きます。


ガスはこれ以上良くも悪くもなりませんでした。
物音一つしません。
このペンキマークがなかったら、間違いなくルートを
見失っていたと思います。





時々こんな歩きやすい場所もあります。
しかしこの先が見えません。
先がみえるとルートが読めます。
浮石や落石が怖い場所は一気に通過します。




大きな岩がでてきました。
右側のほうが歩きやすそうですが、×印があります。
下に大きく切れ落ちていて危険だということのようです。
○印を忠実に歩きました。




ここは右側が大きな壁で左は切れ落ちています。
踏み外して落ちたらまず助からないでしょう。
通過する時下を覗いてみましたが、白いガスに吸い込まれるような
気がしました。
人間は羽根もないのに飛んでみたくなることがあるようです。
それを止めるのは理性のようです。





ルートは右に行ったり左に行ったりしています。
ここは下に降りろというようです。
正面に大きな山のようなものが立ちはだかっています。
どうやらあの山には登らないようです。
大きく巻いていました。
突然、こんな山が現れるとビックリします。
気が小さい?のであり驚かさないで欲しいです。




ひたすら歩きました。
このような場所の岩はしっかりしていました。
花はまったく咲いていません。
かなり環境が厳しいようです。
岩に白く貼り付いているのは苔類のようでした。




先ほどまで右を歩いていたと思ったらいつの間にか左です。
ここは少し下ってからまた上るようです。
遠くにかすかに尾根がみえます。
あの上に出るようです。
反対からも後ろからも人がくる気配がありません。




今度右が鋭く切れ落ちています。
ルートも狭い場所です。
こんな場所は慌ててはダメです。
できるだけ左側に沿って通過しましたが、触る岩にも
浮いているのがたくさんありました。
もし反対側から人がきたらすれ違うのに嫌な場所です。

黒部の廊下を歩いたことがありますが、やはり1人が通れるだけの
狭い登山道でした。
でもここよりはずっと楽でした。



こんな場所にでると少しホッとします。
ガスの中が丁度よいおしめりのようでした。
持っていた水もほとんど口にしません。
暑いので雨具の上だけをつけ、ズボンはそのままでした。
帽子も被っていなかったので時々滴が垂れます。
「雨に濡れた美少女」ならぬ「美少年」に見えたことでしょう。
自分の写真が1枚も撮れなかったのが残念です。


イワベンケイ

やっと花に会いました。
イワベンケイです。
まだ蕾のようでした。
岩場に住んでいて弁慶のように強いというのでイワベンケイです。
下に隠れているのは牛若丸ならぬチシマギキョウです。
どちらもガスに濡れてしっとりしていました。



ミネウスユキソウ

こちらはミネウスユキソウです。
少し歩いた岩場の陰に咲いていました。
この仲間もいろいろあります。
咲いている山によっても名前が違います。
ヨーロッパではエーデルワイスといって人気が高い花のようです。
もうかなり歩いたように思えるのですが、
岩場はまだまだ続きました。