山小屋だより

山歩きや街歩き、そこで出会った花や風景を紹介しています。
ぜひ、一緒に歩きましょう

北穂高岳(その15)

2008-09-25 | 北アルプス
北穂高岳

昨夜は素晴らしい満天の星がみえました。
夜中に小屋の外に出て1人で眺めました。
北極星を中心に北斗七星やカシオペア、南に大きく流れる天の川の
中にハクチョウ座、それを挟んで織姫、彦星が輝いていました。

一夜明けて朝食前に外に出てみました。
日の出前の北穂高岳の姿です。



朝食後、再び外に出てみました。
北穂高岳が朝日で輝いています。
昨夜は北穂高小屋の灯りも見えました。
よく晴れ渡っています。



右のピラミッド型の山が涸沢槍です。
その左が涸沢岳、更に左の鞍部に穂高岳山荘がみえます。
小屋からザイテングラートを下り、左に向かって筋のようにみえるのが
登山道です。
昨日の天気が嘘のような快晴です。
降りて帰るのが惜しいような気がしました。




更に左の方向を眺めてみました。
一番左に奥穂高岳がそびえています。
富士山、北岳に続いて日本で3番目に高い山です。
2年前にここを拠点にしてピストンしていますが、
その時もこれほどまでに晴れてはいませんでした。
ここに宿泊している登山者はほとんどがあの山を目指して
いるようでした。



パノラマコースの入口

帰りは登って来た道を帰る人がほとんどです。
上高地に降りるにはもう一つ、「パノラマコース」というのが
あります。
雪渓が多かったり、途中に崩落個所があったりでなかなか通れないようです。
前回もこのコースは「通行止め」になっていました。
1度歩いてみたいと思っていたので、受付にいた昨日の女性に
登山道のようすを聞いてみました。
「昨日、北穂から涸沢のルートを歩いたあなたなら問題ありません。」
この一言で歩いてみることにしました。
小屋のすぐ下に入口があります。
ここから入って行きました。


モミジカラマツ

最初は緩やかな登りが続きます。
途中にモミジカラマツが咲いていました。
花がカラマツに似ていて葉っぱがモミジの葉のようなので、
このように呼ばれます。
朝露に濡れてしっとりしていました。




涸沢ヒュッテがだんだんと小さくなって行きます。
奥にみえる小屋は涸沢小屋です。
その間にテント場があります。
ここ全体が大きなカールになっていて「涸沢カール」と呼ばれています。
秋にはナナカマドが真っ赤に紅葉してきれいなところです。


クロクモソウ

岩の陰から顔を出していました。
花は紫色をした5弁花です。
葉っぱの形を雲に例えました。
小さく地味な花ですが、会えば嬉しくなります。



このコースは最初からかなり登っています。
だいぶ登ったところで遠くを見ると、槍ヶ岳の穂先が見えました。
手前に雲がたなびいています。
これからもっと槍はきれいな姿を見せてくれるでしょう。




しばらくすると崩落した場所がありました。
左下はかなり大きく切れ込んでいます。
入口に「初心者は絶対入らないでください」と書いた看板が
ありました。
このような場所が何ヶ所かあるようです。




今度の場所はもっと登山道がハッキリしません。
残雪があると歩くのが難しいようです。
最初のところにはロープやクサリがありましたが、
ここには何もありませんでした。
こんなところを通過するにはバランス感覚が大事です。
無事に通過してから、シャッターを押しました。


槍ヶ岳

先ほど穂先だけだった槍ヶ岳が大きく見えてきました。
少しズーミングしてみました。
標高3180m、日本で5番目に高い山です。
左に槍ヶ岳山荘がみえます。
この小屋に荷物を置いて軽くして登れば1時間で往復できます。
数年前に登りましたが、ガスがかかっていて頂上からは何も
見えませんでした。
頂上直下には長い垂直のハシゴがあり、上りと下りが別々になっています。
下りの最初の1歩が足元が見えないので、勇気がいります。
足がかかれば後はゆっくり降りるだけですから問題ありません。




このルートは確かに展望はよいのですが、このような場所が連続して
数ヶ所ありました。
雨の日は止めたほうがよさそうなルートです。
雪渓もこのようにところどころ残っていました。
日陰だと溶けにくいようです。
ここには山側にロープがあり、問題なく通過できました。
初めて歩くルートには何があるかわかりません。
楽しみながら歩きました。