ももきよ日記

記憶の彼方へ消え去る前の雑記帳でございまする。。

雨にもまけず、、

2011-02-24 21:47:11 | 本・雑誌

 

作者の名前にも、本の題名にも、とんと覚えがない、この本を読んだ。

参考にしている茶道関係のプログの「書籍」カテゴリーに載っていたからだ。

あまり期待せず、本を開いた。。

 

ところが、、 これが、実に、面白い!!

茶道をやっている、やってないに関わらず、エンターテイメント満載の内容なのだ。

私は、ふと、思い出してしまった。。

昨年(2010年)亡くなった劇作家・小説家の井上ひさし氏が、常日頃言っていた言葉だ。

 

むずかしいことをやさしく

やさしいことをふかく

ふかいことをゆかいに

ゆかいなことをまじめに

書くこと

 

登場人物、とても個性的、でも、いかにも現実にいそうな人間たち

場所・・京都、 Oh~! 我が第二の故郷!  私が、今、一番行きたいところ!

設定・・テーマが茶道というわけではないが、茶道を巡って、右往左往する若者たちと

彼らの周囲にいる大人たち

作者の描き方・・まさに、井上ひさしの如く、「難しいことをやさしく、やさしいことを深く、、」

 

上巻の104ページ、 志乃が語るこの場面、、 思わず、我が膝を叩いた! (抜粋)

 

、、 何年も稽古をしているからといって誰もが点前を覚えるわけではない。<習う>と言いながら、

ただくつろぎに来ている主婦やOLの方が多い。 勝ち気だったり几帳面だったりすると覚えは早いが、

そのかわり融通がきかないこともあるし、逆に、点前はいい加減なのに心根だけは茶匠並みという傑物も

いる。 それぞれだ。 それぞれだから面白いと思う。 欠けているものは、いずれそのひとの中に求める

心が生まれれば必ず補われる。 明日かもしれないし、十年後かも知れないが、師匠だからといって

むりやり他人の心を生み出すことはできない。 自分にできるのは、ただ自分の精一杯を弟子の前で

尽くして見せることだけだ。

 

この志乃おばあ様は、下巻の方でも、重要な役割を持ってますねえ。

宗家巴流の跡取り息子が亡くなった本当の真相を、この小説の主人公・遊馬に語る場面です。

わたくしめ、不覚にも涙ウルウルになってしまいました。

この場面から、最後、遊馬が、比叡山・天鏡院の前で、「たのもう! たのもう!」と叫ぶところは、

見せ場ですね。。

小説の筋としても、ちゃんと繋がっているし、私の中でも、、遊馬が、座禅を組んだり、修業道に

入る気持ちがわかります。。 わかるんです!

しかし、ここにいたっても、物語は深刻にならず、まるで、コミック(漫画)ぽく、、、

まさに、重いことを軽く、暗いことを明るく、、深いことをゆかいに、、ですかね。。

 

もし、あなたが茶道をやっている方なら、そして、私のように、始めたばかりの方なら、例えば、

下巻157ページあたりにある「掛け軸」に関するところ、、大いに参考になります。

私、思わず、茶道文化検定公式テキストを引っ張り出し、99ページ、「表具の名称」に関する事項を

しっかり読み返しました。

 

続編が楽しみです!

 

 

コメント
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