葉隠物語
安部龍太郎(日経文芸文庫)
751ページ長編「光圀伝」読了後、この作品を読んだ。
なかなかに良かった。
この作者の本は、初めて読んだが、続けて読むだろうという予感がー。
安部は、九州福岡出身で、私と同じ歳である。
何だか親近感が湧く。
「葉隠物語」は、佐賀鍋島藩の二代当主である鍋島光茂に仕えた山本常朝の談話を、田代陣基が書き留めたものである。
「武士道と云ふは、死ぬことと見つけたり」、「恋の部り(はまり)の至極は忍ぶ恋なり」などの名言は、広く知られている。
*鍋島藩藩祖は直茂、初代は勝茂、そして、二代が光茂
*「死ぬことと見つけたり」というのは、決して死生観を言っているのではなく、「いかに行くべきか」という生き方の話である
安部「葉隠」は、小説の構成が、
序章
第一話~第二十三話
終章
となっている。
各話の冒頭に、「葉隠」の原文が掲げてある。
読み下しの古文に、作者が、史実を元にした力強い物語が続き、心地良く頁をめくることができる。
さて、私は、かつて(と言っても、2年程前だと思う)、隆慶一郎の「死ぬことと見つけたり」と言う小説を買って読もうとしたところ、途中で挫折して、放り投げてしまったことがある。
(長崎の家に置いてきた)
今度、帰った時は、何だか読めるような気がしている。。