8月6日、朝の9時ころの新幹線で京都を出発して一泊二日の予定で東京に向かった。東京での予定は、国際親善交流センター(JIC)の東京本社に行き、中央アジアのキルギスタンの学校に関する話を聞くこと、中国福建省などの大学で教員をしていた友人たちに会うこと、そして、中国から東京に留学している学生に会うこと、東京国立科学博物館での恐竜展を見学することなどだった。
JICの担当者と午後1時に会って話を聞く予約をしていたので、東京駅から丸の内線に乗り四谷(よつや)三丁目駅に向かう。JICの代表取締役の伏田さんが直々に説明をしてくれた。午後4時過ぎにJR上野駅に着き、上野公園の西郷隆盛銅像を見る。銅像横には亜熱帯植物であるデェイゴの赤い花が咲いていた。
不忍池には蓮が大きな葉と花を咲かせていた。ここまで大きく育った蓮の葉は、蓮の本場中国でもなかなか見られない。おそらくここの蓮は、生育にそれなりの世話(池の土の)をしているのだろう不忍池周辺や上野公園界隈にはいつもここで野宿をして暮らしている人たちがいる。その中には女性たちもいる。
不忍池の畔の常宿にしているビジネスホテルに着き、さっそくシャワーを浴びた。この日の東京は38度の酷暑日。喫煙可能の常宿の部屋からは不忍池とその周辺が眼下に見える。午後5時半に、東京在住で、かっては中国の大学で教員をしていた目黒さん・藤田さんと上野駅で待ち合わせをし、上野の飲食街末吉町の「味噌座」という店で、再会の乾杯をして いろいろな話をする。かってこの二人とは中国福建省の福州で、時々会ってはいっしょによく飲んだ友人(ポンヨー)たちである。
翌朝の7日、上野不忍池の畔にあるカフェレストラン「黒門」に行き、珈琲をゆっくと飲み過ごす。この喫茶レストランは喫煙可能なので、上野に来たらよく通う。上野公園とも目と鼻の先だ。私は東京という街は わりと好きである。特にここ上野界隈は好きだ。上野公園・博物館や美術館、東京大学本郷キャンパス、不忍池、アメ横、上野駅、そして近くには浅草。知性と庶民性とが混在した町・上野界隈。
大阪と違って知性とか文化性と庶民性とかを感じる街である。庶民性の中にも、「いき(意気)・粋(いき)」を感じる。大阪の庶民性にはこの「いき」が感じられない。野宿をしている人にもこの「いき」が上野では感じられる。かっての大阪は、「いき」がそれなりにあったが、今は維新勢力と吉本興行によってだめになってきた街だ。何が「カジノ」だ、いまごろ「万博」やって何になる。
喫茶店「黒門」に置いてあった「東京案内」の雑誌をペラペラと見る。「江戸文化の粋を感じる―江戸文化に触れる」というページを見る。国技館(相撲)、歌舞伎座(歌舞伎)、浅草演芸ホール(寄席・芸能)、そして新宿末廣亭(落語・曲芸・漫才・奇術)。東京のお笑い芸能は「笑いの中に知性」があるが、大阪の吉本には「品のない 付和雷同な馬鹿笑い」が主流だ。笑いの中に真面目さがない。東京の新宿には「ルミネTHEよしもと」があり、京都にも「京都よしもと」があるが、地元東京や京都での受けは いまいち芳しくないのが救いといえば救いだが。
東京上野公園の国立科学館では「2019 恐竜博」が、国立博物館では「三国志展」が、美術館では「松方コレクション―マネ・モネ・ルノワール展」などをやっている。上野界隈では、「夏祭り―7/13~8/12」で東北三大祭り(さんさ祭[岩手]、ねぶた祭[青森]、竿灯祭[秋田])のパレードが行われるようだった。「下町上野ふるさと盆踊り大会 8/17・18」「江戸まち芸術祭8/18~10/26」などなどのポスターが街角に掲示されていた。上野公園でアンデス民謡の演奏をしている前で、このあたりで野宿生活をしているおじいちゃんが音楽に合わせて踊っていた。なんとも庶民的というかホッとする光景というか。この日の午前中に、「2019恐竜展」に行った。
午後1時半にJR新宿駅で中国からの留学生・陳佳秀さんに会い昼食を一緒にとりながら いろいと話をした。。私の教え子の一人で、現在は上智大学大学院の2回生の学生である。出身は中国河南省の洛陽。午後4時ころに東京駅から新幹線に乗り京都に戻った。