彦四郎の中国生活

中国滞在記

街道を行く❹―若狭街道(鯖街道)―小浜➡熊川宿・朽木宿➡大原➡京都出町柳―熊川宿と瓜割滝

2019-08-03 07:36:17 | 滞在記

 福井県小浜(若狭)から熊川宿を経て、安曇川沿いの朽木宿、京都大原を通過し京都出町柳に至る道を鯖街道とよんだ。正式名は若狭街道。7月29日(月)、福井県の自宅から京都の自宅に戻る途中、若狭街道の「瓜割の滝」と「熊川宿」に立ち寄った。この日の福井県は、35度の猛暑日となった。

 小浜市から熊川宿に向かう途中に「瓜割(うりわり)の滝」がある。日本名水100選に選ばれている場所だが、その水の冷たさには驚かされる。私が人生の中で体験した自然水の中では最も冷たい水がこの瓜割の滝の水だ。手や足を水の流れに入れると5秒間で痛くなり始める。ここに来たのは5回目くらいになるだろうか。最初に来た時は、「この世にこんな自然水があるのか」と、その水のあまりの冷たさに感動さえした。外気温と流れる水の気温差により、流れる水の上には霧が発生していた。

 今回来ると、「おいしい水部門2位―全国名水百選(環境省)」と書かれた幟(のぼり)が立てられていた。環境省調査による全国名水百選中の美味しさ部門で2位だったとのことだ。水を飲んでみるとたしかにおいしい。ほのかに甘さもある。滝近くの食堂のおばさんに、「ちなみに1位はどこですか?」と聞いてみたら、「ちょっと忘れてしまったんやけどを 確か関東の方の水ですわ。富士山の方の水ではないですけど、関東にある名水でしたわ」とのこと。

 若狭街道を熊川宿に向かった。熊川宿は時代をタイムスリップしたように町並みが保存整備されている。宿場町の町並みが1kmは続くかと思うくらい長い。いろいろな宿場町に行ったが、全国的にもこれほどの宿場町が保存・整備されているのは珍しいかもしれない。信州の馬籠などの宿場町より、より自然な感じのする、時代そのものの宿場町がここにはある。そこに今も人々が暮らす。

 今回、熊川宿に行ってみたら、道の駅の一角に「鯖街道ミュージアム」ができていた。こじんまりとした、小さなミュージアムで入場無料。職員も常駐していない。どうぞご自由にという感じの場所だ。イラストや漫画絵なども多く使った展示はそれなりに見応えがあり、鯖街道について けっこうよくわかる学習室だ。

 早朝6時に小浜の市場を出発し、鯖などの海産物を京都まで運ぶ人たちはの 背中に背負う荷物の重さは40kgから60kg。睡眠をとらずに24時間一昼夜歩き、翌日の早朝7時頃に京都の出町柳に到着。出町柳で仕分けされ、京都の錦市場や五条市場などに運ばれたようだ。

 この若狭街道を通るメインの「鯖街道」の他に、最も短距離だが険しい峠(鉢畑峠)などをいくつも通る「鉢畑越えの鯖街道―小浜➡鉢畑峠➡久多➡花背➡鞍馬街道➡京都」や「西の鯖街道」と呼ばれた小浜・高浜・大飯➡堀越峠➡美山や京北➡京都に至る「周山街道」を通る道があった。

 ぬいぐるみの鯖が入った籠荷物を背負う体験コーナーもあり、子供たちが背負ってみていた。これは子どももかつげるようなもので7kgくらいの重さ。

 7月16日(火)に福井県南越前町の自宅から京都の自宅に戻る時、琵琶湖岸の海津や高島から、鯖街道の朽木宿に入った。安曇川の上流に向かって京都に向かう。琵琶湖にそそぐ安曇川は背負って清流の川だ。京都市域の梅ノ木地区あたりから「鯖寿司」を販売する店が何軒か見えて来る。かやぶき屋根づくりの家々も並ぶ。途中峠を越えると大原の里が近くなってくる。

 滋賀県を走っていると、参議院選挙滋賀県区の広報板に嘉田由紀子(かだゆきこ)候補のポスターと二之湯武史候補の選挙ポスター、ふざけた税金の無駄遣い政党である「NKKから国民を守る党」ポスターが貼られていた。二之湯氏は自民党候補の現職参議院議員、嘉田氏は前滋賀県知事で野党統一候補だ。二之湯氏の父は京都府選出の現参議院議員。親子が同時に参議院議員というのは珍しい。

 嘉田由紀子さんのポスターが2種類あったのが印象的だった。こんなのは初めて見た。1枚はもんぺ姿と頭にほおかぶりの農家のお母さん風、もう一枚は普通のスーツ姿のポスター。選挙結果は嘉田由紀子さんが接戦の末、当選をした。親子同時参議院議員の時代は とりあえず6年間でひとまず幕が下りた。