そろそろ啓蟄。土の中に眠っている虫たちが動く季節。
熊は冬眠から覚めると、ふきのとうを食べる。
人間も春には、にが味を含む土味の山菜を食べながら、酒を
飲むと、五臓六腑が春を歌い始める。
陶芸家のAが「これわすれてた」といって、味噌作りの後に
「ふきのとう」を土産にくれた。彼女の窯は伊賀の山の中にあり、
その敷地内で自生しているものだ。
昨日は英語の会。岩本先生も、蕎麦の弟子であり、味噌作りのメンバー
でもあるので、「ふきみそ」の作り方を、英語で(ウソ)で伝授した。
鍋に熱湯を沸かし、ふきのとうを投げ入れ2分くらいで水にさらし、水気をとる。
それを細かく刻み、フライパンにごま油をひき、そこにパラパラと投げ入れ、
すこしねっとりしてきたら味噌、手前味噌を入れ、ミリンと砂糖をいい塩梅にいれて、
木べらでまぜながら5分でできあがり。大塚の江戸一では、それをほたての殻に
いれて供してくれて、それを酒肴に白鷹のぬる燗を飲むと、のどの細胞がグビグビ
と啓蟄のように鳴りはじめる。お酒のアテというのは、美味い味噌を使うのがミソ。
今日はお休みだけど、「かっぽれ」。
近くに古民家の解体現場があり、そこの古材をもらいにいく準備をしている。
いいものが、壊されていく。せめて、まだ使えるものを、どうにか工夫しながら
次の世代に残していきたいと思う今日このごろ。