昨日は、珈琲塾だった。
新しいモカが入ったので、昨日はそれを焼いて、サイフォンで入れた。
普通のドリップよりも、香りが引き立つので、モカとかガテマラなんかは、
サイフォンで入れると、より特徴がでていいと思う。最近はピカピカした
電気で湯を沸かすようなものが流行っているけど、天真庵では、昔からの
アルコールランプ。
最近そう遠くもないとこに話題のコーヒー屋さんができて、そこで数時間
ならんで、その後についでにみたいな感じで梯子をして珈琲を飲みに
きてくれる人がポツポツ増えている。言葉が少し違っていて、
焙煎する人を「ロースター」という。ぼくもロースターとか言われたらどんな
顔すればいいのかわからへん。
新しい豆を「ニュークロップ」というらしい。先日きたモカの伝票にも
そう書いてあった。電話でその会社の社長から電話があったとき、
「なんか、かゆくなりそうないいかたやね。新米、でいいよ」
と答えた。よくお客さんに「スイーツはありますか?」と聞かれる。
このスイーツというのも、なんか胸やけしそうな響きがある。
うちには「えいちゃんのチーズケーキ」と「餡がれっと」があるけど・・・
「スペシャル珈琲」というのも、なんだか怪しげが言い方。
昔村田秀雄が新しい車を買って、お客さんに「先生なんという車ですか?」
と聞かれて、横文字が苦手な彼が「・・・デラックス」と答えたそうだ。
昔の車には、名前の後ろにそんな言葉がついていた。そんな響きに似ている。
天真庵の珈琲カップは久保さんが、白い木綿豆腐みたいな風合いの土で
つくってくれた。それがカウンターの上のみずや箪笥にぶらさがっていて、そこ
に青い元気の足跡がついている。それを見て、ある女子が「ブルーなんとかみたい」
とのたまった。「かわいいボリボリ・・・」みたいな感覚でなんでもいえばいいというもので
はない。もっと五感を働かせて、一杯の珈琲を味わってほしいボリボリなのであ~る。
さて、今日はこれから3人の美人ロースターがやてくるので、お店にいって準備しなくてはいけない。
お店の主人は「典座」(てんぞ)のようなものかもなんばん。寒い朝も作務衣をきて、拾得(じゅっとく)
のように箒で掃除をしたり、粗衣粗食で、天真を愛しながら毎日を過ごしている。
「寒山拾得」が1000年以上にわたり、日本人に愛されている「意味」がよくわかる時代を迎えつつある。感謝。