長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

吾亦紅

2012-09-15 08:36:25 | Weblog
きのう、お花をいっしょに稽古している料理人のTが吾亦紅(われもこう)を
もって遊びにきた。ちょうど二階の床の間にも、久保さんの焼き締めの花器に
投げ入れている。窓を開けていると、ゆらゆらとゆらめいて、涼やかな気持ち
になる。9月の半ばだというのに、風鈴や吾亦紅のゆらぎで涼を感じているのも
なんとも間抜けな感じがするが・・
花をやるようになって、彼の料理がよりバランスがよくなって、「流れ」ができて
きたように思う。独創的な創作料理というのも、「基本」があってのこと。
「修・破・離」というのは、基本の基本の土台みたいなものだ。


そういえば、高倉健の「あなたへ」という映画でも、風鈴が心象風景としてみごとに
使われている。

今朝の新聞を読んでいたら、相変わらず暗いニュースや、どうでもいいような政局の
話に紙面をさかれていてため息がでてきたが、別紙面に「自遊人」の編集長の紹介記事があった。
「ほんものの食を紹介したい」ということから、日本橋にあった事務所を新潟の魚沼に移し、
晴耕雨読の中から、読者に伝えたいことを伝える、ということをやっているらしい。
こんな姿勢がこれからの「ホンモノ」だろうな、と思った。
どうでもいいようなものが、相変わらず洪水のように氾濫している大消費地「東京」にいて、
「ホンモノ」を見つけるというのは、骨が折れることだ。


吾亦紅 風に揺られて けせらせら

今日の夜は「スケッチの会」
秋は心象風景をくすぐるような対象が多い。
素敵な絵を描いて、おいしい酒を飲む愉快な夜になりそうだ。