長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

骨董や

2009-06-19 06:25:55 | Weblog
休みの日は、骨董やに遊びにいくことが多い。
大塚と銀座にいきつけの骨董やがある。
どちらも、話好きで「奇人」(尊敬の意もこめて)である。
とくに銀座の主人は、「銀座の七不思議」といわれているくらい
奇人だ。銀座に昔「オムロン銀座」とかいうオムロンの子会社が経営していた
パソコンSYOPがあった。そこの裏手に古色蒼然とした2階建ての日本家屋
の二階で40年近く骨董やをやっている。
最初にお邪魔した時に、階段を上がると、「二時間以上は話をしないで
下さい」と短冊に主人が上手に墨で書いてあった。
何度か通ううちに、その短冊はなくなっていた。冷静に考えてみたら、
主人が話好きで、2時間のうち一時間半は彼が話をしている。
彼の趣味は、無名の文人たちの生き様に触れ、その後どこに眠って
いるのかを見つけに、京都のお寺なんかをまわることだ。
確かに、ひとりの文人が生きた話。どこで生まれ、何をし、誰とふれあい、
どう死んだ、みたいな話が二時間でおわるはずがない。しかもそんな文人たちの
墓もそう簡単に見つからず、無縁仏になった彼たちの思い、みたいなものも
噛み締めながらその主人は生きているように思う。
そんな主人がいつもいくといれてくれる玉露が、最高。
器は、だいたい初代の井上春峰。清らかな風が銀座の真ん中で
感じられるようなそんな感じ。
いい友だちとお茶やお酒を飲むと、「おいしい」という次元が
変る。これも人生の妙味、ってやつだろうか?