長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

かえってきた。

2009-06-04 06:52:48 | Weblog
夕べ、長旅から帰ってきた。
今回は携帯もつながらないくらい、寒村みたいな
ところを、ほとんど高速をつかわず、旅したので、
しばらく時差ぼけみたいな感じになるのでは、なかろうか?
新緑が芽吹いたり、野鳥のさえずりをきったり、きれいな清流の
流れに波動をあわせたりしてると、「まだまだ日本は大丈夫」
という気がしてくる。

先月「ブラームスの夕べ」で、ピアノをひいてくれた大宅さん
からメールがきた。彼はベルギーを拠点にしている世界的なピアニスト。
添付されている友人のブログの一節を読ませていただ感激。
まだまだ精進していかねばいけません、はい。


「どこのホールの音響が一番いいのでしょう?」というのもよく質問されることです。私が全国をまわっていて不思議に思うのは、音響的にさほど優れていないホールであっても、スタッフのひとたちがやる気を持っていて、音楽に愛情を持ち、いい公演にしたいと一生懸命働いていらっしゃるところは、なぜか空気がピンと張りつめていて、凛としたいい音がします。そうするといい演奏家が来るようになり、いいお客さんもつく。いいお客さんがつけば演奏家も励みになり、また一段といい演奏をする―――。数値的な音響がどうこうではなく、そこに集まった人たちの思いで、張りつめる空気があきらかに違ってくる。これはほんとうに不思議ですが、人間の耳と想像力は物理的な音響の不利をカバーし得るんですね。

明日は富川勝智さんの「19世紀ギターの夕べ」。
建築家・故白井晟一さんのコレクションの一部の
古い街灯が天真庵の片隅を照らしているので、その中で
奏でられる19世紀のギターは、きっと時空を越えたものに
なると思う。