文部科学省が8月末に全国の公立・学校図書館向けに、
「拉致問題の関連本の充実」を求めるとする文書を出した事が
波紋を広げていると11月13日の朝日新聞が報じています。
特定のテーマで国が図書館にこうした文書を送るのは初めてのようです。
これに対し、公益社団法人・日本図書館協会は10月、
「図書館の自由に関する宣言を脅かすものであると懸念する」などとする意見書を
文科省に出したと報じられています。
図書館には戦前の反省から、
独立や市民への責任をうたった「図書館の自由に関する宣言」があります。
宣言では、
「権力の介入または社会的圧力に左右されることなく、
自らの責任に基づき資料の収集と提供を行う」などと明記しています。
公共図書館で、茶色の用紙に印刷したこの宣言の抄文が掲示されています。
いつ頃から掲示されていたのか、よく分かりませんが、
初めて見た時には、有川浩さんの「図書館戦争」を思い出しました。
「図書館戦争」は4冊のシリーズになっていますし、
岡田准一さんの主演で映画化されていますので、ご存知方も多いかと思います。
この依頼文は、内閣府の拉致問題対策本部から文部科学省に依頼があり、
公式文書ではなく事務連絡で発出したものようです。
12月10~16日の啓発週間に向けて関連本を充実させ、
テーマ展示をするなどして、
「児童生徒や住民が手にとりやすい環境の整備」に
協力するよう求めているとの事です。
多分、拉致問題に関しては何らの進展もない事から、
やっている感を出すために、依頼文を出したのでしょうが、
これは図書館に権力が圧力を掛けたものと見られても
止むを得ないもののように感じます。
図書館協会は依頼文について
「外部からの圧力を容認し、主体的な取り組みを難しくする怖れがある」などとして
「是認できない」としているとの事ですが、正にその通りだと思います。
こうした事が重なり、図書館の本がどんどん政府の意向を反映したものになるのは、
危険な事だと思います。
そもそも、拉致問題対策本部が、拉致問題の解決には、
世論の一層の喚起が不可欠だとの認識を持っている事がいかがなものかと思います。
拉致問題の解決のためには、北朝鮮との交渉の窓口を作るべきであり、
日本の世論がどんなにヒートアップしても、
相手が交渉のテーブルに着かない限り解決はしません。
そうした、官僚のアリバイ作りのために、
図書館の自由を侵すのは許せないような気がします。
自由を守るためには、神経質過ぎる位の対応が必要だと思っています。
よく蟻の一穴と言いますが、
今回の文部科学省からの依頼がこれになる可能性もありますから、
十分に気を付けていないといけないのでしょうね。
「拉致問題の関連本の充実」を求めるとする文書を出した事が
波紋を広げていると11月13日の朝日新聞が報じています。
特定のテーマで国が図書館にこうした文書を送るのは初めてのようです。
これに対し、公益社団法人・日本図書館協会は10月、
「図書館の自由に関する宣言を脅かすものであると懸念する」などとする意見書を
文科省に出したと報じられています。
図書館には戦前の反省から、
独立や市民への責任をうたった「図書館の自由に関する宣言」があります。
宣言では、
「権力の介入または社会的圧力に左右されることなく、
自らの責任に基づき資料の収集と提供を行う」などと明記しています。
公共図書館で、茶色の用紙に印刷したこの宣言の抄文が掲示されています。
いつ頃から掲示されていたのか、よく分かりませんが、
初めて見た時には、有川浩さんの「図書館戦争」を思い出しました。
「図書館戦争」は4冊のシリーズになっていますし、
岡田准一さんの主演で映画化されていますので、ご存知方も多いかと思います。
この依頼文は、内閣府の拉致問題対策本部から文部科学省に依頼があり、
公式文書ではなく事務連絡で発出したものようです。
12月10~16日の啓発週間に向けて関連本を充実させ、
テーマ展示をするなどして、
「児童生徒や住民が手にとりやすい環境の整備」に
協力するよう求めているとの事です。
多分、拉致問題に関しては何らの進展もない事から、
やっている感を出すために、依頼文を出したのでしょうが、
これは図書館に権力が圧力を掛けたものと見られても
止むを得ないもののように感じます。
図書館協会は依頼文について
「外部からの圧力を容認し、主体的な取り組みを難しくする怖れがある」などとして
「是認できない」としているとの事ですが、正にその通りだと思います。
こうした事が重なり、図書館の本がどんどん政府の意向を反映したものになるのは、
危険な事だと思います。
そもそも、拉致問題対策本部が、拉致問題の解決には、
世論の一層の喚起が不可欠だとの認識を持っている事がいかがなものかと思います。
拉致問題の解決のためには、北朝鮮との交渉の窓口を作るべきであり、
日本の世論がどんなにヒートアップしても、
相手が交渉のテーブルに着かない限り解決はしません。
そうした、官僚のアリバイ作りのために、
図書館の自由を侵すのは許せないような気がします。
自由を守るためには、神経質過ぎる位の対応が必要だと思っています。
よく蟻の一穴と言いますが、
今回の文部科学省からの依頼がこれになる可能性もありますから、
十分に気を付けていないといけないのでしょうね。