先月奈良に行きました。
奈良の市内を歩いていて、特に若い外国人観光客が
鹿せんべいを買って、
鹿に追われて悲鳴を上げながら楽しんでいるのを見ました。
奈良公園の鹿は、外国人にも有名になっているのでしょうね。
その奈良公園の鹿について、今日奈良県知事から、
鹿愛護会が運営する鹿苑での鹿の管理が
不適切であったとの発表がありました。
この問題は、今年9月、この施設で働く獣医師が、
「特別柵のシカにエサを適切に与えず、衰弱・死亡させている」などと
告発した事が発端です。
奈良の鹿は、古来から春日大社境内や奈良公園一帯に生息し、
神の使い「神鹿(しんろく)」として手厚く保護されてきました。
1957年には、旧奈良市一円を主な生息地域とする鹿が
「奈良のシカ」として天然記念物に指定されています。
しかし、範囲が広かったので、山間部で農作物を食い荒らす鹿が増え、
このため、エリアを区切って、奈良公園など保護するエリアと、
駆除しても良いエリアを決め、
その中間のエリアでは、農作物に被害を与えた鹿を、
愛護会が生け捕りできるとのルールが定められています。
そして、その鹿は、殺処分はしませんが、
エリアに戻せば再び農作物被害が生じる恐れがあるため、
同会が管理する鹿苑内にある特別柵で
生涯にわたり収容されることとなっています。
今回の問題は、この特別柵での問題です。
県の獣医師らでつくる調査チームは、
施設内にいる鹿について、餌の栄養が不足して掃除が行き届いておらず、
国際獣疫事務局(WOAH)が定める
動物福祉に関する5つの水準全てに抵触していると判断し、
県はこれらを踏まえ、
「適切な環境を維持できておらず、放置していた愛護会の責任が重い」と
指摘しました。
一方で、
「負傷したシカの救助など多岐にわたる業務を担っており、
十分な対応ができなかったことについては酌むべき事情がある」とも
述べています。
県は今後、有識者らに同会へ助言してもらうなどして
応急的な飼育環境改善を指導し、
さらに保護したシカを収容する「特別柵」や保護自体のあり方について、
獣医師や利害関係者らを交えて議論するとの事です。
奈良市内を歩いていて、
道路を渡ろうとする鹿がいると、
車が停まって横断を待つ光景を何度か見ました。
鹿と人間の共生が出来ているなぁと思いましたが、
チョッと見ただけでは分からない問題があるものだと思いました。
なお、明日は所用により、日記等を休ませて頂きますので、
お含みおき下さい。
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