天然居士の独り言

主に日記主体のブログです。

第三次世界大戦・・・

2020年01月06日 18時35分43秒 | 日記
 既にご承知の通り、1月3日未明、イラクのバクダッドで、
 アメリカ軍はイラン革命防衛隊のソレイマニ司令官を殺害しました。
 ソレイマニ司令官は、イランでは国民的な英雄で、
 最高指導者のハメネイ師の側近ともされ、存在感の大きな人でした。
 中東情勢は一挙に緊張して、
 第三次世界大戦が起こる可能性もあるとも報じられています。

 今回の発端と考えられているのは、
 12月27日に北部キルクークに近いイラク軍基地が
 30発を超えるロケット弾攻撃を受け、アメリカの民間人1人が死亡した事です。
 アメリカはこれに対し同29日、
 イラン支援のイラクの民兵組織「カタエブ・ヒズボラ」の犯行として、
 同組織のイラクとシリアの拠点5カ所を報復空爆し、
 これにより、少なくとも戦闘員ら25人が死亡しています。
 「カタエブ・ヒズボラ」は報復することを言明し、
 31日になって同組織のメンバーら数百人が
 バグダッド中心部のグリーン・ゾーン内にある米国大使館を襲撃しました。
 襲撃者は「アメリカに死を」と叫んで、投石や火炎瓶を投げつけるなど暴徒化し、
 建物の一部を放火しました。
 この内の一部はソレイマニ司令官への忠誠を叫んでいたと言われています。
 この襲撃は、上部組織の「イラク人民防衛隊」が撤収を指示し、
 1月1日午後になって騒乱は沈静化しました。
 トランプ政権はこうした事態の再発を恐れ、
 大使館警備のため海兵隊120人を急派した上、
 トランプ大統領は「イランはとても大きな代償を払うことになる。」などと
 ツイートしていました。

 こうした流れの中で、今回のソレイマニ司令官殺害が起こりました。
 国防総省は、「今後のイランの攻撃計画」を抑止するため
 ソレイマニ司令官を標的にしたと指摘し、
 トランプ大統領は、
 司令官は「アメリカの外交官や兵士への悪意のある差し迫った攻撃を画策していた」と
 述べています。

 しかしながら、その背景としては、
 多くのメディアが今年11月に予定されている米大統領選との関連を指摘しています。
 「ウクライナ疑惑」でアメリカ下院が昨年12月に弾劾訴追を可決し、
 支持率が伸び悩む中、危機を煽る事で求心力を高めようとしているとの見方です。
 アメリカ国内の法律の専門家からは、
 イラク政府の同意を得ずにトランプ大統領がイラク国内で攻撃する
 法的権限があったのか、
 また攻撃は国際法とアメリカ国内法に照らして
 合法だったのかを疑問視する声が出ているとロイターは報じています。

 イランは、最高指導者ハメネイ師が報復の決意を表明していますし、
 核開発拡大に加え、アメリカの軍事拠点への攻撃を宣言するなど、
 軍事的緊張が高まっています。

 中国とロシア政府は、今回の殺害について、国際法違反であると非難しています。
 王毅中国外相は、
 「米国の危険な軍事作戦は国際関係の基本規範を違反したということだけでなく、
  域内の緊張と不安を深化させるものである」と憂慮の旨を伝えています。
 また、ロシアのラブロフ外相も
 「アメリカの行動は国際法に違反しているもので非難を受けて当然である」とし
 「ロシアは一方的な軍事作戦を通じて
  他国の主権をひどく踏みにじる行為に反対する」と語ったと報じられています。

 日本では、安倍総理大臣は4日、イランの情勢について記者団から問われましたが、
 具体的な言及を避けました。
 今日行われた伊勢神宮参拝後の記者会見では、
 事態を憂慮するとの発言はありましたが、
 今月下旬に予定されている自衛隊の中東派遣については、予定通り行うと語っています。
 安倍総理はトランプ大統領とは昵懇の間柄である事を表明し、
 イランとも太いパイプがあるので、仲介すると盛んにアピールしていましたが、
 アメリカからは攻撃に関して連絡もなかったようですし、
 イランからの情報も入っていないような印象です。
 それだからこそキチンと情報を整理し、今後の情勢を見極めてから
 自衛隊の派遣を検討すべきで、現段階で派遣を明言するのは、いかがかと思います。

 いずれにしても、今回のソレイマニ司令官の殺害は、テロ行為にも近い暴挙だと思います。
 今後の情勢はイランの出方によるのかも知れませんが、
 第三次世界大戦などにならない事を祈っています。

コメント
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