天然居士の独り言

主に日記主体のブログです。

野坂昭如さん・・・

2015年12月10日 19時59分33秒 | 日記
 小説家の野坂昭如さんが昨夜亡くなったとのニュースがありました。
 85歳との事です。

 僕は、野坂さんが余り好きではありませんでした。
 政治家になったり歌手になったりCMに出たりと、
 今で言えばマルチタレントと言う事になるのかも知れませんが、
 どうも腰が定まっていないような印象でした。

 1967年(昭和42年)に、「火垂るの墓」「アメリカひじき」で
 直木賞を受賞していますが、学生時代にこれは読みました。
 しかし、他の作品は余り読んでいませんでした。

 先日、県立図書館で岩波現代文庫に入っている「好色の魂」を借りて読みました。
 これは、全7巻の「野坂昭如ルネサンス」の第1作目です。
 お読みになった方もいると思いますが、
 昭和初期、エロ・グロ・ナンセンス華やかな頃、
 度重なる官憲からの発禁にも屈せず、女性を喜ばせる極意書や春本を秘密刊行した、
 貝原北辰の生涯を描いた作品です。
 これを読んで、古臭い文体だなぁと言うのが第一印象でした。

 この貝原北辰は実在の梅原北冥と言うモデルがいると、
 永六輔さんの後書きで知り、興味を持ちました。
 内容はともかく、
 その当時の好事家達は、どのような本に高いお金を払ったのかと言う興味です。
 全国各地に梅原のファンはいたようです。

 栃木県立図書館に、梅原北冥の本があるかどうか調べてみたら、ありました。
 借りようと思ったのですが、
 大正15年の本で、家に持ち帰るだけでバラバラになりそうな感じだったので、
 さすがに借りるのは諦めました。
 しかし、原本を写真製版したらしい復刻本がありましたので、
 これを借りてきて、今家にあります。
 野坂さんが取り持つ縁と言うのも変ですが、
 今度の土日にでも読んでみようかと思います。

 野坂さんは、歌手としてもデビューしています。
 「黒の舟歌」は野坂さんのオリジナルで、
 長谷川きよしさんや加藤登紀子さんがカバーしています。
 それぞれ野坂さんよりも上手なのは当然の事かも知れませんが、
 僕は野坂さんが歌う方が好きでした。
 この曲にも思い出があるのですが、話がかなり落ちますので書きません。

 折角読み始めた野坂昭如ルネサンスですから、
 時間は掛かるかも知れませんが全部読んでみたいと思います。
コメント
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