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ピア・カウンセリングって、なんですか?

2012-07-03 23:29:14 | ダイバーシティ
(以下、「日本ピア・カウンセラー協会」から転載)
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「ピア・カウンセリングって、なんですか?」

JPCAの団体名でもありますので、こういう質問を、よく耳にします。

最近では、"ピア"(同じ経験を持つ者)による相談援助・支援・自助活動が、いろいろな分野で盛んに行われるようになってきています。

身体・知的・精神の障害者のピアであったり、発達障害のピアであったり、認知症のピア、がんのピア、性同一性障害などのセクシャルマイノリティのピアなど、本当にさまざまです。
少し歴史のあるピア活動としては、断酒会さん(アルコール依存症経験者※1)やダルクさん(薬物依存症経験者※2)の活動が有名ですが、これも広くピアの活動に含まれます。
こうしたピアを並べてみると、どれも、なかなかハードな経験です。
ハードであるがゆえに、ピア・カウンセリングって、めっちゃハードルが高いもののように思われがちです。

ですが、私たちJPCAが考える"ピア・カウンセリング"とは、もう少し緩やかで、幅広いものだと捉えています。
人は誰しも、いろいろな経験をしながら生きてきています。
いろんな経験をしている中で、零れ落ちる涙、癒される感情があるものです。


例えばこんな話です。

私が以前に所属していた部署にいる人に、お昼休みに偶然、職場外で出会ったときに、少し話しかけてみると、ポロポロと涙をこぼされたのです。
その人は耐え難いストレスに押し潰されそうになっていたようです。
私が投げかけた言葉は、「今、しんどい時期だよね。」という一言でした。
そして、その部署特有のストレスのかかり方、周囲に理解されない孤立感を伝えただけでした。
その立場にいるとき、どんな気持ちになるのか、そして、誰からも理解されないために、どんなに孤独になってしまうか、暗闇の中を手探りで進む不安感はどんなものなのか。

こうしたことは、
経験した者にしかわかりませんし(=ピア)、
同じ仕事をしたからと言って、わかるものでもありません(≠ピア)。

大切なポイントは、その人の中に、自分と同じものを見つけること(共感)。
そして、同じ経験をしているけど、今は笑顔でいることを表現できること(自律)です。
そして、よけいなおせっかいをしないこと(笑)。これも自律ですね。

JPCAの会員には、めっちゃハードなご経験を持つ方も、少なからずいらっしゃいますが、
必ずしもピア・カウンセリングは、ハードな経験にだけ特化したものではありません。

ごく日常的なひとこまで、ふれあえる心と心、涙や笑顔を共有できることを大切にしていきたいですね。


(具体的な出来事は、個人が特定されないよう脚色してあります。)
 

 ※1「断酒会」
   お酒の害やアルコール依存の自助活動をされています。
    http://www.dansyu-renmei.or.jp/
 ※2「ダルク」
   様々なプログラムにより薬物依存のリハビリを行っています。
    http://www.yakkaren.com/zenkoku.html

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