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日本語教育 テレビ電話で  県立大生がブラジル人学校の子ども支援

2010-07-22 12:39:17 | 多文化共生
(以下、山梨日日新聞から転載)
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2010年07月22日(木)
日本語教育 テレビ電話で 
県立大生がブラジル人学校の子ども支援 
指導者不足解消に一役 
アルプス学園の児童生徒が大学を訪れた際、学生がテレビ電話システムの説明をした=甲府・山梨県立大飯田キャンパス

 日本語教育を学ぶ山梨県立大国際コミュニケーション学科の学生有志が、南アルプス市のブラジル人学校「アルプス学園」の子どもたちにボランティアで日本語教室を開いている。日本語がほとんど話せない児童生徒が多く、インターネットを活用したテレビ電話で日常会話に役立つ言葉をレクチャー。上達を早めるため、日本語で話し掛けて会話や読み書きを教える「直接法」という指導方法を採用している。現場実習の場となる学生たちは「一日も早く日本語を覚え、日本の暮らしになじんでもらいたい」と願う。学園側は、日本語の指導者確保に悩んでいただけに、学生の支援に感謝している。
 「この絵は何ですか?」。甲府市飯田5丁目の同大飯田キャンパスの研究室でテレビ電話の画面に向かってカードを示して質問するのは、国際コミュニケーション学科の安藤淑子准教授から指導を受ける学生。画面に映るアルプス学園の子どもたちからは「病院」「病気やけがをしたときに行くところでしょ」。元気な答えが返ってきた。
 テレビ電話を活用した日本語教室は、毎週木曜の午後1時半から約1時間。講師役は2~4年の学生9人と安藤准教授が交代で担当する。病院のほか、警察や郵便局など公共機関の絵を描いたカードを示し、日本語で話し掛ける。氏名や住所を書く練習もしている。
 安藤准教授は3年前から、工場で働く外国人を対象に日本語を指導。時間や場所に制約されないようテレビ電話で始めたところ、好評だった。取り組みを知ったアルプス学園の責任者を務めるミリアン・ナガイさんから依頼を受け、学生たちにこのシステムを使った子どもたちへの指導を提案した。
 同大2年の菅野結花さん(19)は「日本語で教えているので、一度で覚えるのは難しい。同じ言葉を何度も話していくと分かってくれる。言葉が通じた瞬間がうれしい」という。来日して9年になるルカス・ナガイ君(13)。これまで日本語を勉強したことがなかったが、今は「もっと勉強して、早く日本語のテレビゲームができるようになりたい」と、笑顔を見せる。
 テレビ電話による日本語教室がメーンだが、お互いに学校を訪問し合うなど交流も深めている。
 アルプス学園の前身「ピタゴラス山梨校」は、雇用情勢の悪化に伴い、親が失業して授業料が払えず、通えなくなる児童生徒が続出。運営母体が昨年末に閉校を決めたが、ミリアンさんら職員が引き継ぎ、子どもたちに母国語で授業をしている。
 ミリアンさんは「日本で暮らす以上、日本語を身に付けてほしいが、今まで日本語を上手に話せる指導者がいなかった。県立大生に感謝している。子どもたちも毎週木曜を楽しみにしているようだ」と話す。安藤准教授は「学生はどんな授業をしようか、といろいろ考えるなど積極的。教育面でもプラスになっている」と説明。今後、ボランティア講師を増やしていく考えだ。

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