多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

真岡のブラジル人学校、閉鎖へ

2009-12-14 09:35:12 | 多文化共生
(以下、朝日新聞【栃木】から転載)
==========================================
真岡のブラジル人学校、閉鎖へ

2009年12月12日
写真

残った生徒は、机をくっつけて勉強している
写真

今月末で閉校する校舎とスクールバス=いずれも真岡市荒町3丁目のコレージオ・ピタゴラス・ブラジル真岡校

 真岡市のブラジル人学校「コレージオ・ピタゴラス・ブラジル真岡校」(フランシスコ・ペレイラ・フランサ・ネット校長)が今月末で閉校することが11日、わかった。父母らの失業などの影響で児童・生徒数が激減し、学校を運営する授業料が確保できなくなったためだ。残った子どもたちは県外のブラジル人学校へ行くか、公立学校に行くか、帰国するかの選択を迫られている。(才本淳子、矢吹孝文)

 同校によると、同校は県内の製造業で働くブラジル人らの声を受け、2000年に設立された。現在は、日本の小中学・高校生に当たる52人が通っている。06年には120人の児童・生徒がいたが、昨年秋以降の景気悪化の影響を受け、今年1月ごろから激減した。

 同校はポルトガル語のほか、日本語、母国の歴史や政治を学ぶことができるため、将来は帰国を考えている子どもたちが通っている。授業料は、送迎のスクールバス代込みで月額約5万円。授業料が払えなくなり、公立校に転校したり、帰国したりした子どもが多いという。

 閉校にあたって、同校は系列の太田校(群馬県太田市)までのスクールバスによる送迎を検討している。片道約1時間半。真岡市や小山市は公立学校への転入を勧めているが、同校職員のアンドレザ・クリスチーナ・マルケスさんは「(帰国した時に)適応できなくなるので、簡単な話ではない」と話す。

 同校に6年間通った日系ブラジル人、シラヤマ・ユカリさん(15)は、両親は日本で仕事を続けるが、ユカリさんだけ来年1月に帰国しブラジルの学校へ転校することになった。「あと2年で卒業できたのに、寂しい。最後まで通いたかった」と話す。

 同校に9歳の男児を通わせている母親(41)は、「学校は子供の学びの場であると同時に、母親同士の情報交換の場だった。残念」とため息をつく。

 県国際課によると、県内のもう一つのブラジル人学校、大田原市の「ブラジリアンスクール」も子どもが激減しているが、今後も運営を続けるという。

県では、学校教育法1条に定められた私立の小学校や中学校などの「一条校」や、専門学校、外国人学校などが含まれる「各種学校」の一部に補助金を出している。しかし、県内に2校あるブラジル人学校は、いずれも県が認可する各種学校ではないため、補助が出ていない。

 各種学校として認可されると生徒には学割が適用され、さらに設立母体が学校法人ならば税の優遇や県の補助金を受けられる。県の基準によると、認可の条件には、生徒が40人以上いること▽学校の敷地や校舎が自前であること▽資金や経営が健全であること――などが求められる。コレージオ・ピタゴラス・ブラジル真岡校は、土地や校舎を近隣から借りている。

 不況でブラジル人学校の多くが財政的に苦しんでいることを受け、文部科学省は、各種学校の認可や補助の基準の弾力化を各都道府県に求めることを検討している。ブラジル人が多い浜松市では教科書の購入を補助するなど、独自に支援策を打ち出している自治体もある。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿