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遺児らの心ケア「浜風の家」存廃の岐路 芦屋

2014-07-01 10:03:30 | 多文化共生
(以下、神戸新聞から転載)
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遺児らの心ケア「浜風の家」存廃の岐路 芦屋

兵庫県に土地の返却を求められ、存廃の岐路に立つ「浜風の家」=芦屋市浜風町

 阪神・淡路大震災の遺児らのケアに取り組んできた兵庫県芦屋市浜風町の児童館「浜風の家」が存廃の岐路に立たされている。これまで兵庫県から無償貸与されてきた土地の契約が来年4月末で切れるためだ。施設側は「震災以来、築いてきた人的資源やノウハウはかけがえのない財産」とし契約更新を要望しているが、県側は「もともと分譲地として造成した土地。ここだけ無償貸与を続けるのは不可能」として土地の返却を求めている。(前川茂之)

 浜風の家は、2012年10月に亡くなった作家の藤本義一さんらが呼び掛け、震災で親を失った子どものケアハウスとして1999年1月17日に設立された。

 社会福祉法人「のぞみ会」(芦屋市)が運営。遺児の心のケアプログラムのほか、一般向け事業もあり、ピーク時は1万2451人が利用した。06年度は6192人にまで落ち込み、その後、遺児の利用がなくなったが、現在は英会話や体操教室など地域の児童館としての役割を強化し、13年度は9205人と回復傾向にある。

 施設の土地は当初、県が年間140万円の賃料で貸していたが、経営難などを理由に藤本さんが県側に依頼して、03年4月から無償貸与に。その際、「震災遺児が成人するまで」との理由で、震災20年後の2015年を一定の期限としていた。

 無償貸与の契約は1年ごとに更新されてきたが、県は昨年12月、施設側に15年4月以降は契約を更新しないと通知。これに対し、施設側は「地域のコミュニティー拠点として果たしてきた役割は大きい」として6月12日、引き続き、貸与契約を続けるよう求める要望書を提出した。

 仮に施設側が1070平方メートルの敷地を買い取るとすれば、2億円近い費用がかかるという。また、別の場所に移転する可能性についても大半の理事が「藤本さんの遺志に反する」と否定的で、寅巴里(とらばり)ハッサン施設長(49)は「地域で増え始めた外国人児童らのケアにも役立っている。貸与が認められなければ、施設は続けられない」と危機感を強める。


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