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日本と外国との“文化の違い”を“数値”で把握

2013-05-21 14:17:44 | 多文化共生
(以下、MONOistから転載)
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日本と外国との“文化の違い”を“数値”で把握 ~オフショア開発とご近所付き合い~

オフショア開発は、海外(外国人)に発注するから難しいのではなく、他人に発注するから難しい――。新シリーズでは、「オフショア開発とコミュニケーション問題」を取り上げる。まずは、日本と外国との文化の違いを数値で把握してみよう。
[山浦恒央 東海大学 大学院 組込み技術研究科 准教授(工学博士),MONOist]


 ソフトウェア開発で、最も人件費が高い国はアメリカと日本です。生産性の改善には限度がある、というより、この40年間で生産性はほとんど上がっていません。そのため、ソフトウェア工学による生産性向上策に絶望した企業が、“即効薬”として飛びつくのが、インドや中国をはじめとした海外に発注する「オフショア開発」です。

 オフショア開発の成否を分ける最大のポイントは何か。それは、異文化コミュニケーションの問題を解決することにあります。そこで、今回から新しいテーマとして「オフショア開発とコミュニケーション問題」を取り上げます。

 オフショア開発を経験した人が必ず感じるのは、“コミュニケーションの難しさ”です。取引先が外国人の場合、なかなか自国の開発プロセスを完全に理解してもらえません。言ってみれば、隣の家の住人や、結婚相手の家族との関係みたいなものでしょう。

 新シリーズの第1回では、日本と外国との“文化の違い”を“数値”で把握してみようと思います。

1.自分以外は全て異文化


 私たちは、無意識に人間をカテゴライズする傾向にあります。例えば、高学歴者が仕事で失敗すると「何だよ! ○○大学のくせに使えないなぁ……」とボヤいたり、買った電子機器が直ぐ壊れると「まぁ、○○製だからなぁ……」と考えたりしたことはありませんでしょうか。「異文化」と聞くと、“外国人とのやりとり”と考えがちですが、そうではありません。外国人に限らず、自分以外の人とのコミュニケーションは、全て、異文化コミュニケーションです。

 外国人と日本人との文化的な差異が大きいのは当たり前のことです。しかし、日本人同士、例えば“隣の住人”であっても、宗教、支持政党、食習慣、衣服など、さまざまな点で違いがあります。重要なのは、オフショア開発の問題を「中国人だから……」「インド人だから……」という“偏見”をベースに考えるのではなく、「(自分以外の)他人とのコミュニケーションの問題」という視点で考えることです。

2.日本ではクレーム、外国ではノープロブレム

 以前、シンガポール育ちの友人であるA君とこんな会話をしたことがありました。

A君:シンガポールでボールペンを買うと、10本に1本はインクが出ないんですよ。
私:それってひどくないですか?
A君:私の国ではそれが当り前なので全く気になりません。高品質のボールペンが欲しいときは、百貨店に行きますよ。
私:……。

 日本の場合、購入したばかりのボールペンのインクが出なければ、不機嫌な顔をして購入した店へ返品しに行きます。これに対し、東南アジアには“商品を返品する”という習慣がありません。スーパーで買った果物が原因で食あたりを起こしても、訴えないそうです。万一、日本で同じことが起きたら、訴訟問題に発展するかもしれません。

 ソフトウェア開発でも、国によって品質基準や環境条件が異なります。例えば、エアコンの場合、日本では静かな運転音が求められますが、アジア地域では逆に音が大きくないとダメだそうです。これは、エアコンが壊れていないかどうかを運転音で判断するからです。日本では、うるさい動作音のエアコンはクレームの対象になり、最悪リコールになるかもしれません。つまり、日本のバグは他国では正常、また、その逆のケースもあり得るのです。

3.日本人が品質にうるさい理由

 著名な社会心理学者であるギアード・ホフステッド氏が、1968年から1978年にかけて、全世界の11万6000人を超えるIBM社員を対象に調査を実施し、4つの文化次元を抽出しました。これを「ホフステッドの多次元理論」といいます。これにより、文化的な違いや行動原理を数値で表すことができます。

 近年の研究では、さらに2つの次元が追加され、6つになりました。以下、各次元について解説します。


(1)「権力格差」
 権力の弱い者が、権力が不平等に分布している状況を理解し、それを受け入れるかどうかを表したものです。権力格差が大きい場合は、上司に対して反対意見を言わなくなります。

(2)「不確実性の回避」
 不確実な状況や未知をどの程度嫌うかを表したものです。

(3)「個人主義」と「集団主義」
 個人主義的な集団では、個人と個人の結び付きは弱く、一方、集団主義的な社会では、集団やチームのルールに従うことによって、集団が個人を保護してくれます。

(4)「男性らしさ」と「女性らしさ」
 「給与」「昇進」「やりがい」など自己主張、上昇志向に関することを「男性らしさ」といい、「上司や部下との関係」「仕事の協力関係」「住んでいるコミュニティー」「雇用の保障」など、横とのつながりや協調関係に関することを「女性らしさ」といいます。

(5)「長期指向」と「短期志向」(追加された次元)
 長期志向は、忍耐や倹約など「利益を得るために、将来、必要となる活動をすること」、一方、短期志向は、慣習、伝統、面子、付き合いなど「過去や現在に関係した活動をすること」です。

(6)「気ままさ」と「自制」(追加された次元)
 気ままさとは、人生を楽しみ、楽しい時間を過ごすことを目指すことです。一方、自制は、厳格な社会のルールで楽しみが抑制され、規制されることを意味します。

 この6つの次元で、日本、中国、ドイツ、インド、アメリカ、タイの文化次元を表したのが表1です。

国 権力の格差 個人主義・集団主義 女性らしさ・男性らしさ 不確実性の回避 長期指向・短期志向 気ままさ・自制
日本 54 46 95 92 88 42
中国 80 20 66 30 87 24
ドイツ 35 67 66 65 83 40
インド 77 48 56 40 51 26
アメリカ 40 91 62 46 26 68
タイ 64 20 34 64 32 45
表1 日本、中国、ドイツ、インド、アメリカ、タイの文化次元

 表1を見ると、アメリカは「権力の格差」が低く、「個人主義」が高く、「短期指向」で「気まま」であることが分かります。一方、日本は他人との関係性を重視する「女らしさ」が高く、また「不確実性の回避」は他国より圧倒的に高いことが分かります。


 不確実性の回避が強い国では、曖昧(あいまい)さを解消したいという欲求が働きますが、新規性のある製品、技術、開発手法が生まれないといわれています。日本はよく「高信頼性、高付加価値商品を作るのはうまく、工業化は得意だが、スマートフォンのような新規性のあるモノを作れない」といった話を聞きます。これとホフステッドの多次元理論とを照らし合わせるとうまく説明できます。

 文化の土壌は各国により全く違います。オフショア開発では、日本人の専売特許ともいえる「品質重視(往々にして、過剰品質になる)」を、相手に完全に理解してもらうには、多くの時間が必要です。たった1回の失敗だけで相手を責めず、ある程度のスパンで考えながら、ゆっくりとこちらの考えを浸透させていくべきです。

4.おわりに

 オフショア開発は、ソフトウェア開発におけるコスト削減の“切り札”のように言いはやされていますが、簡単ではありません。効果が高い方式ほど、成功へのハードルも高いのです。オフショア開発は、海外に発注するから難しいのではなく、他人に発注するから難しいのです。もちろん、困難な度合いは、文化が異なると大きくなります。

 さて次回は、仕様書の書き方など、オフショア開発の問題点を具体的に解決する方法を解説していきます。

不法滞在外国人ら在留許可求める

2013-05-21 14:17:22 | 多文化共生
(以下、大分合同新聞社から転載)
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不法滞在外国人ら在留許可求める
[2013年05月20日 18:36]

不法滞在外国人ら在留許可求める
 入管当局から強制退去命令を受けた不法滞在の外国人ら約30人が20日、都内で記者会見し「家族をばらばらにしないで。ずっと日本にいさせて」と在留特別許可を求めた。
 支援者を含む約50人が24日まで、東京入国管理局(東京都港区)前で座り込みなどの要請活動をし、同日に谷垣禎一法相に要望書を手渡す。
 参加した外国人の国籍は、フィリピン、バングラデシュ、ペルーなど8カ国。在日外国人の支援団体「APFS」(東京)によると、ほとんどが日本で生まれた子供がいたり、20年以上日本に定住したりしており、法務省のガイドラインでは在留特別許可が認められる可能性があるという。

知的障害者ら再犯防止へ 刑猶予求刑を検討も 神戸地検

2013-05-21 14:16:55 | ダイバーシティ
(以下、神戸新聞から転載)
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知的障害者ら再犯防止へ 刑猶予求刑を検討も 神戸地検

 適切な支援を受けられずに犯罪を繰り返す再犯者の割合が増えているため、検察庁が新たな再犯防止策の取り組みを始めた。神戸地検はプロジェクトチーム(PT)を発足させ、更生施設との連携強化や、実刑判決を重視する検察の求刑では従来、考えられなかった「保護観察付き執行猶予」を求めることも検討し、処罰だけに頼らない再犯防止の在り方を探る。(前川茂之)

 神戸地検は昨年11月、検事や検察事務官らでPTを発足させ、保護観察所や刑務所の担当者らを招いて情報交換や勉強会を重ねている。畔(くろ)柳(やなぎ)章裕次席検事は「将来的には起訴した事件で保護観察付きの執行猶予求刑を求めるケースがあってもいい。まずは庁内でルールづくりを進めたい」としている。

 先行したのは長崎地検。同地検は知的障害者が容疑者や被告となった事件で、臨床心理士や社会福祉士らでつくる「障がい者審査委員会」に対し、処分内容の検討を依頼。同委員会の意見を参考に起訴や不起訴、求刑を決める仕組みで昨年6月から運用が始まった。

 専門家による鑑定や被害者の意見などを除けば、検察官が幅広く外部の意見を求刑に反映させることはほとんど例がない。従来なら起訴したケースでも委員会の判断を基に更生計画が立てられたため起訴猶予処分にした事件もあったという。

 大津地検や仙台地検も同じ委員会を設立。東京地検では今年1月から、高齢者や障害者の受け入れ先を探すため、非常勤職員として社会福祉士が採用された。

 法務省によると、2011年の新受刑者2万5499人のうち、知的障害が疑われる受刑者は約22%の5532人。また、同年の再犯者は17万1907人で、過去最高の43・8%。27・7%だった1996年から約1・6倍に増えた。

 慶応大学の太田達也教授(刑事政策)は「犯罪を重ねた人への対策は、刑務所に入った後の対策に比重を置いていた。高齢化が進む中で、検察庁も刑務所に入るまでの対応が求められている」と分析。「再犯防止には司法と福祉が従来の枠組みを超え、一緒に支援していくことが重要」と話している。

「通級」児童生徒7万人超 発達障害の原因究明を

2013-05-21 14:16:31 | ダイバーシティ
(以下、世界日報から転載)
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「通級」児童生徒7万人超 発達障害の原因究明を

 知的障害は見られないが、日常生活で他者とのコミュニケーションがうまく取れず、学校生活に支障を来す。学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉症など発達障害の子供が増え続けている。

 文部科学省の平成24年度調査では、発達障害などで「通級」による指導を受けている児童生徒は小学校65456人、中学校6063人、あわせて71519人。平成18年度から、自閉症やLD、ADHDが「通級」の対象となったことで、この10年で約2.2倍に急増した。

 言語障害は3万人前後で横ばい状態だが、ADHDやLD、自閉症などは増加幅が大きい。

 なぜ、ADHDやLDは増えるのか。いまだ原因は明らかになっていない。一つには環境汚染や女性の喫煙・アルコール摂取など、発達期の環境が先天的・後天的に脳の異常を起こすと言われている。

 学生や成人の発達障害は急速に増えており、大人の引きこもりや適応障害を生んでいる。約7万人の「通級」の子供たちが大学生、社会人になった時きちんと自立できるように、適切な理解と長期的なサポートが大切だ。そのためにも子供から成人まで発達障害全般の実態と原因解明が急がれる。

生活保護法改正案 これで「貧困」救えるか

2013-05-21 14:16:02 | ダイバーシティ
(以下、中国新聞から転載)
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生活保護法改正案 これで「貧困」救えるか

 政府は本年度予算で8月からの生活保護費の引き下げを既に決めている。今国会に提出した生活保護法の改正案も、保護費削減の一環といえよう。

 本格的な改正は1950年の施行以来、初めて。収入を隠すなどして不正に受給するのを防ぐのが主な狙いだ。申請手続きの厳格化を盛り込んでいる。

 むろん不正受給は許されない。だが対策を口実に本当に生活に困っている人が生活保護を受けられないような事態を招くことになれば、本末転倒だ。

 そのため、野党からは改正案に反対する声が上がっている。与党は残りの会期が少ない今国会の成立にこだわるのではなく、十分に時間をかけて審議すべきだ。

 全国の生活保護の受給者は過去最多を更新し続け、215万人余りに上る。忘れてはならないのは、不正受給とされるケースは全体の中でごくわずかということだ。件数で2%、金額にして0・5%程度にすぎない。

 生活保護の受給者の大半は、生きていくのに、ぎりぎりの生活を迫られている人たちである。65歳以上の高齢者世帯も4割を超えている。

 改正案に対してはいくつかの懸念が指摘されている。第一に、保護を申請するとき資産や収入の状況を記した申請書と関係書類の添付を義務付けることだ。添付書類は預金通帳や給与明細のコピーが想定される。

 現行法は書類の提出を明記しておらず、事情があれば口頭での申請を認める判例も確立している。それでも一部の自治体の窓口では、保護費を削減するため何らかの理由を付けて申請を受け付けない「水際作戦」が横行していたのが実態である。

 日本弁護士連合会は改正案について「水際作戦の合法化である」と批判している。例えば、路上生活者や、ドメスティックバイオレンス(DV)から逃れてきた人はすぐに書類を用意できないだろう。そうした人たちを門前払いすることがあってはならない。

 次に心配されるのは、受給者を扶養できないとする親族に対し、場合によって理由の報告を求める規定を設けることだ。

 親族の関係は一律ではない。迷惑を掛けたくないと生活保護の申請をためらう人が増えるのではなかろうか。

 政府は生活保護の改正案と同時に、生活困窮者自立支援法案も国会に提出した。生活保護に至らないよう、仕事と住居を失った人に家賃を補助する制度を恒久化するという。

 リーマン・ショック以降の景気低迷で、生活保護の受給者に若い世代が増えている。仕事があれば働くことができる人たちの自立を後押しする方向性は理解できる。

 一方、生活保護費の削減は、社会問題化している子どもの貧困に拍車を掛けかねない。その割には、対策が物足りない。

 自民党は今国会に、生活が苦しい家庭の子どもの教育支援を柱とした「子どもの貧困対策法案」を提出する方針だ。しかし民主党が同様にまとめた法案にはある貧困率削減の数値目標も掲げておらず、消極的な印象は拭えない。

 貧困の連鎖を断ち切るには、子どもの貧困対策は欠かせない。とりわけ重点的に取り組む必要があろう。