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外国人技能実習制度を見直し日本独自の移民制度を

2013-05-09 09:25:29 | 多文化共生
(以下、Searchinaから転載)
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外国人技能実習制度を見直し日本独自の移民制度を
2013/05/08(水) 13:11


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日本経営管理教育協会が見る中国 第253-下崎寛(日本経営管理教育協会会員)

外国人技能実習制度の仕組み
  2013年の3月、広島県江田島の水産加工工場で、中国人技能実習生が社長を含む8人を殺傷した事件はショックであった。しかし、過去においてこのような事件は度々起こっている。

  この事件において考えさせられることは、現在の外国人技能実習制度のあり方であろう。

  外国人技能実習制度とは、東アジアの発展途上国―中国、ベトナム、インドネシア、フィリピン等(中国も日本の入管法では発展途上国と認定している)の青年(中卒以上の若者、大卒等の専門技術者は技術ビザで入国できるため、大学を出ていない若者が対象となる)を技能実習制として入国させ、日本で一定の技能等を研修してもらい、帰国して自分の国で習得した技能等を活用してもらうことを目的としたものである。

  この制度は、発展途上国の日本語学校で6カ月以上日本語と日本の生活慣習を勉強させて一定の能力がある若者を人選し、日本の派遣会社を経由して日本の大企業の下請会社または特定の中小企業に最長3年間を限度に日本の技術等を研修してもらう制度である。

外国人技能実習制度の現状
  建前はともかくとして、現実では、日本の中小企業の人手不足解消のため外国人労働者を採用し、大手企業の下請企業の技術工または農業、漁業の零細企業の労働者として働かさせている。また、彼らは帰国して技能等を活用するのではなく、単に日本に稼ぐために来ているものが非常に多く、その本来の目的を達していない。

  さらに、多くの技能実習生は職場を辞めることができず、転職もできない。勝手に退職や転職した場合は、在留資格が認められず強制的に帰国させられる。また、多くの場合、借金をして、現地の日本語学校等に多額の費用を支払って日本に来ているので、途中でやめることができない。

  そこで、今回の事件のように外国人技能実習生は自国の家族と離れて暮らす中で、孤立を深め、精神的に追い詰められるような悪質な労働環境になっている。

外国人技能実習制度を見直し、日本独自の移民制度を提案
  これらのことから、今回の事件を契機に現在の外国人技能実習制度を見直す必要がある。

  具体的提案としては、外国人技能実習制度は必要であることから、その本来の目的に合う技能実習生を育成する制度は残すこととし、日本の少子高齢化時代に必要となる単純労働者を受け入れる移民制度をつくることを提案したい。

  なお、諸外国のような移民制度ではなく、日本独自の制度を考えるべきである。例えば、現在実施している現地の日本語学校で日本語、文化慣習を習得させ、そこで一定の外国人を選別し、一定の条件(在留資格、在留期間を限定する)を付与して労働者として入国させ、人手不足となっている企業に派遣する。派遣する場合には、その受け入れ企業に対してその労働者の悩みや相談に応えるような公的な支援機関をつくったり、同じ国の出身者のコミュニティー作りを支援したりと、外国人労働者の入国後の生活、労働条件等を積極的にサポートさせることも一案であろう。

  このことは、介護人材を確保する問題についても同様であろう。ここらで、日本の国是として単純労働者を入れないということを見直し、長期的な視野のもとに外国人労働者の人材活用を考えて欲しい。

注目の「生きている図書館」 障害者や性的少数者らが本の役割

2013-05-09 09:25:05 | ダイバーシティ
(以下、東京新聞から転載)
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注目の「生きている図書館」 障害者や性的少数者らが本の役割 

2013年5月9日


駒沢大生らが2010年に開いた「生きている図書館」=東京都世田谷区で(坪井ゼミ提供)

 障害のある人やホームレスなど誤解や偏見を持たれやすい人たちを「生きている本」に見立てて、本と読者が語り合う「ヒューマンライブラリー」(生きている図書館)が注目され始めている。普段話せない人とじかに語り合うことで、読者は誤解や偏見から離れた新しい視点を得られる。どのようなイベントなのか紹介する。(白井康彦)
 ヒューマンライブラリーは、デンマークで二〇〇〇年に始まった。世界六十カ国以上に広がり、日本では〇八年から東京都、埼玉県などで開かれてきた。
 十一日には、名古屋市の愛知県司法書士会館で「生きてる図書館」というイベント名で開かれる。主催は、生活困難者の支援活動をしている「一般社団法人・草の根ささえあいプロジェクト」(名古屋市)。
 同法人のメンバーで、社会福祉士の須藤倉生さん(35)は一〇年、京都市で開かれたときに読者として参加した。「本」になってくれた人は、トランスジェンダー(性同一性障害)。「性転換して心と体が一致した」「本来の自分になれた」といった率直な話が聞けて、感銘を受けたという。
 今回は主催者側でイベントを準備。本になってくれる人は、障害のある人(筋ジストロフィー、視覚、聴覚、発達など)、セクシュアルマイノリティー(性的少数者)、ホームレス経験者など。「メンバーの知り合いなどに依頼しました」と話す。
 首都圏では、東京大、駒沢大、明治大、独協大など大学関係者が主催するイベントが目立つ。駒沢大は、文学部社会学科の坪井健教授のゼミ生らがこれまでに三回開催。ゼミ生らは昨年、入門書「ココロのバリアを溶かす-ヒューマンライブラリー事始め」(人間の科学新社)も出版した。
 埼玉県川口市などで開催してきた市民団体「ブックオブ・りーふぐりーん」代表の高田光一さん(40)は、うつ病からの回復者。大学関係者が開いたイベントでは、本として読者に体験などを語りかけてきた。本の側にもプラスが大きいと強調する。「自分たちの実像を伝えられるだけでなく、対話によりコミュニケーション力が増して(障害からの)回復につながる面もあります」
◆「司書」が対話を調整

 ヒューマンライブラリーは、本になる人が一人で少人数の読者と、一回につき約三十分語り合うのが普通だ。
 主催者も重要な役割を果たす=図。本になってくれる人を探してお願いするだけでなく、その人を紹介する「司書」として「本の役割の人を傷つけるような発言は控えましょう」などと読者に約束してもらう。
 本と読者の対話が中身のあるものになるように、本になる人とも調整する。これは編集者の役割だ。参加者を集める方法はさまざま。駒沢大の坪井ゼミは「地域貢献」を重視。東京都世田谷区教育委員会の後援を得るなど、地域住民の読者を増やしている。