多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

「全国初!ブラジル人労働者側と雇用者側を一斉同時調査」

2008-02-05 21:40:45 | 多文化共生
 見出しが大きい割には分析の視点や設問の設定が甘いように見受けられる。調査結果の資料を見てから、再度コメントしたい。

(以下、共同通信PRワイヤーから転載)
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2008年2月4日

静岡県東京事務所

「全国初!ブラジル人労働者側と雇用者側を一斉同時調査」
~外国人労働実態調査結果報告(速報)~

 静岡県では、今後の行政施策の推進の基礎資料とするため、全国で初めて県内外国人雇用事業所、16歳以上ブラジル人の双方を対象に実態を一斉調査し、速報結果をとりまとめました。
 静岡県は、外国人登録者の人口に占める割合が、東京都、愛知県、三重県、岐阜県に次ぐ第5位。登録者数でも全国8位。特に、ブラジル人は5万人を超えており、外国人登録者数に占める割合が50%を超えているのは全国で本県だけであり、本県の特徴となっています。
 今回の調査結果は、外国人登録者が増加する中で表れてきた教育や社会保障、雇用、地域コミュニティのあり方などの課題を明らかにし、日本人と外国人が理解、協調の下に安心して快適に暮らす、多文化共生の地域づくりの推進に役立てていきます。


<調査形態>

<調査結果の特徴>
1 派遣元・受託事業所
 ◎健康保険、雇用保険ともに日本人と外国人の間で加入率に差
 ・日本人労働者の健康保険加入率80-100%事業所は回答事業所の55%、外国人労働者では
  同14%。日本人労働者の雇用保険加入率80-100%事業所は回答事業所の64%、外国人労
  働者では同19%。
 ◎外国人労働者活用の理由等
 ・「突発的な業務量の増減に対応可能」が回答事業所の53%、「深夜・休日の稼働率が
  向上」同40%。

2 派遣先・注文事業所
 ◎外国人の派遣請負から正規雇用への切替に消極的
 ・正規雇用への移行は、「日本人労働者に実施」が回答事業所の10%、「外国人労働者
  に実施」同3%。

3 外国人の生活状況
 ◎滞在形態は家族化、長期定住化しているが、雇用形態は不安定
 ・世帯人数は「3人世帯」が回答者の28%、「4人世帯」同28%。日本での通算滞在年数は
  10年未満と10年以上が約半数ずつ。今後の滞在予定は「長く滞在し帰国」が回答者の
  40%、「日本に永住」同19%である。就労形態は間接雇用が同62%、直接雇用の正社員
  が同14%。
 ◎日本語の必要性を重視し、日本語学習、子どもの教育に熱心
 ・「日本語不要」は回答者の1%、「学習したい」は同77%。また、回答者の44%が「近く
  の公民館や公的施設」で学習を希望。
 ・子どもの将来の進路では、「日本の高等教育を希望」が回答者の36%、「日本の職業
  教育希望」同20%、「ブラジルの高等教育希望」同29%で、高等教育を望む声が多い。

<連絡先>
 静岡県県民部 県民生活局 多文化共生室   TEL 054-221-3310,3316
http://prw.kyodonews.jp/open/release.do;jsessionid=479D0654FB1E57410404DD04536564DA?r=200802044406


====転載終わり================================
(以下、中日新聞【静岡】から転載)
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「外国人労働者厳しい環境 多文化共生推進会議で県内企業の実態報告」

2008年2月5日

 外国人と共生する地域づくりを考える第三者委員会「県多文化共生推進会議」が4日、県庁で開いた2007年度第2回会合で、県内在住外国人を対象に昨秋行われた労働実態調査の結果が報告された。正規雇用はわずかで、社会保険加入率も低いなど、直面する厳しい雇用状況が浮き彫りとなっている。(須藤恵里)

 調査によると、県内の外国人労働者の労働形態は、62%が派遣や請負の非正規雇用。正規雇用への移行は、日本人に対しては10%の事業所が実施しているが、外国人への実施は3%だった。調査に携わった静岡大の竹ノ下弘久准教授は「日本語が話せずコミュニケーションがとれないため、レベルアップが図れないという一因がある」と指摘した。

 また外国人を雇用している事業所単位の健康保険加入率を調べたところ「日本人労働者の加入率は80%以上」と答えた事業所は55%あったのに対し、「外国人労働者の加入率80%以上」と答えた事業所は、わずか14%にとどまった。「雇用保険加入率80%以上」の事業所も、日本人なら64%に対し、外国人は19%の低率。外国人の社会保険加入に対する企業の法令順守意識が、極めて希薄なことも分かった。

 こうした結果を受け、この日の会議では「他県では産業界で外国人労働者を支援する基金をつくっている。静岡県ではつくらないのか?」といった意見も、委員から出されていた。

 調査は県が静岡文化芸術大学に委託し、ブラジル人の住民登録者数が1000人以上の12市(浜松市、磐田市、富士市など)で、07年9-10月に実施。16歳以上の外国人労働者5438人と、外国人を雇用している事業所3000社を対象とした。回収率は労働者35・3%、事業所37・2%だった。

「災害時住民支え合いマップ 県が参考事例集説明」

2008-02-05 21:39:05 | 多文化共生
 在住外国人は、各自治体で作成する地域防災計画上は、要援護者という扱いとなっている。一般に、在住外国人は、現在は働き盛りが多いため、災害時には、被災情報さえあれば、要援護者から支援者へと立場が変わる可能性を秘めている。実際に、集合住宅において、高齢者が避難する際に、外国人を頼りにしている例もあると聞く。外国人は単なる労働力ではなく、生きた人間であり、そこに居住する住民である。

(以下、長野日報から転載)
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「災害時住民支え合いマップ 県が参考事例集説明」
更新:2008-2-5 6:01

 県社会部、県社会福祉協議会などは4日、災害時の地域の支え合いについて考える「地域の支え合い・まちかどシンポジウム」を諏訪市の県諏訪合同庁舎で開いた。講演やパネル討論を通じ、高齢者や障害者が災害時に安全に避難できる仕組みづくりに理解を深めたほか、「災害時住民支え合いマップ」を作製する意義や活用法を確認した。

 「支え合いマップ」は高齢者や障害者といった災害時要援護者、要援護者を支援できる人のそれぞれの所在地、避難所の位置、災害時に活用可能な周辺の社会資源などを示した地図。阪神淡路大震災、新潟県中越地震の教訓から、各市町村で作製が進んでおり、県のまとめによると、昨年度末の時点で69市町村が作製を済ませたり、作業を進めている。

 前半は、市町村の「支え合いマップ」作製を支援する狙いで、県がまとめた参考事例集の説明が行われた。県は「災害時に頼りになるのは遠くの親せきでなく、近所の他人になる」とマップ作製の意義を説明。「要援護者は入院したり、退院していたりと、時々で状況が変わる。マップに記す情報は定期的に更新してほしい」と求めた。

 続いて、NPO法人県宅老所・グループホーム連絡会の3人がパネル討論。グループホーム「こまくさの森」(諏訪市中洲)事務長の細田学さんは一昨年7月の豪雨を振り返り、「避難所の体育館では落ち着かなかった認知症高齢者も、グループホームや宅老所の狭い空間では安心し、落ち着いた事例があった」と報告。「それぞれの人に合わせた避難場所を探すことが大切」と述べた。

 シンポジウムは事例集作製に合わせ、県内10圏域ごとに開いており、諏訪会場には約110人が参加した。

「外国籍児童託児所、惜しまれ閉鎖へ 可児市」

2008-02-05 21:36:47 | 多文化共生
 一次情報と二次情報の取扱について、以前、記述したことがあるが、こういった個人の関わるデリケートな問題は、殊更、そのことを留意しなければならないだろう。

(以下、岐阜新聞から転載)
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「外国籍児童託児所、惜しまれ閉鎖へ 可児市」
 2008年02月05日09:20 
写真:外国籍児童託児所、惜しまれ閉鎖へ 可児市
ブラジルやフィリピンの子どもたちに囲まれる各務真弓さん(女児を抱く中央の女性)=可児市土田、Mammys

 全国でも数少ない、日本人が経営する外国籍児童の託児所「Mammys」(可児市土田)が今年3月、5年弱の活動に幕を下ろす。ブラジル人やフィリピン人の子どもの教育を通して、保護者にも日本の文化や生活を伝える場だっただけに、関係者からは惜しむ声が上がっている。

 普通の民家にしか見えない木造平屋の建物に入ると、みそ汁のにおいの中、約20人の外国籍の子どもたちが元気に走り回っていた。「Mammys」は可茂地域では唯一、日本人が経営する外国籍児童の託児所で、2003(平成15)年6月にオープン。平日の午前7時から午後9時まで、1歳から12歳までの子どもを預かる。

 ブラジル人学校に勤務したこともある各務真弓さん(49)が、長時間保護者の帰宅を待つ子どもたちの居場所をつくろうと立ち上げた。給食は焼きそば、ひじきなど手作りの日本の家庭料理。濃いめの味付けのブラジル料理で育つ子どもたちは「味がしない」といって日本食が苦手なことが多い。日本の学校の給食が食べられず学校に行かなくなる児童もいるという。少しでも不就学になる子を減らそうという工夫で、こうして預かった子どもはこれまでに160人以上になる。

 食の指導は保護者にも及ぶ。離乳食や栄養の相談会を開いたり、日本料理の体験会も開いてきた。こういった活動に、同市の外国人問題に詳しい愛知淑徳大学講師の小島祥美さんは「子どもの教育を通し父母に日本の習慣やマナー、食生活を伝えてきた」と評価する。

 だが、各務さんが今春から同市国際交流協会の常勤職員になることや、資金繰りが苦しいことなどから、3月での閉鎖を決めた。子どもたちは市内の保育園などに通うことになるが、日本語が十分理解できない子どもたちに現場が困惑する可能性もある。小島さんは「不就学の外国籍児童は現実にいる。行き場がなくなって、日本社会から“見えない子ども”が増えるのが心配」と指摘する。

 各務さんは「外国籍の子どもや親に日本のことを伝えられたとは思うし、行政への問題提起もできた」とする一方で「本当はやめたくない。子どもはかわいいし、さみしい」と本音を漏らす。17日には市内で、最初で最後の親子交流会を開く。ブラジルの歌やダンスで楽しく過ごす予定だ。

 【外国籍児童の託児所】 可茂地域にはブラジル人やフィリピン人ら、ニューカマーと呼ばれる外国籍の住民が1万人以上住んでいる。彼らの多くは工場に勤務。昼夜交代制で働くため託児所の需要は高く、同地域には10カ所近くある。Mammys以外はブラジル人らが経営しており、中にはブラジル系のキリスト教会が運営しているケースもある。愛知県など遠方から来る子どもたちも多い。