先日書いた「NHKスペシャル 働き盛りのがん」を見て思った事を追記します。
強く生きている患者を多く取り上げたことがよかったと書いたのは,これまでがん患者を取り上げたTV番組は,ほとんどが末期がん患者を取り上げており,がんと戦いながらも最後には亡くなっていくというものでした。早期発見を訴えるために内視鏡検査と手術で完治するという例も結構観たこともありますが,特に患者の生活にスポットを当てたものは前者がほとんどです。
がんの宣告を受けて手術や化学療法を行い,そして長く生きている人を詳しく取り上げたものはTVも少ないし,書物でも結構少ない様に思います。がんを抱えながら生きてる人がどういう症状なのか,また生活や仕事の面でどういう苦労をするのか?というのはほとんど紹介されないので,そういうことをイメージすることは当事者以外は難しいのではないでしょうか?。また末期がんで亡くなったケースを取り上げるので,がんにかかったらすぐ死ぬというイメージを強くするのではないでしょうか?。
先日の番組の良いと思ったのは,紹介された患者さんがみなまだ生きている人であり,だからといって奇跡的に助かったというケースではない,現在も治療中の方々の生の声だったからです。自分自身がその群に入るからというのもあるのですけど,同じような状況の人は結構いるのではないか?と思うのです。もちろん,それですべての患者のケースを取り上げたとは言えません。番組の中でも言われましたが,がんの患者のケースは実に多彩で,二つや三つのケースを取り上げてもまったく合わない方も多いと思います。だからこそ,誰もが簡単に完治か,もしくは絶望的なケースに分けられるわけではないというのは知っておくべきでしょう。
番組の中で患者の方が,がんは統計的に「何パーセントとかでは語れない,0か100だ」とおっしゃってました。わたしもそう思います。全体から見ると統計的に生存率とか出るのですが,結局は細かい状況は患者により違いますし,当事者にとって特に心情的には統計はあまり意味がないと思います。
あとやはり番組で取りあげられてて思ったのが,患者も生活しているわけで,病気そのものより,病気により起る生活や立場の変化が大きな問題になるということです。病気になってすぐは病気の事で頭が一杯ですが,長く生きてると,生活の方が大変です。番組で「治療費を捻出するために仕事をする必要がある」という事をおっしゃられた方がいましたが,その通りです。自分の誇りとか生きがい以前に,周りに迷惑をかけると自己嫌悪を感じる場合でも(例え保険診療範囲でも)治療費を幾らかは稼ぐ必要があります。がんにかかると生命保険に入れないので家を買ってローンを組むのにも苦労するという話も,生々しい問題だったりします。わたしも発病前にローンを組んで家を買っていれば,死んだ場合でも遺族に家を残せるのにと本気で考えたことあります。その他にも配偶者との関係,親との関係の話,もちろん職場でのこと,そういう生活の問題を大きく変えてしまうのが,がんを抱えて生きるという事だと思います。
番組でメインに扱われた方は最初の手術後,五年生存率が20%と言われ,それについて他の方に相談をしたとき,その方が,「病気になって閑職に退くので,あなたは満足ですか?」みたいな事を言われた事を言ってました。その方は死ぬことを前提に考えなさいという風にも言っているようでしたが,要は,がんになってすぐに助かる,すぐに助からない,長く治療していく,そして亡くなる,結果的に長く生きる…いろんなケースがあり,それぞれについてちゃんと想定して考えておくべきだのでしょう。もちろん,発病してすぐ,手術してすぐに答えがでるような話ではありません。じっくり時間をかけ,周りとの関係も省みて,考え決意し,そして必要に応じて考え直すことが必要でしょう。
その人は助からない前提で,でも仕事を頑張ることを決意したようにも聞こえました。わたしは逆で助かったときに何も残らないと後悔するのではないか?とその時できる事を,仕事も生活も頑張ろうと思いました。その辺の考え方は人それぞれでいいと思います。ただ考えるためには,実際に病気を抱えて生活している人が,どういう事に悩み,どういう状況に陥るのかを知る必要があり,そういう意味で良い番組だったのでは?と思いました。
強く生きている患者を多く取り上げたことがよかったと書いたのは,これまでがん患者を取り上げたTV番組は,ほとんどが末期がん患者を取り上げており,がんと戦いながらも最後には亡くなっていくというものでした。早期発見を訴えるために内視鏡検査と手術で完治するという例も結構観たこともありますが,特に患者の生活にスポットを当てたものは前者がほとんどです。
がんの宣告を受けて手術や化学療法を行い,そして長く生きている人を詳しく取り上げたものはTVも少ないし,書物でも結構少ない様に思います。がんを抱えながら生きてる人がどういう症状なのか,また生活や仕事の面でどういう苦労をするのか?というのはほとんど紹介されないので,そういうことをイメージすることは当事者以外は難しいのではないでしょうか?。また末期がんで亡くなったケースを取り上げるので,がんにかかったらすぐ死ぬというイメージを強くするのではないでしょうか?。
先日の番組の良いと思ったのは,紹介された患者さんがみなまだ生きている人であり,だからといって奇跡的に助かったというケースではない,現在も治療中の方々の生の声だったからです。自分自身がその群に入るからというのもあるのですけど,同じような状況の人は結構いるのではないか?と思うのです。もちろん,それですべての患者のケースを取り上げたとは言えません。番組の中でも言われましたが,がんの患者のケースは実に多彩で,二つや三つのケースを取り上げてもまったく合わない方も多いと思います。だからこそ,誰もが簡単に完治か,もしくは絶望的なケースに分けられるわけではないというのは知っておくべきでしょう。
番組の中で患者の方が,がんは統計的に「何パーセントとかでは語れない,0か100だ」とおっしゃってました。わたしもそう思います。全体から見ると統計的に生存率とか出るのですが,結局は細かい状況は患者により違いますし,当事者にとって特に心情的には統計はあまり意味がないと思います。
あとやはり番組で取りあげられてて思ったのが,患者も生活しているわけで,病気そのものより,病気により起る生活や立場の変化が大きな問題になるということです。病気になってすぐは病気の事で頭が一杯ですが,長く生きてると,生活の方が大変です。番組で「治療費を捻出するために仕事をする必要がある」という事をおっしゃられた方がいましたが,その通りです。自分の誇りとか生きがい以前に,周りに迷惑をかけると自己嫌悪を感じる場合でも(例え保険診療範囲でも)治療費を幾らかは稼ぐ必要があります。がんにかかると生命保険に入れないので家を買ってローンを組むのにも苦労するという話も,生々しい問題だったりします。わたしも発病前にローンを組んで家を買っていれば,死んだ場合でも遺族に家を残せるのにと本気で考えたことあります。その他にも配偶者との関係,親との関係の話,もちろん職場でのこと,そういう生活の問題を大きく変えてしまうのが,がんを抱えて生きるという事だと思います。
番組でメインに扱われた方は最初の手術後,五年生存率が20%と言われ,それについて他の方に相談をしたとき,その方が,「病気になって閑職に退くので,あなたは満足ですか?」みたいな事を言われた事を言ってました。その方は死ぬことを前提に考えなさいという風にも言っているようでしたが,要は,がんになってすぐに助かる,すぐに助からない,長く治療していく,そして亡くなる,結果的に長く生きる…いろんなケースがあり,それぞれについてちゃんと想定して考えておくべきだのでしょう。もちろん,発病してすぐ,手術してすぐに答えがでるような話ではありません。じっくり時間をかけ,周りとの関係も省みて,考え決意し,そして必要に応じて考え直すことが必要でしょう。
その人は助からない前提で,でも仕事を頑張ることを決意したようにも聞こえました。わたしは逆で助かったときに何も残らないと後悔するのではないか?とその時できる事を,仕事も生活も頑張ろうと思いました。その辺の考え方は人それぞれでいいと思います。ただ考えるためには,実際に病気を抱えて生活している人が,どういう事に悩み,どういう状況に陥るのかを知る必要があり,そういう意味で良い番組だったのでは?と思いました。