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たろの日記ページ,gooブログ版

http://taro-r.sakura.ne.jp の分家です。一部内容が重複してます。

税制は国の設計

2010-12-15 20:00:00 | 時事
政治の話はうんざりしていて,最近はあまりニュースも見てないのですが,税制は重要な話だと思うので簡単に。

そもそも税制というのは,国が国民や民間企業の行動を直接制御できる数少ない方法の一つです。

国は法律で国民を制御します。でも禁止行動をした人を捕まえることは出来ますが,法律で,金になる発明をしろ,とか,優秀な子供を作れ…とか出来ません。予算も国民をある程度制御できます。例えばお金をつぎ込んで事業を始めたり,人を雇ったり,褒賞金(手当)を出したりとか。でもこれは原資がたくさんかかりますし,やっぱり,人を雇って「発明をしろ」とかしても限界があります。

税制というのは,「こういういうことをした人は税金が優遇されるよ」とすることで国民や企業の制御を出来るという意味で,国全体を動かすことができます。扶養控除は子供を作るのを促進するし,相続税や贈与に対する税制も世帯間での資金移動についてある程度傾向をつくることができます。企業に研究開発費の税優遇をすることで,儲る当てがない未来の開発を企業が進んでやることを仕向けることもできます。地方が企業誘致をする際も税優遇をするからやってくるのです。法律による強制的な執行じゃなく人々が自分達の損得で判断できるところがミソです。

こういう風に国や地方は税制をいじり,国民や企業の行動の大きな流れを作る…ということが政治であり,行政だとわたしは思います。つまり税制というのは,富の再配分ではなく,国の設計そのものなのです。それぞれの税制が,矛盾がなくて,国がどこに向かうのか?がまずあり,それに対して設計される必要があるのです。

逆に言うと,行き当たりばったりでお金が足りないから,取れそうなところから取るとか,要望に応じて妥協しちゃう…とかいうのは,国の設計が破綻する…という危険性をはらんでます。

最近の政府の税制の論議を見ていると,そもそもどこに国を向かわせようとしてるのか?がわからないまま,お金が足りないから取る…という風にしか見えません。子供手当を出すから,児童手当をやめる,そうすると,収入が減るところがでてきちゃうから,今度は配偶者控除を辞めるとか,行き当たりばったりすぎます。何かをやったら穴が開いて,穴を塞ぐとまた穴が開いて…とそんな感じです。もう見ていて危なっかしくてしょうがありません。大丈夫なんでしょうか。

菅政権の支持率が下がってます。ただ,自民もそんなには上がってません。これは国民全体的に政治に対して失望感が高まったのだと思います。わたしは細川政権の時の政権交代で,結構失望し,そもそも今回の政権交代にも期待はしてませんでした。今は,今の若い人がそれを味わう番なんでしょうか。
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Web2.0端末とiPodの話

2010-12-03 05:00:00 | 時事
ITがらみでおもしろかった記事二つ。

michikaifuさんがWeb2.0がキャズムを超えるかもしれない,と書いてる件,興味深く読みました。なるほど,言われてみれば,これまでは通信とマスメディアは明確にわかれており,でも今はその中間層が存在していると。そこはWeb2.0みたいな世界で,これが通信とメディアの溝を越えるきっかけになるかも知れない…というのはそうかも知れません。

であれば思ったのは,この中間層専用の端末が必要なんじゃないか?ということ。両端の電話もTVも専用の端末があります。手紙・新聞は端末じゃないけど,専用の媒体。これらが大衆に受け入れられているのは,機能的な棲み分けがわかりやすいのもあるけど,端末がわかりやすいっていうのもあるのではないでしょうか?。「少数─少数」のサービスや一般の人に受けいられるのは,わかりやすい端末が必要な気がするし,それは「何でもできる」PCではないと思います。それがスマートフォンとかタブレット端末なのかも知れないけど,…どうですかね?。わたしには,まだわかりやすい端末と呼べる状態になってるようには思いません。

…もう一つ。

こっちは書評ですが,fujiponさんによる「グーグルで必要なことは、みんなソニーが教えてくれた」について。書評だから本を読めよと言われそうですが,それは後日にして,とりあえずこの文で感じたこと。

わたしも音楽プレーヤはずっと興味を持って観てるので,その当時の日本のメーカの迷走な感じは,いろいろ感じてました。わたしはiPod以前に関わっていたので,むしろiPodが出たときに,成功するとは思ってませんでした。ただ,やっぱり振り替ってみると,iPodが成功したのは,appleだったから…というのが大きく,日本のメーカがどう出ても,ああはならなかっただろうな…という気がします。

実は別の記事を書こうと思っているのですが,iPodというのは最初の機種から代替わりしていくなかで,徐々に仕様変更や機能追加をしてます。それが綺麗に積み重なって今の形になってます。つまり一気に今の形が出来たわけでもない。少しずつTry & Errorしながら来た感じもします。ただその残していった機能は,今の形に必要な機能ばかりだったりします。

それが見事だなぁと思うのですが,つまり進化のベクトルがぶれてない様に見えるって事です。他社の人気製品を分析して勝てるものを出す…というのではなく,最初から目標があって地道に突き進んでいる…という気がします。

そういう意味では,ここで紹介されているグーグルの戦略もそうなんでしょう。appleやグーグルが勝てるのは,アメリカの企業の性格でもあり,日本の一メーカがそれをなすのは難しいな…とも思います。iPodが成功したの,iPodが音楽プレーヤではなくiTunesを含めたインフラシステムの一部としたからでしょうが,それをソニーとはいえ,日本のメーカに構築できたか?というとやっぱり難しいとは思います。ソニーがiPodの弱点を挙げる企画会議は虚しいですが,勝てない相手に一矢報いるためにあがいているようにも見えます。

まぁ,もっとも今後appleが今のまま勝ち続けるのかどうかはわかりません。マイクロソフトだって,最近はめっきり話題に挙らなくなりましたし。スマートフォンだって,いま竹の子のように出てきてます。ただappleがつくったiTunesというインフラは,他のスマートフォンに比べると強力な骨格として,存在するだろうな…とは思います。スマートフォンとして失敗しても,そっちはしばらくは一位の保てるのだろう…という気はします。

ただ最初の話に戻るとWeb2.0の端末としてiPhoneやiPadは適してるかも知れないけど,iTunesはWeb2.0のサービスとはちょっと呼びづらい…。その辺が,Web2.0の標準端末としてappleが支配力をもつのか?は良くわかないなぁ…という印象だったりします。
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マスコミが騒げば選挙で負けるんだろうか?

2010-11-23 21:29:03 | 時事
法務大臣が辞めたそうです。国会答弁を二つの言葉で乗りきれる…っていうのは洒落なのかも知れませんが,そもそも大臣指名をされたときに「何でわたしが?」とか思ったと発言した記事もどこかで読んだので,なんかやる気なさそうな人だ…とは思ってました。

ネットを見てると,ほらみたことか…という人と,言葉狩りで退陣に追い込むのは良くない…という発言。予算と辞任をバーターにかけるのもよくないという意見も見かけて,なるほどね…とは思いました。わたしも言葉狩りは嫌いですが,「あれは冗談です」では済ませられないものが今の内閣にはあるんでしょう。言葉狩りといえば「暴力装置」もなんか妙に盛り上がってましたが…。

いい加減,失言を取り上げて大臣を追い込むのは馬鹿馬鹿しいとわたしも思います。でもなぜかいまだにやってるし,TVは失言をすると喜んで盛り上がり,政治家はそれにおびえていると。馬鹿馬鹿しいという意見があっても続くのは,世論がそれを望んでいるのか?マスコミがそれを望んでいるのか?。

マスコミが騒いでいるだけで,世論はたいして問題にしてないよ…,というのであれば政治家はそれを無視すれば良いように思うのですが,彼らの肌感覚で,マスコミに揚げ足取られると票が減るっていうのがあるんでしょうか?。でもマスコミの選挙予報って毎回外れますよね。だったらあまり気にしなくてはいいんでは?。

失言があっても麻生さんとかは結構突っぱねていたし,小泉さんは失言よりも行動で突っ込まれていても,開き直っていたし,それでも人気はあったし…,メディアがせめても大丈夫な人は大丈夫なんだから,やっぱり失言自体が問題じゃなくて,失言を突っぱねられないって事が問題なんでしょうか?。

そんなことを思いました。

再度書くけど,マスコミが騒いでも票が入るんであれば,政治家的には関係ないと思うんですけどねぇ。マスコミは自民をアレだけ揶揄して政権交代を起こしたので,民主党政権自体を叩くことはしづらい分,どうも個人攻撃が盛んな気もします。どうなんでしょう?
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組織の情報を公開するということ

2010-11-15 22:26:41 | 時事
尖閣ビデオが公開された騒ぎの件で公開した人が罪か罪じゃないか?って話。よく分からないというか納得できないところがあるので,簡単に。

話題になっているのはその人が罰を受けるかどうか?の話で,刑事罰の話の話であれば,刑法上どういう罪にあたるのか?ってことで,罪にならないこともあるのだろうけど,公務員…というか組織に属する人の行動として,組織から何らかの罰を受けるのであれば,それは当然の様に思います。

罪にあたらないという論調の根拠はニュースとか見てると二つあって,「ビデオは機密事項ではなかった」という根拠と「公開することが国にとって益であった」という根拠。前者の機密事項ではなかったというのは,ビデオは職員であれば誰でも見れる状態だったからって話ですが,職員の誰もが見れても組織外から見れないのであれば,公知の情報ではなく,それを個人の判断によって勝手に公開するのはダメでしょう。ただ組織によると思いますが,情報漏えいに関する会社とかの決まりでは大抵,機密事項は明に機密事項と記す必要があるというのもあります。しかしそれは機密事項と書かれてない業務上知りえた知識は公開しても良いという話ではないと思います。

そういう意味でいうと,刑法上の罪は問えなくても組織から何らかの罰があるべきではないのか?という気はします。ただし,機密指定されてもいなければ個人情報でもない情報を組織外に公開した罪について現時点で内規があるのか?というと確かに疑問ですが。

それから二つ目の公開することが国にとって益であったか?という点。これは現時点では分かりません。戦時中の負け戦を国が隠していたことを例に挙げて,正しい情報を公開することが必要といってるのも読みましたが,それも今回の件が国が明に嘘をついていたわけでも無いし,今回の公開が元に緊張が高まったら,それこそどっちが益があったといえるかどうか。

もっとも本当に今回の情報公開に益があったら,仮に彼が公務員を懲戒になっても,他の誰かが拾うんではないか?という気はします。それならそれでいいんじゃないか?という気もします。実際田母神氏などは国の公式発言と違うこといい,幕僚長を辞めましたが,今でも充分に仕事があるようですし。現政権で首になっても,次の政権が重用するということもいいかもしれません。

というわけで,わたしは以前も書いたとおり,組織の内部の情報を一個人の判断で公開する場合は,その組織においてそれなりの罰を背負うのが普通である,そうしないと組織は回らない…と思うということ。ただし組織で罰せられるということと,刑事罰は別だし,その人が本当にそれで不利益を負うかどうかは,すぐには決まらないのでは?ということです。
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子供を持つ…ということについて思うこと色々

2010-08-07 00:55:44 | 時事
大阪で起きた育児放棄,死体遺棄の件。いろいろネットでもメディアでも騒がれていて,情報はいろいろ聞えて来ます。でも,それについて何か整理された意見を書くのは難しいです。ですから少し断片的に頭に浮かんだことを,まとまり無く書いてみます。

自分は一児の乳児の父親だけど…,だから,こういう事件の情景が報道される度にとても辛い。目も耳も塞ぎたくなります。冷静に考えられない。それもありこういう事件に整理された意見を持つのがとても難しいです。

だから今回の親のことも,冷静に意見は言えません。

ただ,個々の事件を見て社会を語るのは,今回の場合は違うんではないか?という気はしました。

親が経済的に困窮していたので,こうなったとか,生活保護を受けていれば…という意見をネットで見ましたが,それは違うんではないか?という気はします。

経済的に余裕があっても子育ては大変なもの。自分は喜びを感じるから続けられるけど,そうで無い人がいてもおかしくないとは思います。

自分の場合,子供がなくと辛い,子供が笑うと嬉しい…というのは本能レベルで刷り込まれているな…とは思いました。

人間は人間社会の中で最後に残った「自然」とは養老先生の言葉ですが,子供はその「自然」としては最たるもの。そこがおもしろいところでもあるのだけど,つまり自然とは「思い通りにならない」もの。今の社会のように何でも思い通りになる…というのに慣れてると,ギャップは凄いんだろうなと。

わたしはそのギャップが楽しいと思えます。思えない人もいるでしょう。

少子化・核家族が進んだ現代,子育てのイメージを持てずに親になる人は多いだろうな…とは思います。

育児放棄が昔はなかったかというとそんなことはありません。昔だって子育てをしない親はいただろうし,子供を捨てるというのもそれなりにあったろうし,多分その結果,子供が死ぬこともよくありました。口減らし…などをやってた時代もあります。

今の社会でちょっと問題かな?…と思うのは,普通に子供を育てている人以外が見えにくい。もちろん,躾がうまく行ってない人や,子供を里子に出している…とかいう人もいるだろうけど,やっぱり見えにくい。外国だといるような子供の浮浪者など皆無。子供にドロボウをさせている親とかも見えません。

うちの実家の近くにはいわゆる親がいない子供を育てている施設があったけど,やはり普通は見かけません。

問題とおもう理由は,理想的な育児しか見えてないと,それにはまれ無い人が,いきなり極端なところにはみ出してしまう可能性が高いと思うからです。また問題がある家庭が外部から隠蔽されてしまうだろうと思うから。

社会がやるとしたら,子育てできない親を経済的に支援するよりも,そういう親から子供を引き離しても十分に育てられるようなシステムをつくる方だと思います。少子化が問題なのであれば,少なくとも社会が子供を育てるという意識が必要。問題がある親から子供を引き離す権限ももっと強くても良いと思います。

ネットを見ていたら,「親にならない権利」という言葉があって,なるほど…と思いました。でも事前に親にならない権利は,たしかにあるけど,現状,子供を一旦持ったら,途中で「やっぱりその権利を行使します」…とは言えません。だから育てられ無い人が…追い詰められる。

今の社会子供を持つメリットがない…と言う人も多いけど,わたしはそうは思いません。そういう人は,日本の社会保障を信じてるんだねぇ…と羨ましくなります。お金持ちなのかも知れないけど,金があれば死ぬまで安心…と思うんでしょうか。

わたしは子供を持つのが楽しそうと子供を持つ前に思ったけど,それ以外に,老後に対する不安もありました。自分が死んだ後に,自分をおぼえている人が誰もいない…というのも嫌だと思いました。

自分の子供がきちんと育つかどうかわからないし,将来,わたしとぶつかって,面倒を見てくれないかも知れないけど,でもそれは自分の責任であり,頑張れば返ってくる分,社会よりもよっぽど信用できる。…とわたしは思っています。

そういう意味では,多分他人の子供でも,社会がきちんと面倒を見れば,社会に還元されると思うんですけどね。少なくとも親にお金を渡して「かってに育ててね」じゃないと思います。

この様な悲劇に合う子供が一人でも減って欲しいと思います。だからこそ,あまり極端な例に囚われずに,不幸な子供を減らすための意識作りやシステムつくり,そして協力が必要なんだと思います。
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刑の意味がわからないと死刑の是非もわからない

2010-07-31 22:35:05 | 時事
今週,死刑反対論者の千葉法相が始めて死刑執行を決裁し,実際の死刑に立ち会ったというニュースを聞きました。わたしは死刑執行の決裁は大臣の業務だと思うので,執行すべきだと思いますし,死刑反対なら,国会でそれを議論して刑法を変えればいいと思うので,そういう意味では今回の執行は当然のことをしたのだとは思います。ただ,いままで執行に立ち会った大臣はいないということからも,それなりに千葉法相には思うところがあったのかもしれませんが,よくわかりません。

死刑の是非については難しいのですが,現状日本には死刑の反対派は国民の大半にはなってなかったと思います。議論して国会で決めればいいとは思いますが,じゃぁ自分の意見は?というと,死刑の是非以前に日本の刑法が刑に対してどういう意味を持たせているかが良くわからないので判断が出来なくて困ってます。もしかしたら刑法のどこかにそういうことは書かれてるのかもしれませんが,あまり刑の意味というのは説明されて無いように思います。

刑の意味で考えら得るのは「罰」「犯罪抑止」「犯罪者隔離」「再発防止」「被害者(の遺族)救済」「犯罪者更正」などでしょう。これのどれかによって実際の刑が持つ意味と適切な量刑は変わるように思います。もちろん凶悪犯罪と軽犯罪では違っていてもいいとは思います。もしかしたら軽犯罪は犯罪者の更正や再発防止などの目的を持っているのかもしれません。そうであれば,犯罪者を反省させたり,職業訓練などを受けて,社会復帰をさせるのは正しいように思います。でも凶悪犯罪者の中には,とても更正を望めないような人もいます。偶然弾氏が無期懲役囚の心情を書いた本を紹介してますが,反省しない受刑者もそれなりにいるということです。

更正しない凶悪犯罪者に対しては,一市民としてのわたしの心情としては社会から隔離して欲しいというのがあります。怖いからです。死刑は犯罪者の隔離や再発防止という意味では,もっとも強力な手段ですが,終身刑でも同じことは可能です。ただし終身刑の場合はその費用を国民の税金で支払うことになります。それを国民が納得するか?ということでしょう。ただし実際は刑法は,どんなひどい犯罪でも犯罪者にそれをしようという気持ちが無かったり,精神的に異常な状態でおきていれば罪に問われないこともあります。もちろん,そういう人は病院なので隔離はされますが,期間的にも十分ではないというような話も聞きます。ということは,犯罪者の隔離や再発防止という意味では,刑法は考えられてないということなのでしょうか。

案外日本の刑法の考えは「罰」は「償い」として刑を考えているのかもしれません。罰も償いというのは漠然としていて,何を指してるのか判らないのですが,その漠然とした感じで「罪を犯した人は,それなりの辛い思いをしなければならない」という意味になります。ただし実際は最近刑務所で看守が暴行とかをすると問題になるように,犯罪者に辛い思いをさせるのも減ってるように思います。そうなるとますます刑務所の意義というのが判らなくなります。

というわけで,国会で話し合えばいいとは書きましたが,前提の思想が決まらないと刑の設計は出来ないし,そもそも最近の裁判員制度も,裁判員はどういう観点で量刑を決めればいいかわからないのでは無いでしょうか?判らないまま個人の感覚で決めるのが裁判員制度といわれればそれまでですが…。

わたしは以前も書きましたが,死刑の是非には明確な意見はまだ持ちえてません。賛成も反対も上に書いた疑問が解けて無いので判断がうまくできません。ただし冤罪があった場合に死刑は取り返しがつかないと思うので,実際は慎重に判決を出すべき量刑の様に思います。そういえば,いまひとつ「疑わしきは罰せず」も実行されて無いような気もするのですが気のせいでしょうか?。

わたしは国民に刑法の量刑の議論を起こさせるなら上に書いたような話をまずしないといけないと思ってます。千葉法相は死刑について思うところがあるんでしょうが,国民に何を訴えたいのか?今のところその意図はわたしには見えません。
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一票の格差を計算する単位は何?

2010-07-19 17:05:11 | 時事
先週の選挙の結果を受けて都市部と地方の一票の格差について語っている人が,ちょっと今目立ちます。おそらく今回の選挙,全国区の比例代表での得票は民主党の方が多いのに,地方の方で民主が票を落として大敗に結びついたということで,そういうことを書いているのでしょう。

でも,実際は地方区と全国区で両方とも同じ政党に入れたかどうかはよくわかりません。それと前回の衆院選では民主党はむしろ地方で伸びて政権をとったわけで,比例区で一位だった民主が負けたからってその選挙が変…と言い出すのもちょっとな…とは思います。

少しへんな言い方をすると,選挙のルールは最初から決まってるわけで,負けたからルールを変えるのは変ということです。

まぁそれはそれとして選挙の結果に関係なく,一票の重さが違うと言う話はあります。以前違憲判断が最高裁からでたのって,是正されたんでしたっけ?。そのときの判決をわたしは読んで無いのですが,違憲であるというのは憲法のどこに触れたんでしょう?。

ちょっと思ったのが一票の重さというのが,成人の一人という単位ですべて平等…と考えると確かに都心の一票は地方の一票より不当に軽い…ということになります。でももし,一票の重さが,その人が住んでいる家や,もしくは生活圏の広さという土地の広さで測られるとしたら,東京の面積は地方の面積より遥かに狭いので,票が軽いのは当然だ…ということになります。

もちろんこの考えが変なのはわかります。財産で選挙権が得られた明治の頃とかは「普通選挙」といわれていなかったように,土地の所有によって参政権が変わっていたら,それは今風の民主主義ではないといわれるでしょう。でも一方で,日本の様に極端に首都圏に人口が集まっている場合,もし本当に人一人単位で政治力が決まっていたら,日本中の広大な土地の利用法は都市部に住んでいる人たちの都合で決まってしまう…ということになってしまうように思え,それもいいんだろうか?…という気もします。

一方で国連を見ると国連の投票権は常任理事国を除けば,ほかは国単位になります。国の人口も面積も関係なく,どんなに小国でも一票になります。これもちょっとどういう理屈?という気もしますが,国という単位で,それぞれ事情が違うのだから,同じ一票を持つべきだという理屈なのかもしれません。日本の都道府県や自治体の区切りも,まぁ民族とか土地柄の単位とも思えないのですが,でもそれぐらいが一つの事情…であれば,やっぱり最低そこには一つの政治力が必要になるようにも思います。

今,地方は生活圏の崩壊みたいな問題を抱えていたり,自治体の経済的破綻も起きてます。こういう時期に,地方の事情を省みない国政が行われていいんだろうか?と思ったりもします。

まぁぶっちゃけ,もし今の人口格差で各都道府県に最低一つの議員を割り振りつつ,国民一人が持つ票の重さを等しくしようとしたら,多分国会議員をもっと増やさないといけないのじゃないですかね?。でもみんな議員を減らしたほうがいいっていうんですよね。なんとも矛盾してるようにも思うんですが:-p。
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政治家の知事,官僚の大臣

2010-07-18 15:36:01 | 時事
宮崎の口蹄疫の件は以前も書いたけど,ずっと追っていて,最近は東国原知事のTwitterとかを読んでいたりします。

なので今回の種牛処分で国ともめた件については,ちょっと前から知事の意見も読んでました。で,今回もこのリンクした社説にたいして知事本人が意見を書いています。メディアの記事に関して本人が意見を書いたのをネットで見れるというのは,非常に「今」的で凄いなぁと思いました。

さて,この一連の騒ぎ,わたしは口蹄疫の発生のときからずっと知事を応援していたので,知事よりの意見になってしまいますが,それでも少し今回の種牛を残すという嘆願の戦略は少し弱いな…と思ってました。行政が例外を認められない…というのも行政の性質上はその通りで,行政に例外を認めさせるには,例外ではないという様な何らかの理論武装が必要で,その部分が東知事の戦略としては弱いなと思っていたのです。ですが,今回の知事のブログを読むと,県が引き取るということで,先に処分を逃れた種牛と同じ扱いにするという理論立てだったことがわかります。なるほどとは思いましたが,やはりまずは種牛を残したいという気持ちが強くて,理論立てが荒くなって無いだろうか?とも思いました。

ただし行政としてはそうであっても,政治の世界では特例はいくらでもあり得ます。また政治の都合で,うまく(?)理屈にならない理屈を立てることも可能です。そうやってBSE発生国の牛だって20ヶ月以下であれば輸入できるのです;-p。

今回の口蹄疫で東知事は非常に根気強く,いろんな農家の人に会って話を聞いているように感じてます。ですから,生の当事者の声を聞いて,行政的な決まりよりも現実の世界や現場の気持ちを優先してるように感じました。これは政治家としては正しい姿です。知事は行政長ですが,選挙で選ばれるので政治家でもあります。選挙で知事を選ぶということは,杓子定規な決まりに基づいて県政をするのではなく,有権者の声を聞けということでしょう。そういう意味でいうと,知事の今回のブログはその県民の想いを受けているという意味で,非常に政治家としての力を感じました。

一方で山田農水大臣の方。この人も確か国会議員だと思うんですが,この行政的な杓子定規の対応,しかも非常に権力をかざしている態度は一体何なんだろうな…と思いました。次官がこういう態度をするなら判るんですが。

官僚批判,政治主導を訴えて政権をとった民主党だと思うんですが,当事者の声をまったく聞かない非常に官僚的な大臣を輩出してる様に思います。
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デジタル教科書,誰得?

2010-07-07 22:18:11 | 時事
デジタル教科書導入の議論をちょっと読んでいて思うところを書きます。

現在のデジタル教科書の検討内容がどういうものかは知りませんが,今iPadで電子書籍が話題だから,どうもそういう勢いで話が進んでしまうような気もしてます。わたしは以前書いたように思いますが,電子書籍に対してはまだまだ懐疑的です。現状の形で出版の流通としてメインになるのかも疑問ですし,過去の文献が本当に電子化されるのか?,されない場合されなかった書籍はどうなるのか?…という点でも疑問です。

教科書を単なる読む本として考えた場合でも,疑問なのですが,それ以上に教科書の場合は読むだけじゃなくて,様々な使い方をします。重要なところに線を引いたり,メモを書いたりするかも知れません。はたまた余白にラクガキをしたり,ページを折ったりするかも知れません。それらが良い事か悪いことかという意見もあるでしょうし,必要なそういう機能は付加される…ということもあるかも知れませんが,教科書を読む以外の使い方をするというのは,それこそ子供の自由な発想として行われることが重要だとわたしは考えます。それを出来合いのツールで線が引けるようになってもあまり意味がありません。

そもそもなんで紙だといけないのでしょうか?。電子教科書にすると音が出たりとか動画が動いたりとか出来るという意見もあるのでしょうが,そうなるとそういう良質なコンテンツが提供できるか?という問題もあるし,そもそも,教育で音や動画が必要なのってホンの一部でしょ?それなら別に先生が,プロジェクタや電子黒板にでも出せばいいと思います。ネットに繋いで検索できるとかいうのかも知れませんが,なんでも安易にネットに繋いで検索するというのは,わたしは教育上好ましくないと思ってます。そんなの教えなくても勝手にやり始めますよ。

わたしは子供に教育をするのであれば,紙に描いたり,本を読んだり,図書館で調べたり…とかそういうのをきちんとさせたいと思います。紙というのは絵や文字を書いたり見たりするだけではありません。折ったり破ったり,くしゃくしゃにしたり,質感を感じたり,濡らしてみたり,いろんなことに使えます。そういうことが表現を作り出したり,感じたりする感性を磨くのだと思います。また,検索を使わず,図書館で調べるのは,膨大な情報を自分で構造化するという訓練にもなりますし,ふと新しい本にであったりもします。

教育は型にはめることと,型をはみ出せる余地を持たせることが重要です。また教えるのは情報ではなく体験だと思います。わたしはこれからどんどん電子的に情報がやり取りされるようになってくると,ますます紙に絵を描けたり,本から所望の情報を見つけられるという能力こそが,重要になると思ってます。機械が無いと出来ない能力は,多分誰でもできることになってしまうと思いますから。

もっとも補助的なツールとしてパソコンや情報端末を使うことはいいとは思います。でもデジタル教科書というからには,そういう補助教材じゃないですよね。
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消費税論の空気は変わるかな?

2010-06-21 22:17:05 | 時事
鳩山さんの後をついで総理大臣になった菅さん,いろいろと発言をして話題を振り撒いてます。菅さんの前の鳩山さんが宇宙人だけあって,なんか菅さんはずいぶん政治家らしく見えるなぁ…等と思ってます;-p。とりあえず,宮崎に行ったり沖縄知事と会ったり,フットワークは軽い。

そういう中でぶち挙げた消費税増税議論,なかなか強気の発言だと思いましたが,就任直後の人気が高いときに発言したせいか,メディアも空気をうまく読めず,なんか結構増税を支持する声も大きくて,わたしはびっくり…というのは先週書きました

まぁ日本の現在の状況をみていると,どこかで増税をするしかないのだろう…というのは理解できるのですが,マニフェストを全部引っくり返し,一体どこに向かっているかわからない政党が「増税」と言っても,怖くてまかせられない…というのがわたしの率直な意見です。増税を掲げて選挙に打って出るという覚悟は,関心しますけど,どうなりますかね。

というところで今日みた世論調査,早速支持率下落となっております。これを見て,メディアや他の識者の発言が変わるのか…ちょっと興味深かったりします;-p。

以下,素朴な疑問。

わたしは税制的にどうあるべきか,まだ良くわかってないので,無責任な発言になってしまうのですが,結構今の消費税議論は消費税の逆進性を問題にしてる意見が,今の時点では多いです。池田先生の誰でも稼いだ金は一生のうちに使いきるという乱暴な前提の元に逆進性はないという意見や,それにたいして年寄りは貯蓄なんて使わないから逆進的だよという弾氏の意見等など。…。ネットでは「逆進性はあるよ…」という意見が優勢に感じましたが,まぁ人は自分が望む仮説を元に思考するかなら…と思うので,もう少しいろんな専門家の意見を聞かないとなんとも言えません。

それより思うのは,じゃぁもし消費税に逆進性がなかったら,増税OKなんだろうか?…ということです。わたしは実は良くわかりません。逆進とか累進とかの分母って収入なのか,消費なのか,財産なのか…その辺も良くわかりません。いや計算はわかるけど,どれが適切か?っていうのが。それと税金は何らかの形で返ってくるので,それも含めないと,良くわからない。平等に取ったといわれても,そのお金が貧困者の救済に使われるのか,産業活性に使われるのか,教育に使われるのか,高齢者福祉に使われるのかでも,ずいぶん違うように思うのですが。

基本的に今の消費税増税の議論は振って湧いたような議論になっていて,まず国がどういう思想で投資していくか,という方向性がまるで見えません。国の財政を健全化するという総理の発言は漠然としすぎていて良くわかりません。健全化が国債を減らすという意味なら,国債の発行額目標とかもしっかり決めるべきでしょう。

というわけで,なぜそういう本質的な骨子の部分にだれも振れずに税率とか逆進性とかそういう話になってるんだろうな?と思います。

…とか書いていたら,早くも増税は選挙後に議論…ってまったく何言ってるのか解りません(-_-;)。
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