アキノノゲシは今が盛りですね。秋吉台はもちろん、そこに至る道ばたにもたくさん咲いていました。薄いクリーム色が秋にピッタシの清々しさを醸し出しています。ノゲシは、春に多く咲くのでハルノノゲシともいいます。こちらは、タンポポのような黄色い花です。オニノゲシは、1年中咲いているように思いますが、ハルノノゲシそっくりです。しかし、鋸歯(葉の縁のギザギザ)の先が棘になっているので、ノゲシとの区別は直ぐにつきます。どちらも、キク科ノゲシ属。アキノノゲシは、キク科アキノノゲシ属。ノゲシ属とアキノノゲシの一番の違いは草丈でしょうね。アキノノゲシは1m以上になります。
ハギは昔から日常的な花のようで、万葉集にも30回くらい詠まれていると聞いたことがあります。しかし、個人的には花の魅力をあまり感じていないので、その種類や区別の仕方について調べたことがありませんでした。今回は、いろいろな種類のハギを撮影することもめあての一つとして散策しました。秋の七草など、一般的に使うハギは、ヤマハギ、ツクシハギ、マルバハギのことを指しているみたいです。ヤマハギとツクシハギの区別の仕方は難しいので、ここでは、ツクシハギとマルバハギの区別について簡単にふれたいと思います。
ツクシハギ
一番の特徴は、花序が長いことです。葉から飛び出し、そそり立ったり、垂れ下がったりします。花色はやや薄い赤紫色。時に白っぽい花が混ざることもあります。
マルバハギ
花序が短く、葉の根もとにたくさんの花をつけます。花色はやや濃い赤紫色。葉の先端がツクシハギに比べて丸いようですが、個体差があります。
ツクシハギ
一番の特徴は、花序が長いことです。葉から飛び出し、そそり立ったり、垂れ下がったりします。花色はやや薄い赤紫色。時に白っぽい花が混ざることもあります。
マルバハギ
花序が短く、葉の根もとにたくさんの花をつけます。花色はやや濃い赤紫色。葉の先端がツクシハギに比べて丸いようですが、個体差があります。
秋の七草は、「ハギ、ススキ、キキョウ、ナデシコ、クズ、オミナエシ、フジバカマ」。秋吉台の秋の七草は、「ハギ、ススキ、キキョウ、カワラナデシコ、クズ、オミナエシ、サワヒヨドリ」。フジバカマの代わりにサワヒヨドリが入ります。野生のフジバカマは山口県にはありません。民家の庭にはたくさん咲いているのに野生にないのには、少し違和感を覚えます。盗掘禁止と同様に秋吉台への植物の持ち込みは禁止されています。帰化植物などの増殖により生態系が変わり、既存植物が絶滅してしまう可能性もあるからです。したがって、秋吉台では、花や形のよく似たサワヒヨドリが代用されています。今回の秋吉台散策(9月21日)で、秋吉台の秋の七草のすべてを撮影してきました。
ハギ
ススキ
キキョウ
カワラナデシコ
クズ
オミナエシ
サワヒヨドリ
ハギ
ススキ
キキョウ
カワラナデシコ
クズ
オミナエシ
サワヒヨドリ
4種類のミミカキグサの中ではもっとも背が高く、10~30㎝。しかし、花の大きさは相変わらず小さく、4~5㎜。コンパクトデジカメでは、自動でピントを合わせるのが難しく、シャープな写真は撮れません。少しぼやけていますが、どうにか見られる写真を2枚アップしました。距が受け口状に飛び出した薄紫いろの花は、ユーモラスな形をしています。
ミミカキグサは、湿地に生育する食虫植物で、日本にはミミカキグサ、ホザキノミミカキグサ、ムラサキミミカキグサ、ヒメミミカキグサの4種類が見られます。男山の湿地には、ミミカキグサとホザキノミミカキグサの2種類があります。ミミカキグサは花の色が黄色なので他のミミカキグサとはすぐに区別できます(他は青紫・薄いピンク色)。花後の果実が花茎とあわせて耳かきのように見えるのでこの名がつきました。地中に捕虫のうを付け、ミジンコなどのプランクトンを捕え、湿地で不足しがちな養分を補います。黄色い花の大きさは数ミリしかなく、とても撮影しにくいです。
オトギリソウのことを初めて知ったのは秋吉台の植物観察会です。職業がら身近な植物の知識は少しはありましたが、山に咲く植物については全く知らない頃のことです。そこで弟殺しの逸話からついた名であることを教わりました。湿地に咲く小型のオトギリソウにヒメオトギリソウとコケオトギリソウがあるのを知ったのは数年後です。今回撮影したオトギリソウがどちらなのか知るために、区別の仕方を調べてみました。おしべの数で区別できそうです。10以下ならコケオトギリソウ、10~20ならヒメオトギリソウ。従って、写真のオトギリソウはヒメオトギリソウです。