森人 もりと

森では人も生きものも ゆっくり流れる時間を生きています

クマが増えて人が減った

2023-12-02 | 日記


 約束どおり雪がやってきて、冬が始まりました。
このところは明るい曇り日が続いていますが気温が低く、ときおり
羽毛のような雪がふわ~と舞い降りてきます。
その雪も、雲が割れて陽が差すとじきに解けてしまうので、まだ
冬景色とはいえませんが無意識に「今年も来たな」と身構えて
しまいます。
こんな日がもう少し続いて、ある日ドカンとまとまった雪が降ると
それが根雪となり、来年の四月まで真っ白の世界になります。



 今年、この森からいちばん近い小学校が廃校になりました。
もうこの十年で近隣市町村の廃校は、数えきれないほどの多さです。
自分は子どもに係わる活動をしているので、時々小学校などを訪れる
のですが、どちらも一学年は一クラスしかなく、生徒数は十名を切る
ぐらいしかいません。
ですから、全校で六十名もいれば多い方です。
なかには、全校で五名という学校もありました。もちろん今はもう
廃校になりましたが。
学校が無くなるのは、なににも増して淋しいですね。
人口減少の時代だからしかたがないとはいえ。

 一方、コロナで止まっていた人口の東京圏一極集中は再開している
ようです。
人は便利な所で暮らすのが常ですから、それは良いことだと思います。
ただこのまま地方から東京圏への人口移動が続いていくと、地方で
食料を生産して東京圏へ送ることができなくなるのではないかと心配に
なります。
地方では人口が減っても食料はなんとか地産地消できますが、東京圏
ではそれは無理です。
すべてを輸入に頼るか、または東京近郊に大規模な農業工場をたくさん
造って、AIとLEDを駆使して工場野菜を作るかでしょうね。

 電力に関してもすべて地方が担っているのですが、こちらのほうは
問題はないようです。
地方の発電所に技術者を交代で派遣して保守管理すれば、あとは電線が
送ってくれますから。

 この国の形が急速に変わっていくことに、もしかしたら東京圏の人々は
気がついていないかもしれません。
というのも、東京圏ではどんどん人口が増え、毎日新しいビルが建ち、
人々は刺激的な生活を享受できるのですから、日本の人口減少など実感
する機会はないのだと思います。
もちろんそれはそれで良いことではあります。

 この山奥ではまだウロウロしているクマがいます。
いつもなら、とおに冬眠しているはずなのですが、食料が足りなくて
腹いっぱいにならないのでしょう。
この国は、クマが増えて人が減る国になりました。











 



 



 





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