昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

「二見興玉神社」参拝と、干潮の「夫婦岩」

2009年08月30日 | 近畿地方の旅
5月連休の伊勢旅行の思い出をゆっくりと書いています。

旅行2日目の夕方、二見浦の「夫婦岩」を見に行きました。

もし翌朝、快晴になれば、日の出を見たいと下見を目的に行きました。
(結局、翌朝は曇りで日の出見物は中止にしました)



近くの駐車場に車を止め、海岸沿いの参道口進んで行きました。

■参道口に案内板がありました。
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二見浦と浜参宮
夫婦岩(立石)沖には、現在は海中に没していますが、神様が寄り付く岩 興玉神石[おきたましんせき]があり、この周辺の立石浜は、神々のいる常世[とこよ]の国から寄せる波が最初に届く聖なる浜と信じられてきました。
神仏に参拝する時、水を浴びて心身を清めることを垢離[こり]と言いますが、古来立石浜は伊勢神宮の禊場[みそぎば](垢離場[こりば])として人々の信仰を集めてきたのです。
神領民は勿論、全国から来られた方々も外宮から内宮へ廻る神宮参拝や神事に参加する前にこの浜で禊をするのが慣わしです。
このように事前に禊のために立石浜を訪れてお祓[はら]いを受けることを「浜参宮」と言います。
本来は実際に海水に浸かって禊をするのですが、現在では、二見興玉神社に参拝し、興玉神石より採取した無垢鹽草[むくしおぐさ]草で身を清めるお祓いを受ける浜参宮が一般的です。
  第62回神宮式年遷宮浜参宮受入委員会
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海岸沿いの東に向かう参道を進むと「夫婦岩」が見えてきました。

干潮で、右手の岩が砂浜で地続きになり、写真で描いていたイメージとはだいぶ違っていました。

上段の説明文にあるように、この海岸は、伊勢神宮の禊の場でもあったようです。

神に祈る前に手や、口を清める習慣は禊[みそぎ]が変形したものと言われています。

大勢の見物客で、賑わっており、やはり人気のスポットのようでした。



海岸沿いの石垣の上に案内図がありました。

夫婦岩や、周囲の岩の名称が書かれています。

上段の写真では烏帽子岩と、獅子岩が一部重なっています。



上段の案内図のすぐそばに立て札がありました。
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古来烏帽子岩と呼ばれておりましたが御神威か近年蛙の容姿をなしていました・
神様のお使い蛙岩(親子蛙)
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何と! 神様の偉大な力で、烏帽子岩が、蛙岩になってきたようです。



蛙岩です。

なるほど、親子蛙の姿に見えてきます。



この中に「天の岩屋」の洞窟があるようです。

建物の中に「天鈿女命」[アメノウズメ]の石像がありました。

天照大神が隠れられた岩屋の外で刺激的な踊りを舞った神話を思い出します。

「天鈿女命」は、二見興玉神社の祭神、「猿田彦命」と夫婦神でもあります。



手水舎がひっきりなしに来る参拝者で賑わっていました。

手洗いの他、水槽の中に置かれた蛙の像に水を掛けています。

■水槽の横に立て札に書かれていた文です。
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満願蛙(水の中の蛙)
この蛙は 御神示により この水中にお鎮まりになりました
水を掛けると 皆様の願いが かなえられます
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「無事帰る」「貸したものが返る」「若返る」などの縁起があるそうです。

このような駄洒落のごりやくを感じた人達が、境内の各所に置かれたカエル像を寄進したそうで、楽しい観光地気分を盛り上げてくれます。



「二見興玉神社」の社殿です。

右手の拝殿入口が見えていませんが、長い拝殿と、左手に神殿があります。

写真左手(神殿後方)の鳥居は、日の出の遥拝所です。

■参道口に掲示されていた「二見興玉神社」の由緒です。
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二見興玉神社由緒
 祭神 猿田彦大神
    宇迦御魂大神
垂仁天皇の御代、皇女倭姫命天照皇大神の神霊を奉戴して、此の二見浦に御船を停め神縁深き猿田彦大神出現の神跡である海上の興玉神石を敬拝し給う
即ち夫婦岩に注連縄を張り拝所を設けたが其后天平年間僧行基興玉社を創建す
明治に至り宇迦御魂大神を合祀して二見興玉神社と称する
古来、日の出の名所として、また伊勢参宮の禊所として有名である。
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日の出の遥拝所で、夫婦岩の間から昇る朝日を拝む他、皇居も遥拝する場所のようです。

右手が「夫婦岩」、左手が神殿です。



拝殿の近くから撮った「夫婦岩」です。

干潮でもあり、意外に陸地から近く見えたことで、やや期待外れでした。

■参道口にあった説明板を転記します。
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夫婦岩
 夫婦岩は、沖合660mの海中に鎮まる興玉神石の鳥居と見なされており、日の出の遥拝所として古くから知られています。
 男岩と女岩を結ぶ大注連縄は、「結界の縄」と称され大注連縄の向うを常世神が太平洋の彼方から寄りつく聖なる場所、そして手前を俗世という隔りを持ち張られ
ています。
 この大注連縄は、およそ650年前(文保年間)、既に張られており、現在も氏子により大注連縄張替の神事が年3回、5月5日・9月5日と12月の第3日曜日に行なわれています。
 夫婦岩の大きさは、男岩 高さ9m、女岩 高さ4mで二つの岩を結ぶ大注連縄ま長さ35m、男岩に16m、女岩に10mか巻かれ、その間9mあります。
 夫婦岩の間からの日の出は、5月から7月頃が見ころで、その絶景は深い感動を与えています。
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拝殿横の通路で見かけた「日の出遥拝案内図」です。

この図をよく見ると、太陽の下に小さく富士山が描かれています。

夏至の日(6月21日4:30頃)の前後数日間は、夫婦岩の中心にある富士の上から太陽が昇るそうです。

上段の夫婦岩の説明文に「夫婦岩は、沖合660mの海中に鎮まる興玉神石の鳥居と見なされており・・・」とあります。

「夫婦岩の中心」に「興玉神石」「富士山」「夏至の太陽」が重なる奇跡場面が、この「日の出遥拝案内図」に描かれているようです。



境内に掲示されていた「注連縄張神事」のポスターです。

夫婦岩の上空から神事の様子をとった写真が掲載されていました。

左手の陸地には見物する人々があふれています。

■頂いた「二見興玉神社」しおりに神事の説明文があり、転記します。
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特殊神事
大注連縄張神事
夫婦岩は「日の大神」と夫婦岩沖合の猿田彦大神縁りの「輿玉神石」を拝する鳥居の役目をしております。
五月、九月、十二月、皆様方の御奉献により大注連縄を新しく張り替え大神様の御神威は益々光り輝きます。

藻刈神事
五月二十一日「輿玉神石」より無垢塩草[むくしおくさ]を採取します無垢塩草は、大日に干して祓の具、不浄祓守となります。
猿田彦大神は甦りの神と称えられております。

夏至祭と禊の神事
早い暁、夫婦岩より霊峰富士の神威を仰ぎ、その背に差し昇り御光洋上に輝く太陽を拝するとき、神神[こうごう]しく神秘的な壮厳さは王さに大照大神であります‥、夏至の当日日の出前に夏至祭を斎行し皆棟の御多幸御健勝また世界平和を御祈願します。
日の出とともに禊をし、「日の大神」「猿田彦大神」の御加護を戴きましょう。
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