昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

心がなごむ満月寺の「浮御堂」

2009年02月11日 | 近畿地方の旅
昨年11月1日正午近く、比叡山の次に大津市本堅田の琵琶湖湖岸に建つ「浮御堂」を見に行きました。



琵琶湖湖畔の古くから続いている静かな町の通りに満月寺の山門が見えて来ました。

山門は、江戸後期の文化9年(1812)の建物で、竜宮城の門のような形ですが、朱塗りがなく落ち着いて洒落た感じです。

入口の脇の石柱に「堅田落雁」と刻まれ、近江八景の一つとして紹介されています。

「浮御堂」の石碑や、落着きのある形の良い門が、この寺の古い歴史を語っているようです。

■「浮御堂」の石碑の後ろに「源氏物語千年紀in湖都大津」の看板があり、転記します。
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源氏物語千年紀in湖都大津
 平成20年3月~12月14日
源氏物語ゆかりの地
浮御堂(満月寺)
源氏物語に登場する横川の僧のモデル 恵心僧都源信が建立したお堂
 源氏物語千年紀in湖都大津実行委員会
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滋賀旅行は、石山寺の「源氏物語千年紀in湖都大津」のイベントも目的の一つでした。



門を入ると、受付の建物があり、向こうに見えるのは琵琶湖です。

青々と茂る太い松が、境内のあちこちで枝を張っています。

受付で、年配の女性が、拝観に来た人たちに丁寧にお寺の説明をされていました。

気持の良い天気、受付の方の応対、琵琶湖に面した景観で、心がなごみます。



受付の場所から右手に「客殿」の玄関があります。

江戸時代中期の宝暦4年(1754)の建物で、やはり禅寺の玄関のたたずまいです。

本堂と間違えるような比較的大きな建物で、東の琵琶湖に向いたの正面には長い生垣がありました。



山門をまっすぐ進んで行くと「浮御堂」が見えて来ました。

左手には「観音堂」があります。

「浮御堂」は、平安時代中期の僧「源信」が琵琶湖の交通の安全、衆生済度を発願して湖上に堂宇を建て、阿弥陀仏像を刻んで安置したのが始まりとされているようです。

「源信」は、「恵心僧都」とも尊称される比叡山の僧で、比叡山の大講堂に肖像画が掲げられ、「往生要集」を著わし、日本浄土教の基礎を築いたと説明文がありました。



「浮御堂」です。昭和12年(1937)に再建された建物だそうです。

天気が良く、琵琶湖の彼方には、琵琶湖大橋や、三上山が見えて。いました

なかなかの景色で、妻と記念写真を撮りました。



「浮御堂」の正面です。

琵琶湖につき出た橋を渡って行き、堂の反対側に回り込んだ側になります。

ここから拝むと西にそびえる比叡山や、西の彼方にある極楽浄土に向って拝むことになります。



「浮御堂」の仏壇です。

千体の阿弥陀仏が安置されているとのことでしたが、堂内を見渡すと横の壁にも多くありました。



琵琶湖の湖岸に並ぶ形の良い松と、その後ろに生垣に囲まれた「客殿」が見えます。

松の間に芭蕉の句碑が立っていました。

■この場所で詠んだ二つの句があります。
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 鎖[じょう]あけて 月さし入れよ 浮御堂
 比良三上[ひらみかみ] 雪さしわたせ 鷺の橋
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芭蕉の遺言により、琵琶湖南端の湖岸に近い「義仲寺」にお墓があるそうです。

今回の旅行で予定に入れていましたが、時間がなく又の機会としました。



「浮御堂」の橋のたもとにある「観音堂」です。

明和3年(1766)の建物で、満月寺の本堂になるようですが、実にこじんまりとしています。



「観音堂」の仏壇です。

満月寺の本尊で秘仏の「聖観音坐像」(重要文化財)は、中央の黒い仏壇の中に安置されているようです。

向って左の仏像は、「十一面観音像」で、写真には見えませんが、向って右には「薬師如来像」が安置されています。

■正面中央に「聖観音座像」の写真に添えられた説明文がありました。
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聖観音座像
浮御堂で名高い満月寺の本尊。天衣をまとわないことや、左手に未敷蓮華をとり、実き手は施無畏印風に立てる印相は、福井・長慶院聖観音座像や栃木・輪王寺阿弥陀五尊中金剛法菩薩像などにみるのみ。両手首先も当初。
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「観音堂」の天井です。

綺麗な模様が並んでいます。



少し北の湖岸から見た「浮御堂」です。

満月寺を出て、近所を散策し始めた時、地元の方と出会いました。

挨拶をしたら「浮御堂」が美しく見える場所があるとここを教えて頂きました。

湖岸にちかい水面にはたくさんの水草が浮かび、少し沖には水鳥が多く泳いでいました。




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