昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

長府庭園、千年前の実から咲いた孫文蓮

2007年10月15日 | 山陽地方の旅
8/13下関市長府の「長府庭園」へ行った記録です。


長府庭園の受付で頂いたパンフレットの表紙と、説明文を掲載します。
<公園の概要>
この長府庭園は長府毛利藩の家老格であった西運長(にしゆきなが)の屋敷跡で、小高い山を背にした約31,000㎡の敷地には池を中心に書院・茶室・あづまやが残され、かっての静かなただずまいが今日まで保たれています。
園内には桜・松・ツツジ・もみじ・菖蒲のほか、池の水を利用した滝と流れがあり、四季折々ゆったりと庭園美が楽しめる廻遊式日本庭園です。



長府庭園のすぐ横の駐車場に長府庭園の案内地図がありました。
向って右上が駐車場です。
向かいに「下関市立美術館」がありましたが、残念ながら休刊日でした。



長府庭園の正門です。
両側の植え込みや、白壁が江戸時代の武家屋敷らしさを出しているようです。



庭園に入ると白壁の蔵が二棟見えます。
向って左側の棟は、お土産物になっていました。



庭園に池が見えます。
向こうには蓮の花が咲いています。



とても美しい蓮の花で、感激して何枚も写真を撮りました。
長府庭園のパンフレットに蓮の花の案内文があり、転記します。

<孫文蓮>
大正7年(1918)来日した中国の政治家孫文が彼の支援者で長府に在住した田中隆氏に贈った中国古蓮の実を、ハス博士、大賀一郎氏が育成して発芽したもの。
7月中旬から8月にかけ、白地に淡いピンクの花をつける。
この蓮は夜明けと共に咲き始め、早朝に満開となり、午後再び閉じる。
2、3日繰り返し、4日目には、すべての花弁を落として花托となる。


1918年に亡命してきた孫文が田中隆氏に贈った古蓮の実は、中国大連普蘭店市で千年以上前の泥炭地層から発掘されたものと言われています。
その後、普蘭店市では1952年に大量の古蓮の実が発掘されたようです。
当人達は、まさか発芽するとは考えていなかったものと思われます。

田中隆氏は、長府を拠点に海運業で財をなした大物財界人だったようです。




子供が橋の上で集まった鯉を見つめています。
錦鯉は、池のそばに立つとたくさん集まって来ます。



池と蔵がとても美しく見える場所でした。



池の向こうにとても大きな石灯篭がありました。



池の向こうを更に進むととても変わった組合せの石仏がありました。
細長い石柱の上にかわいい狛犬があり、その奥に石仏が並んでいます。
向って左には羅漢さんのような石像が上を向いて座っています。

狛犬と、石仏の組合せは、明治初期までの神仏習合時代のなごりのようです。


池を眺める場所のようです。
ベンガラ色の壁に開いた丸い穴の窓、竹で組んだ引き戸などがとても風流です。



庭園の奥に大きなススキのような草がありました。
八月中旬の暑い季節にススキの穂もないだろうと思い帰って調べてみました。

この植物の名は、「パンパスグラス」のようです。
イネ科 コルタデリア属の多年草で、原産地は南米だそうです。
2m以上の高さになるようで、8~10月にはススキより大きな穂が付くそうで、写真にもふんわりと大きな穂が付いています。

この他、四季の草花がたくさん植えられ、とても季節感のある庭でした。


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