「俺より前に出るな!!」
まるで小さな木が、大きな杉に向って実力行使をしているようです。
伊勢神宮 外宮の境内にある摂社「度会国御神社」へ向かう参道の脇で見かけた風景です。
いったいどうしてこんな形になったのでしょうか?
外宮の最初の記事にも掲載していた「豊受大神宮(外宮)宮域図」です。
伊勢神宮 外宮の広い境内の参拝もいよいよ最後になりました。
案内図の上部にある⑦の多賀宮・風宮・土宮から北御門参道を下に向かって歩き、⑧の「御厩」[みうまや]から左折して⑨の「度会国御神社」「大津神社」へ進むコースです。
朝6時過ぎ、北御門参道口に近い参道の左手に「御厩」[みうまや]がありました。
道の向こうは、最終地点の北御門参道口で、「御厩」のすぐ先を左折して「度会国御神社」に向かいます。
この「御厩」には神馬[しんめ]が二頭飼育されているようですが、早朝6時過ぎでしたが「御厩」の中に見当たりませんでした。
運動でもしているのでしょうか?
■「御厩」に二頭の馬の案内板がありました。
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豊受大神宮御料御馬
・草音号 [くさおとごう]
生年 平成十三年
毛色 芦毛[あしげ]
・路新号 [みちしんごう]
生年 昭和六十年
毛色 鹿毛[かげ]
種類 アングロアラブ種
産地 宮内庁御料牧場
牽進 平成二十年十月
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宮内庁御料牧場で育てられ、皇室から贈られたようです。
北御門参道沿いの「御厩」から左に折れ、「度会国御神社」へ向う細い参道です。
冒頭に掲載した奇妙な二本の木の写真は、この道の先にありました。
参道の両脇は、自然林のようで、参拝する人も少なく、ちょっと静か過ぎる道を進んで行きました。
参道の右手に「度会国御神社」[わたらいくにみじんじゃ]の社殿が見えて来ました。
「度会国御神社」の祭神は、「彦国見賀岐建與束命」[ひこくにみがきたけよつかのみこと]だそうで、度会氏[わたらいし]の祖霊を祀る神社のようです。
度会氏は、古代から伊勢で勢力を持ち、明治初期まで代々外宮の禰宜[ねぎ]を世襲してきた一族です。
度会氏社殿の横には、やはり式年遷宮の敷地があります。
「度会国御神社」を少し過ぎた所に、「大津神社」がありました。
「大津神社」の祭神は、五十鈴川の河口を守る神様、葦原神です。
「大津神社」は、明治6年にこの地に再興された神社だそうです。
「大津神社」を過ぎ、一本道の細い参道を進むと、道は左にカーブし、右手に大木がありました。
大木の下を見ると、左手に何やら祀られているようで、榊や、小石が置かれています。
静寂な森の大木の根の部分に小さな洞窟が見え、少し気味悪い感じです。
上段の写真の左の部分を採った写真です。
大木の根元に鳥居が立て掛けられ、その前にお供えの平らな石、陶磁器の皿、湯呑、皿がありました。
キツネの置物が、2コ見えますが、乱雑に倒れて放置されているようです。
稲荷神を祀っているものと思われますが、境内の案内にはありません。
大木を過ぎ、更に参道を進むと二本目の大木があり、ここにもお稲荷さんが祀られていました。
大木の下を拡大して撮った写真です。
自然石を並べ、小さな鳥居、白い陶器のキツネが見えますが、ここも乱雑になっているようです。
元気そうな榊の緑の葉を見るとまったく放置されている訳ではなく、この大木の根元に乱れているキツネの人形は、いったいなぜなのでしょうか。
ひっそりとした参道で、大木の根元に祀られる不思議な稲荷さんは未だに謎です。
細い参道を更に進むと有刺鉄線の柵で、行き止まりになっていました。
北御門参道まで一本道を引き返しましたが、この一帯はちょっと不思議な場所でした。
「度会国御神社」「大津神社」の参拝を終え、北御門参道口に出て来ました。
外宮の参拝は、早朝、5時過ぎから6時30分の1.5時間でした。