昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

イタリア旅行No.14 フィレンツェ「ウッフィツィ美術館」

2011年01月12日 | 海外旅行
11/12 イタリア旅行4日目朝、フィレンツェの町を一望する「ミケランジェロ広場」から「ウフィツィ美術館」へ向かいました。



ウフィツィ美術館の入場前、中庭で見た風景です。

建物の各柱にはルネッサンス時代に活躍した芸術家の彫像が飾られているようです。

野球選手にとっての野球殿堂のような場所だったのでしょうか。



ウフィツィ美術館の廊下から中庭を見下ろした風景です。

向こうには塔がそびえる「ヴエツキオ宮殿」、その向こうに「ドゥオーモ」のクーポラ(円蓋)が見えています。

美術館は南北に細長い建物が二つ並び、ここ南端部分で接続してU字型になっています。

西の棟の前には高いクレーンがあり、工事中のようです。

古い年代の東側の棟の見学を終えたところですが、やはりボッティチェッリの「ヴィーナスの誕生」「春」の実物を見た感動は大きなものでした。

この付近には展示室がなく、添乗員さんから屋外の撮影は許可されているとのことで撮影することが出来ました。



「ウフィツィ美術館」の南を東西に流れるアルノ川の風景です。

美術館二階から「ヴェッキオ橋」へ向けて二階建の「ヴァザーリ回廊」が伸びているのが見えます。

「ヴァザーリ回廊」は、トスカーナ大公(コジモ1世)の時代の1565年に約半年間で造られたと言われ、私邸の「ピッティー宮殿」から当時政庁だった「ウフィツィ美術館」の建物を通り、旧邸の「ヴェッキオ宮殿」までの約1Kmを結んでいるようです。

「ヴェッキオ橋」の向こうにも四つの橋が見えていました。



昔、購入した本に掲載されていた「フィレンツェ ルネサンス時代」の絵図の一部です。
<ライフ人間世界史 5 ルネサンス (著)タイム社ライフブックス編集部より>

アルノ川の図に向って左下が北、右上が南方向になります。

ウッフィツィ美術館は、コの字型で、川沿いに伸びた回廊はヴェッキオ橋につながっています。

この時代の城壁は南岸まで及び、ミケランジェロ広場近くの川岸からピッティー宮殿を囲み、図の右下辺りまで続いていたようです。

約500年前の絵図で見る建物や、道路が、今でも余り変わらず残っていることに驚きます。

又、絵図全体では北岸の城壁の範囲もたいした広さがなく、ルネッサンス時代の傑出した人材がこの小さな町でなぜ多く輩出されたのかも謎です。



「ヴェッキオ橋」の中央付近の風景です。

橋の上で景色を眺める人達や、橋の脇に突出た家屋が造られています。

頼りなさそうな細い支柱に支えられた棚の上に三階建ての家とは、スリルたっぷりの住み心地に見えてきます。

橋の二階「ヴァザーリ回廊」には700点以上の美術品が展示されているようで、対岸の「ピッティー宮殿」を一般解放した「ピッティー宮殿美術館」にも1000点以上が展示されているようです。

ウフィツィ美術館に展示されている2000点以上の収蔵品を合わせると、メディチ家の資産は途方もなく莫大なものだったようです。

これだけの富を集中させた権力者には反感を持つ人々も多かったと思われ、暗殺の危険を避ける「ヴァザーリ回廊」が半年間で完成させた理由も分かるような気がします。