昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

イタリア旅行No.13 「ミケランジェロ広場」からの眺望

2011年01月08日 | 海外旅行
11/12 イタリア旅行4日目、終日イタリア中部の町「フィレンツェ」の観光です。

フィレンツェの市外にあるホテルを出発、9:00頃、小雨模様の「ミケランジェロ広場」へ到着しました。

広場の駐車場に駐車時間の制限があり、警官が監視するとかで、10分程度のあわただしい見物になりました。



フィレンツェの町を一望する「ミケランジェロ広場」に立つ「ダビデ像」です。

「ダビデ像」は、ルネサンスの三大巨匠の一人「ミケランジェロ」(1475~1564年)の代表作の一つですが、本物は「アカデミア美術館」にあり、これはレプリカだそうです。

「ダビデ像」のレプリカは、ヴェッキオ宮殿前のシニョーリア広場などにも立っていました。

写真には観光客が見えませんが、短時間で見物して立ち去る観光客で賑わっていました。



「ミケランジェロ広場」から見下ろしたフィレンツェの町です。

丘の下をアルノ川が流れ、対岸に広がるフィレンツェの町が一望できます。



フィレンツェの観光案内の地図です。

午前中の観光コースは、アルノ川の河畔にある「ウフィッツ美術館」から北へ進み、「ヴェッキオ宮殿」の中庭、「シニョーリア広場」、「ドゥオーモ」と進んで行きました。

午後の自由時間は、妻の絵の風景を探してアルノ川河畔を散策しました。



「ミケランジェロ広場」からひと際大きく見える「ドゥオーモ(サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂)」です。

八角形のクーポラ(円蓋)の高さは、107m、左手にそびえる「ジョットの鐘楼」は85mと、一望するフィレンツェの町の中ではひと際存在感のある建物です。

この巨大な屋根が完成したのが1468年だそうで、日本では室町時代、応仁の乱が始まった頃と考えると、この建物の壮大さが実感できそうです。



「ミケランジェロ広場」から西を見下ろしたアルノ川河畔の風景です。

アルノ川は、フレンツェの町を東から西に流れ、斜塔で知られるピサ付近でリグリア海へ注いでいます。

右手の塔のある建物は、メディチ家の邸宅「ヴェッキオ宮殿」ですが、見張台のある要塞のようにも見えました。

左手の二階建の橋は、「ヴェッキオ橋」で、「ヴェッキオ宮殿」との間に「ウフィッツイ美術館」の建物があります。

写真には見えませんが「ヴェッキオ橋」の左岸にメディチ家の邸宅が後に建てた「ピッティー宮殿」があり、右岸の「ヴェッキオ宮殿」との間を「ヴェッキオ橋」の二階の回廊で結んでいたようです。

前回掲載した水彩スケッチ「アルノ川の風景」は、この写真の左手部分を描いたものです。



「ミケランジェロ広場」から西を見下ろした「ヴェッキオ橋」南岸の風景です。

こちらにも八角形のクーポラ(円蓋)がそびえていました。

上段の地図にはありませんが、これは河畔近くに建つ「サン・フレディアーノ・イン・チェステッロ教会」で、15世紀頃からあった建物にクーポラを増築したのが1689年だそうで、ドゥオーモには及ばないものの、これも歴史的な建物です。

午後からの自由時間の散策で、河畔に建つ「サン・フレディアーノ・イン・チェステッロ教会」の風景はとてもすてきなものでした。



「ドゥオーモ」のクーポラの東側に鋭くそびえる塔と、大きな建物が見えます。

これは「サンタ・クローチェ教会」と、その鐘楼で、12世紀後半にゴシック様式で建てられ、ミケランジェロ、ガリレオなどの埋葬場所にもなっているようです。

夕方の帰り道、白く輝く大理石のファサードを見て意外にも新しい建物のように感じました。

ファサードは、1863年に再建されたようで、風雨にさらされた150年の歳月では大理石にたいしたダメージが無かったのかもしれません。

左手の河畔に双塔のある建物が見えますが、国立図書館のようです。



「サンタ・クローチェ教会」よりやや東側で、「ミケランジェロ広場」から北方向の風景です。

茶色の屋根が広がる町の中にコバルトグリーンの円蓋が目に付きます。

少し詳細な観光地図を見ると「ユダヤ教会」のようでした。

中心にある円筒型の建物から四方にかまぼこ型の建物が突き出し、とにかく珍しい建物です。



前から見た「ダビデ像」です。

ダビデは、紀元前千年頃に実在したといわれる古代イスラエル二代目の王と言われています。

旧約聖書に「ダビデ」がペリシテ人の巨人兵士ゴリアテと戦った時、石を投げて額に命中させ、倒した記述があり、まさに石を投げようとする姿だそうです。

周辺の強大な諸国にフィレンツェが立ち向かう姿を、ダビデ像に象徴させて国威を発揚させたようです。

しかし、戦いの前の張りつめたダビデ像の足元に横たわる裸体の像は、ちょっとリラックスし過ぎではないでしょうか。

<2011/2/9追記>
この横臥する四体の像を調べたらメディチ家礼拝堂(サン・ロレンツォ教会の裏)の石棺に載せられたミケランジェロ作の寓意像の複製品のようでした。

向って左の像が「黄昏」、中央が「曙」、右手が「夜」で、裏手には「昼」の像があり、それぞれ素晴らしいものです。



ツアーの人達が見物を終え、急ぎ足でバスへ戻るところです。(今ではなつかしく思い出しますね)

ダビデ像の向こうに一本のイタリア笠松が見えます。

イタリアで見た松は、全て笠の形でしたが、ちょっと不思議な木です。

少し残念な小雨の景色でしたが、フィレンツェの町が一望出来、これから「ウフィッツ美術館」で名画の鑑賞です。