昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
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イタリア旅行No.12 中世の塔が林立する町サン・ジミニャーノ

2011年01月03日 | 海外旅行
11/11 イタリア旅行3日目、イタリア中部の町「シエナ」を出発、16:30頃「サン・ジミニャーノ」へ到着しました。

丘の上に見える「サン・ジミニャーノ」には中世に築かれた14本の塔がそびえ、古い建物が続く町並みと合わせて、素敵な中世を味わえる町です。



「サン・ジミニャーノ」の町の南にある城門「サン・ジョヴァンニ門」の横に続く城壁です。

「サン・ジョヴァンニ門」の前は、広い駐車場があり、観光客の多くはここから町に入るようです。

既に陽が傾き始めていましたが、町の観光はこの城門から自由行動で、とりあえず町の中心「ドゥオーモ広場」を目指しました。



城門「サン・ジョヴァンニ門」から北に続く「サン・ジョヴァンニ通り」です。

この「サン・ジョヴァンニ通り」は、ローマから北ヨーロッパを結ぶ「フランチジェナ街道」の一部で、「シエナ」と同様に「サン・ジミニャーノ」が宿場町として発展したようです。

正面にはグロッサの塔[Torre Grossa](高さ54m)が見えて来ます。

グロッサの塔[Torre Grossa]は、これから目指す「ドゥオーモ広場」の南側にある町では最も高い塔です。



サン・ジョヴァンニ通りを北に進むと、通りは右にカーブし、その向こうにロニョーザの塔[Torre Rognosa] と思われる塔が見えてきます。

ロニョーザの塔[Torre Rognosa](高さ51m)は、「ドゥオーモ広場」の東側にある「ボデスタ宮殿」の上にそびえ、グロッサの塔に次いで町で二番目に高い塔です。

手前に見える低い塔は、クニャネージの塔[Torre dei Cugnanesi]で、突当りを斜め右に進んだ「ベッチのアーチ」の左手に建っています。

この地方では、中世からサフラン(花のメシベから採取した香料・染料)が栽培され、その取引でサン・ジミニャーノは大いに栄えたようです。

財を成した商人達は、競って塔を建設し、12世紀頃には72本もの塔が林立したそうです。

前回掲載したシエナの町でも中世には50~60本の塔があったとされ、宮殿の上にそびえる塔の高さは一族の勢力を誇示するものだったようです。



サン・ジョヴァンニ通りがやや右に曲がった坂道の先に12世紀頃の城門だったとされる「ベッチのアーチ」が見えてきます。

その上にそびえるのはベッチの塔[Torre dei Becci]です。

急な傾斜を感じる坂道の上に造られたかつての城門には外敵からの強い防御の工夫がされているようです。

「ベッチのアーチ」をくぐるとその先は「チステルナ広場」、その先に「ドゥオーモ広場」と続きます。

「ベッチのアーチ」をくぐった右手に脇道があり、ちょっと立ち寄ってみました。



「ベッチのアーチ」から建物を東へ抜けると「パレストロ通り」で、眼下にトスカーナの素晴らしい田園風景が広がっていました。

道の先に日本のテレビ撮影のスタッフ(NHK?)が見えます。

「サン・ジョヴァンニ通り」でも見掛け、追い抜きましたが、トイレに立寄った間にここに来ていたようです。

正月番組でイタリアの特集をするそうで、そのための撮影と思われます。



「パレストロ通り」で風景を楽しんでいると「ベッチのアーチ」の方向から二人の神父さん(?)が近づいて来て、下の道に下りて行きました。

初めて見る服装が珍しく、カメラを向けると笑顔が返ってきました。

神父さん(?)の一人は日本人のように見えますが、こんな素敵な町の仕事はいいものでしょうね。



「ドゥオーモ広場」へやってきました。

正面の建物は、「参事会教会」(ドゥオーモ・コッレジャータ)で、その左手にサン・ジョヴァンニ通りから見えていた町で最も高いグロッサの塔[Torre Grossa]がそびえています。

幅の広い階段の上に見える教会のファサードは、極めて簡素なデザインで、「ドゥオーモ広場」の周囲にあるシンプルな塔と、よく調和がとれている様に感じます。

17:00頃、到着しましたが、次第に暗くなってきました。



ドゥオーモ広場の北側にそびえるサルヴィッチの双塔[Torri dei Salvucci]です。

林立する塔の建設に高さの規制が加えられたため、サルヴィッチ家では二本の塔を建て、勢力を誇示しようとしたものと思われます。

ドゥオーモ前の広い石段から見る風景で、建物一階のお店の明りにどこか郷愁を感じるようです。



参事会教会の向かい(東側)の風景です。

高くそびえる塔は、町で二番目に高いロニョーザの塔[Torre Rognosa]で、「ポデスタ宮」の上に造られています。(サン・ジョヴァンニ通りからも見えていました)

左手の低い塔はキージの塔[Torre Chigi]で、建物一階にはおしゃれな店が並んでいました。



帰りに立寄った「ドゥオーモ広場」南隣の「チステルナ広場」北側の建物です。

建物の後方にそびえるのは上段の写真にもあったロニョーザの塔[Torre Rognosa]です。

広場には使われなくなった大きな井戸があり、広場の名称は、「井戸=チステルナ」から名付けられたようです。

13世紀に作られたこの井戸は、雨水を貯める方式で、やはり丘の上では地下水の確保が出来なかったものと思われます。



「チステルナ広場」西側の風景です。

後方の高い塔は、「参事会教会」の横に建つグロッサの塔[Torre Grossa]で、右手がドゥオーモ広場になります。

前に建つ二つの塔は、アルディンゲッリの双塔[Torri degli Ardinghelli]です。

二つの広場の周囲には塔が林立し、最も「サン・ジミニャーノ」らしさを感じました。

「チステルナ広場」は、すっかり暗くなり、素敵な夜の「サン・ジミニャーノ」の姿が見えて来ました。



サン・ジョヴァンニ通りの空に三日月が輝き、観光客や、地元の人達が歩く夕方の風景です。

短い自由時間でしたが、中世を感じる塔の町の風景を堪能出来ました。

「サン・ジミニャーノ」の名物が赤ワインと聞き、集合場所「サン・ジョヴァンニ門」近くのお店で買って帰りました。