昔に出会う旅

歴史好きの人生は、昔に出会う旅。
何気ないものに意外な歴史を見つけるのも
旅の楽しみです。 妻の油絵もご覧下さい。

北海道旅行No.9 雄大だった宗谷丘陵

2010年08月14日 | 北海道の旅
北海道旅行2日目、7/15の陽が傾いた18時前、稚内のホテルへの帰り道は、岬の南にある「宗谷丘陵」を通りました。



「宗谷岬平和公園」から広大な草原が見え始め、車を止めてシャッターを押しました。

草原に黒い牛が遊び、道ははるか先の山、「丸山」方向へ続いています。



宗谷岬周辺の地図です。

宗谷丘陵を通った経路は、宗谷岬から南に走り、A→B→Cと進み西の宗谷湾を通る国道238号線へ抜けました。

紫に塗られたエリアは「宗谷岬肉牛牧場」のようで、途方もない広さです。

上段の写真は、A地点から南の「丸山」方向の景色でした。



道路の脇に「宗谷岬肉牛牧場」の大きな建物が並ぶ敷地へ入る道がありました。

敷地の入口には白い消石灰が撒かれ、小さな案内板に「家畜伝染病予防のため関係者以外の立入りを固くお断り致します」とあります。

4月から宮崎県で始まった口蹄疫問題は、日本最北端のこの宗谷でも強い警戒態勢をとっているようです。

その後、7/27に終息宣言が出されましたが、昨年からの鳥インフルエンザ騒ぎに続いて家畜伝染病の怖さを思い知らされました。



たくさんの黒牛が、忙しそうに草を食べています。

妻が声をかけると、少し近づいてこちらを見つめていました。

このかわいい牛たちも、いずれ肉になってしまうのかと思うと複雑な気持ちです。

■「とるぱ」宗谷丘陵駐車場の案内板にあった「宗谷黒牛」の説明文です。
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宗谷岬肉牛牧場 宗谷黒牛
【宗谷岬肉牛牧場ひとくち紹介】
①日の出と日の入り両方が水平線に見える日本唯一の牧場です。
②日本で最初に、無農薬、無化学肥料の牧草栽培と、同時に非遺伝子組替原料だけの飼料で牛肉生産を始めました。(1998~)
③日本で最初に出荷牛前頭の個体情報や飼料内容などの生産情報を公開するトレサビリティシステムを導入しました。(2000~)
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地図B地点から振返り、右折して来た東方向を見た景色です。

この道には、宗谷岬から南下する道には無かったセンターラインがある整備された道路です。

道の先に青い交差点の案内板があり、丘の上に大きな牧場の建物が見えます。



地図B地点から南の「丸山」を見た景色です。

「丸山」の頂上には白い建物が見え、右手にはたくさんの風力発電の風車が並び、実に壮観です。

ここは道路から放牧場に入る道で、2本の線が道路と放牧場を仕切っています。



「丸山」の頂上付近をズームで撮った写真です。

白い壁の建物に丸い塔があり、イスラム教のモスクのようにも見えます。

この建物は、自衛隊の施設「丸山レーダー」で、約30年前から稼働しているようです。

山の中腹に道路が見えますが、残念ながら一般者は立入禁止です。



地図C地点の道路脇にあった「とるぱ」宗谷丘陵駐車場です。

宗谷丘陵の道で見た唯一の駐車場で、道の向こうには「丸山」が見えています。

右手の丘の上にもたくさんの牛が草を食べていましたが、やはり牛は野宿するのでしょうか。



地図C地点の駐車場からA地点の牧場建物付近を見た景色です。

なだらかな草原が果てしなく続く、ため息が出るような広大な景色でした。

何と! この地形は「周氷河地形」と言われ、氷河によって出来たそうです。

■「とるぱ」宗谷丘陵駐車場の案内板にあった宗谷丘陵の説明文です。
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北海道遺産 -宗谷丘陵周氷河地形-

周氷河地形
 この宗谷丘陵は、稜線も谷も丸みのある形をしています。このなだらかな地形は、今から約2万年前の氷河時代の末期に、氷河の周辺に形成された特徴的なものであることから、「周氷河地形」と呼ばれています。
 周氷河周辺部が凍結と融解を繰り返す内に出来たものだですが、国内でこのように明瞭な周氷河地形が観察できる地域は他になく、日本列島や北海道の生い立ちを伝える貴重な遺産として、大切に引き継いでいこうではありませんか。
   財団法人 太陽北海道地域づくり財団助成事業
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宗谷湾を右に見て国道238号線を稚内へ走っていると「利尻富士」の山影が見えて来ました。

今日は、天塩町から稚内市まで日本海側の長い道を走り、見えなかった「利尻富士」を、日の沈む直前にやっと見ることができました。

明日早朝、いよいよ稚内港からあの利尻島へ出発です。