高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

一閑張り

2009年02月10日 07時24分31秒 | 作品紹介

キティちゃんの話を断る前に、「簡単にキティちゃんをプリントできるもの」として、「一閑張り」を考えていた。丁度それが、ネット販売を強化するため、手頃な値段で買える作品も作っていかなくてはならない。ある程度、買い易い商品で間口を広げ、先ず、「竹細工、竹製品ならオンセ!」というイメージを作っていかなくてはならない。

そこで、遣りだしたのが、この「一閑張り」である。大分県では以前から、竹を編んだ籠や皿に和紙を貼り付けた「一閑張り」が作られている。有名な所では、一緒にミラノで展示会をした毛利さんの所の「佐志生工芸村」が遣っていたが、今は、ご存知の様に「名前の詩」として、和紙にお客さんの文字をはめ込んだ詩を作る方向に転化して行き、一閑張りの方は後輩の若手職人に譲ってしまった。もう一軒、古くから「一閑張り」をしていた業者は「〇〇工芸」である。残念な事に、一昨年、別府観光の衰退や、工芸品の販売縮小の為、廃業してしまった。

私は古くから「〇〇工芸」と取引があり、随分可愛がってもらった。息子とは30年近い付き合いがあり、今私が住んでいるログハウスを建てる時も、息子が相当加勢してくれた。

そんな関係なので、「今度、ネットなどで販売する為に、一閑張りを遣ってみようと思う」と相談に行ったら、それを聞いた奥さんが大変喜んでくれて、「あんたなら、何でも教えてやる!」と。ありがたいことです。

どんな作品にも、コツがある。ほんの小さなある事が判らなくて四苦八苦する事もある。ちょっとした力の入れ具合や、時間の取り方など、何回も何回も失敗を繰り返すうちにノウハウが蓄積されるものなのだ。  その、ノウハウを教えてくれるというのだ。今までの付き合いや信頼関係が物を言ってくる。

和紙の仕入先から、糊はこれが良い、こういう道具を作るんよ、……、終いには、「作り出したら、私が行って細かいことをしどうしちゃる!」と「迎えに来てくれたら、いつでもいっちゃる!泊り込みでも良いよ!」「いえ、泊り込みはちょっと?」

本当にありがたいことです。

今回の経済危機は私にとって大変なチャンスになっている!

竹工房オンセ

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