高江雅人  竹工芸職人の独り言  竹工房オンセ

高江雅人  竹工芸を初めて37年、徒然なる出来事をアップしています。

苦い思い出!

2009年06月21日 06時49分38秒 | ブログ

620_031  1000円の高速道路割引を使って、福岡県大川市まで行ってきました。20日から始まった、「いぐさブティック 草」さんでの、個展である。

620_015このオーナーの佐々木さんとは、10年ちょっと前に、「九州から新しい工芸の波を発信しよう!」と、あるコーディネーターが旗上げした。私も、「何か新しい事が出来るのでは?」と参加したのだが、その時に一緒に参加したのが、藺草製造メーカーの佐々木さんであった。

その時のテーマが「南の風のリビング」。毎月1回、九州全県から、佐賀県鳥栖市に集まり、会議を重ね、相当な時間と労力を使った。福岡のアクロスでマスコミを集めた発表会をしたり、雑誌に特集を組んでもらったりしたのだが、この集まりは3年目で空中分解してしまった。

と、云うのもこの事業は、国から年間1000万円の補助金を貰いながらの事業であったのだが、その殆どが、コーディネーターの人件費に使われていくのだ。

毎月一回の会議の時も、参加メーカーは自腹で手弁当で参加するのだが、コーディネーター夫婦には日当が4万円も付けられていた。物作りをする生産現場の人件費の低さと比べると、あまりにも格差の在りすぎる補助金を食い荒らすだけの事業という事が判って来るのだ。

当のコーディネーターは、参加メーカーの利益を上げることより、「国からの補助金が下りるかどうか?」と言う事ばかりを考え、体裁を繕った事ばかり言っている。結局、2年間で2000万円の補助金が使われ、「こんな発表会をしましたよ」と、パンフレットが残っただけである。

どうも、これ以来、カタカナで横文字の肩書きを持つ人たち、生産現場を持たなくて、アイデアだけで成り立っている人には、イマイチ信頼できない物が出来てしまった。

だが、悪いことばかりは無く、10年以上経った今でも、このとき知り合った物作りをする人とは、今でもお付き合いをさせて頂いている。ここの佐々木さんや、佐賀県有田の「しん窯」の橋口さんなど、良い出会いを頂いた。

竹工房オンセ

コメント
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