ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

悲願のルート

2023-03-01 20:42:03 | つぶやき
随分前から言われてはいたが、インドのGDPがイギリスを抜いて世界第5位になったようだ。

まさに、あのインドが…である。
私の知るインドは20年以上前で止まったままだ。町は汚く物乞いに溢れ、埋めがたい大きな貧富の差があり、この国が豊かになることなど永遠にないだろうと思わせてくれる光景ばかりだった。だからその後の大発展に対してまったく実感がない。いつだったたかテレビの報道で高層ビル群が立ち並ぶどこかの大都市が映し出されていて、洗礼されたオシャレな男女がカフェでお茶をしていた。それがムンバイだと分かって驚いた。

かつてボンベイと呼ばれていた時代に訪れたことがあったが、私の知るボンベイは巨大なスラムと列車の車両からはみ出すほどの乗客と劣悪な環境の宿だったサルベーションアーミ―しかない。暑くて涼もうと入った高級ホテルのホテルタージマハルではたった2分で追い出された。しかもまるで物乞いを追い出すような感じで心が折れるほどだった記憶がある。

インドはカーストが根強く残る階級社会で、当時から金のない奴は例え外国人だろうが塩対応されるのは当たり前のこと。金持ちが立ち寄る場所ではそれ相応な身なりを求められる。なんとなく外国人なら許されるという感じではなかったことが強く印象に残っている。

政治的に言えば、アメリカの一強に対して中国が対抗する構図の中、第3局であるインドが台頭する時代がいよいよやってきた、ということになるんだろうか。時々ヒマラヤの国境地帯で小競り合いが報道されるインドと中国。かつては中印戦争もあり昔から仲が悪いのは有名な話である。けれどだからと言ってアメリカ側に付いて中国と対峙するかというとそうではないということ。たしかに中国も脅威ではあろうが、インドの宿敵はただひとつパキスタンだけだ。しかもインドはかつてのソビエト時代からロシアとも密接で、現在も制裁には加わらずロシアから安くエネルギーを購入し上手く立ち回っている。

つまりインドは真に誰とも組まず、自国の利益でしか動かない。そういう意味で言えば対中国に対してもあまりアテにはできず、積極的に世界に影響力を持つ大国になるつもりなど鼻からないように思える。逆に言えば、常に中立で同盟を組まない代わり大国に媚びも売らず済むし、ひたすら自国の利益のみを考えれば良いので、もっとも賢いといえるかもしれない。

日本にとって決して敵になることはないけれど、見方としても期待はできない。あくまでもビジネスライクに対等な関係で、おそらくはあまり緊密になることはないのではないかと思う。

今度インドに行くときは、ミャンマーから陸路でインドへ、またはその逆から…。
これだけは、まだやり残していることの一つだ。

数年前、今チャリンコで台湾を一周中の旅友夫婦がこの国境を越えてインドからミャンマーを経てタイまで旅をしている。
80~90年代の旅行者の悲願のルートである。

いつの日か、なんとしてでもここは行きたい。
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