ミャンマーチーク屋さんのわが道を行く

日々の出来事と旅と愚痴と文句を勝手に語る日記。

読書デー

2020-09-07 21:18:49 | つぶやき
「殺人の品格」を読んだ。北朝鮮から脱北し、現在、韓国に住むイ・ジュソンという作家の小説だ。韓国で出版を拒否された小説でもある。

ジャンルは小説ということになっているのだが、フィクションなのかノンフィクションなのかわからなくなってくる。人間の肉が売られている北朝鮮の市場、人間が人間を食すという食糧事情、脱北した北朝鮮の女性を食い物にする中国の裏社会についてなど、その内容は結構、衝撃だ。けれど、起伏感あふれるストーリーの面白さもあり一気に読めてしまった。これまでの北朝鮮の内情を記した暴露本とはまったく異なる読み物で、そういう意味ではちょっと新鮮かもしれない。

韓国での出版拒否の理由はというと、脱北者の扱いを協議する際に主導権を取った韓国の大統領官邸の人物に、実在の2人の大統領を匂わせる名前が設定されていて、しかもその2人のやりとりが、実に情けなく描かれている。そういうリアルさを韓国政府が嫌ったのではないかというのが一つ。もう一つは、現在の親北政権ならではの北朝鮮への忖度、というのがその理由なんだとか。

そして、久しぶりに旅の本を2冊ほど。

「サガレン」梯久美子著と「ロシア極東、秘境を歩く」相原秀起著。前者の方は樺太、サハリンを、後者の方は極東全域やシベリアの奥地まで巡っている。特に後者の方は、千島列島の最北の島、(日本領時代の占守島)まで訪れていて、大変、興味深かった。彼は新聞記者だが、行き方は行き当たりばったり的で、普通の人にも参考になる。ロシアの秘境も実際、普通に行ける最寄りの町まで行き、そこからアクセスする手段を考え、手配できれば大金を積まなくても行けるんだなというのがわかる。単純に旅の本ではなく、著者の追い求めるテーマに沿った場所を訪れるというものだが、北千島や南千島(北方領土)に残る日本の遺構を見つけに行くのも楽しそうだなと思った。千島列島は主に南と北に人が住む島があり、真ん中辺りの島々には、そのほとんどが無人島なんだということを、今回、初めて知った。

ちょっとした脳内トリップで現実逃避。

行ってみたいところはまだまだある。コロナ収束後、いつかサハリンと択捉島と国後島へは行ってみたい。脳内リストに載せておこうと思う。
コメント