花歩る木

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 奈良の古寺と仏像展

2010-09-16 14:25:20 | 美術館
 9月14日 平城遷都1300年記念
        「奈良の古寺と仏像」展   會津八一のうたにのせて
            三井記念美術館で             9月20日まで

  

   何日か前にNHK TVで同趣の番組があり、さきの大戦のさなか、
   会津八一が戦地に赴く学生達に、 奈良に行き仏像を見るように呼びかけ、
   みずから観仏のプログラムを立てたことを知りました。

    美術館は平日にもかかわらず、沢山の仏像ファンが詰め掛けていたのには
   まず驚きました。8~9割が中高年のオバサマ。


   特別展は7室に分かれ、それぞれのテーマに沿った展示がなされて
   いました。圧巻は国宝を含む比較的大きな仏像の並ぶ第7室
   でした。
 
          
   何と言っても注目は法隆寺の国宝 「観音菩薩立像」 (夢違観音)さま。
   奈良時代、銅製。   パンフレットの表紙にもなっていますが、
   悪夢をよい夢に変えてくださるお力があるそうです。
   お顔立ちも体つきもしっかりとしていらっしゃって、思わず手を合わせました。


            

   
   興味深かったのは、「東大寺の五劫思惟阿弥陀如来坐像」
   (鎌倉時代、東大寺)で、五劫 というのは仏の長い時間 と言う意味で、
   髪の伸びるのも構わず 修行に没頭していた時の 姿を表しています。
   髪が長く延びて 大きい
帽子をかぶっている様な頭になってしまった像です。
    ユニークなお姿ですが、おだやかで、きれいなお顔でした。

                      
          

   重文 如来型立像 平安時代 唐招提寺
     胴体だけの姿でありながら、形の美しさから「唐招提寺のトルソー」
   と親しまれて来ました。ギリシャ彫刻のようだと言われるそうです。
   かや材の1本作り (7月27日~9月20日)

   
   それぞれの寺に八一の歌が配せられ、例えば
   唐招提寺には
        おほてらの まろきはしらの 月かげを
        つちにふみつつ ものをこそおもへ
   

   薬師寺には
        水煙の あまつおとめが ころもでの
        ひまにもすめる 秋のそらかな
 

                              

           會津八一は明治14年(1881年)新潟市生まれ。
           八月一日生まれで、八一と名付けられました。
           (西暦でも81で 名付けた人は気がついていたのかな~)
           歌人,美術史家、書家で、早稲田で教壇に立っていました。
           27歳の時にはじめて奈良を訪れ、和歌と美術の道に
           進むきっかけになったと言われています。
           和歌はひらがなで書かれています。
           奈良を愛し、多くの奈良賛歌を残した人です。
   

 
   目をひいたのは茶室に掲げられた「学規」で
         ふかくこの生を愛すべし
         かへりみて己を知るべし
         学芸を以って性を賞ふべし
         日々新面目あるべし

   という学問をする人の心構えを書いたものでした。
   作られた茶室の中が 「如庵」 
を模したものであるという説明がなくて、
   オーディオガイドを聴いて初めて分かりましたけど。
      (犬山城近くにある 国宝「如庵」へわざわざ足を運んだフアンなのです。
      その時中はみせてもらえませんでしたのでラッキーでした)



          見終わってから、「Museum Cafe」で摂った食事はおいしくて
          しゃれて
いて、お値段は手ごろ。次もあそこにしよう!
        
          「會津八一と奈良」  ~歌と書の世界~
          と言う本を買いました。入江泰吉の写真がすばらしいです。
      


       奈良の20寺からの仏像、工芸品が展示されていて、
       日本橋でこんなに間近に拝観できるのは、奈良好きとしては
       たまらなく有難い展覧会でした。
       来月奈良にいきますが、周りの風景がより深く感じられるんじゃないでしょうか。
       
      

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