花歩る木

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歴代沈壽官展 三越

2011-01-26 12:30:48 | 美術館

1月25日 三越で『歴代沈壽官展』を見てきました。
   
   1月16日の日曜美術館で 沈壽官(ちんじゅかん)さんの
   紹介がありました。  「風濤を越えて、薩摩焼と生きた400年」
   
   パリで開催して好評だったこの展覧会の帰国展が
   31日まで、日本橋・三越で開かれています。
   会場に並ぶのは、鹿児島日置市で窯の火を守る沈家の
   初代から15代までの作品約100点。

   
   開店直前の三越本店             新館7階の展覧会場

   日曜美術館 司会の 姜尚中さんと中條誠子アナウンサー が
   鹿児島を訪ねていきました。

   
   
   薩摩焼は16世紀末、豊臣秀吉の朝鮮出兵で連れてこられた
   陶工により生まれました。生き延びるために初代は26年の歳月をかけて、
   山野をめぐり、白土を発見したそうです。
   薩摩藩主に重用された「白薩摩」は大名達への献上品となり
   生き抜くための道具になりました。
   12代は新たな技術を生み出し、透かし彫りや浮き彫りを考案し
   中興の祖といわれました。

  

  
   15代沈壽官さんと姜尚中さん
   「風濤を越えた」祖先のルーツは韓国 のお二人。

   
   薩摩獅子乗大香炉  
   12代が書き残した図案を15代が2010年に作品に仕上げたもの。

  
   15代作   乳白色の生地と透明釉を覆う微細な貫入(ひび)が
           高貴な品格を醸し出しています。            
                                          写真はNHKテレビより

   沈壽官さんのことも沈家のことも日曜美術館を見て初めて知りました。
   現代へ引き継がれているその作品の特徴は
   精密な描画、造形にあると言われます。
   象徴的な技法の一つ、「透かし彫」はとくに圧巻。
   「こんなにこまかい仕事がよく人の手で出来るもんですね~」と
   オドロキため息がでました。
   貴重な歴代の作品を一同にみられ、ほんとうに感激でした。
   とともに、背景の歴史に思い至った時 胸の詰まる思いもしました。